アラバマクロスオーバー 「野良」IGAS RECORDS(ALBM-1001)2005 - JAPAN    
尾崎一宏(sax) 稲垣光弘(key) 高井亮二(b) 狩野丈二(drs)
●骨太いストレート系 ●明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間
○R&B ○ブラック系 ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系 (□ブラジル系 □サルサ系 □カリプソ系)
○ユーロ系 ●JAZZ系 ●JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ○ロック系
 
 マイクロストーンのシラキ氏がレコーディングのマスターをやっています。
ジャケの写真にアコースティックベースに生ピアノの写真があり、てっきりゴリゴリの4ビートジャズだと思って聴いてみたら中身は全然違ってました。

 サウンドはどちらかというと16ビート中心で、バンド名にあるような”クロスオーバー”と呼ばれていた時代のサウンドと言ってよいでしょう。
アレンジはシンプルでストレートなサウンド。
よく唄うサックスを中心に、70年代の音色のエレピ、ブイブイと鳴るベース、表情豊かなドラムのカルテットです。
収録曲は爽やかなラテンナンバーやフリージャズっぽいもの、ファンキー(死語?)なサウンド、バラード、とバリエーションがあります。
全体の雰囲気は、まるで一発録りのような演奏は臨場感があって、ストリートライブで鍛えた実力を証明してます。
個人的に面白かったのは、エレピのエフェクター。70年代後半に盛んに使われていたフェーザー、フランジャー系が非常に懐かしい音色。

 クロスオーバーの時代のサウンド:分かり易さと個人のアドリブ、よく音に出ています。これが狙いだったら、まさに成功していると言えるでしょう。

 ジェフローバーはクロスオーバーの時代に”FUSION"という言葉をバンド名に入れて新しいサウンドの創造を暗に示したように思えます。
このバンドは”クロスオーバー”を入れることで何を示そうとしているのか、、、、、、、クロスオーバーの時代のサウンドへの回帰なんでしょうか?
いずれにせよ、このバンドのサウンドは新鮮に聴こえます。
70年代のサウンドは良かったなぁ〜という人、逆にその時代を知らない人にお勧めです。
 
 現代のサウンドが失いつつある(?)”自由”を感じるサウンドです。


 サックスの尾崎さんからコメント頂いてますのでご紹介します。

Q:何故”クロスオーバー”という言葉をバンド名に使ったんでしょうか?
 クロスオーバーという言葉が気に入ったのも事実です。
私は新宿の昼の部のピットインでアコースティックなライブ活動もしていますし、60年代までのマイルスやコルトレーンといったサウンドに憧れて、ストレートアヘッドなジャズだけを演奏していた時期もありましたが、私としてはもっとわかりやすいメロディーのある曲を演奏したいと最近考えるようになってきました。
ちょこっとだけテーマを演奏してあとはひたすらアドリブ!というようなジャズのスタイルから少し抜け出したいとも思っていました。
もっとメロディーを大事にした楽曲をライブで聴いてもらいたいと考えるようになりました。ちなみに前作はひたすらアドリブでした。

 それにリズムに関しても4ビートはどうなのか?とも考えるようになりました。
やはりストリートなどで演奏していると若者には4ビートよりラテンやファンクのほうが圧倒的に受けるというのもありましたし、4ビートは完全に室内専用っていう感じも昔からあったのです。
どうしても大きな野外フェスティバルなどでジャズ(少人数編成の)がカッコイイと思えることはなかったのです!

 やっぱりアコースティックジャズはボリュームが圧倒的に小さいのもちょっと物足りないと感じるようになってきました。
もちろん近年のキースジャレットのライブなんかを見ると感動はしますし、最高だとは思いますが、あの演奏はコンサートホールでピアノはスタンウェイ!お客さんはマナーが良い!みたいな最高の環境でないと中々難しいと思うのです。
 そんな具合でありまして、この今回のアラバマのCDでは自分が今、一番サックスを吹いていて気持ちの良いリズムで、メロディーを前面に出したラウドなサウンドを表現したいと思って録音してみました。


Q:このアルバムのコンセプトは何でしょう? 聴き所も併せてご紹介下さい。
 コンセプトとしては「メロディー」です。
自分の演奏のスタイルや音色、フィーリングなどの個性も大切にしていきたいと思っていますが、そういった個性に重点を置くジャズではなく楽曲のアイディアなどトータルな面で聴く人に楽しんでもらえる音を心がけて製作CDだと思っています。
ただ、その分前作で好評だった「勢い」がなくなったと、言われたりもしています。
しかし今回の作品はやっぱりシンプルなメロディーを演奏したかったという事なんだと思っています。これがコンセプトであり、聴いて欲しいところです!


Q:アルバムタイトルは何故”野良”なんでしょうか?
 アルバムタイトルの「野良」に関しましては、生まれながらに音楽をやるために生まれてきたようなスペシャルアーティスト、チックコリアやキース、ブレッカー、ジャコパス、パットメセニーみたいな人たちには技術的にはかなわないけれども良い音楽を製作することは誰にでもできる可能性がある!と考えているので、タイトルを「野良」に決めました。
育ちは悪くても頑張って生きているんだ!っていう感じです。
ちょっと自虐的ですが‥‥


☆生で聴きたいサウンドですね。彼らの活動はHPで。http://blog.livedoor.jp/alabamacrossover/(アスワン)

   
Slow           Speedy
Light             Heavy
Mellow       Hard
Lyrical       Cool
Melodious         Out of melody/code
Conservative         Progresseve/Tricky
Ensemble           Interplay

\2,100