Keith Jarrett「Radiance」ECM Records(B0004314-2)2005 - Germany  
              
Keith Jarrett(p)

○骨太いストレート系 ○明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間
○R&B ○ブラック系   ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系(□ブラジル系 □サルサ系 □カリプソ系)
○ユーロ系 ○JAZZ系 ○JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ○ロック系   ●ECM系

キース・ジャレットの日本における、2002年ライブCD2枚組がリリースされた。
録音は大阪フェスティバル・ホール、東京上野文化会館の2箇所で、特に上野はキースの日本における150回目メモリアル・コンサートである。
実はこの上野のコンサートは実際会場に足を運び、ライブを体験しているだけに、このCD化は感慨深い。
当日、袖にECM総帥のマンフレッド・アイヒャーの姿を見つけたので、もしやCD化か?とは思っていたが。

このRadianceというアルバムの曲名はPart1からPart17と分けられ、そのうちPart1-13が大阪公演の完全版、Part14-17が東京公演の一部になる。
よくライブ盤で複数会場のBESTパフォーマンスを選ぶことはよくあるが、キース・ジャレットのソロの場合は通常1公演で1作品であるし、スタンダーズのような演奏曲みたいに曲順を編集できる類ではない。
なのに本作は2会場をあたかも1つの作品の中で連曲になっているかのような構成にちょっと好奇心をくすぐられる。

気になるのは、東京公演が一部だけという構成がなにか中途半端に写る。これは推測だが、本来は日本における150回公演でのライブ盤にしたかたのではないだろうか? 
しかし、「あるハプニング」により、東京公演は全て使うわけには行かず、かといって150回音源も出したいということで大阪公演とカップリングした・・・・と考えてしまった。
ちなみに「あるハプニング」とは演奏中に一人の観客が突然拍手をしたため演奏がSTOPし、その曲はそのまま終わって、別の曲を演奏するという事態になったことだ。
この150回コンサートは秋頃にDVD化される予定なので、そこで再度確かめたいと思う。

演奏であるが、ケルン・コンサートやラ・スカラと言った過去の耽美なピアノ・ソロとはベクトルが違う。
あたかもソロ・ピアノの可能性にかけたような即興演奏のカタマリであり、部分的にはセシル・テイラーを思い起こすようなFree Jazzに傾倒し、かと思えばこれこそキース・ジャレットと言いたくなるような耽美ピアノ、カントリー風ピアノ、そしてクラシカルへとパートが現れる。
ただ、それらの演奏の曲順を聴きやすく編集すること無く、ライブのままの曲順であるため、キース・ジャレットをそのまま受け入れられるファン以外の方には結構キツク感じるかもしれない。

ただし、一言で言うとまさに「圧倒的」である。最初から最後まで・・・これは譜面ではという疑問を拒絶し、まさにあの場で瞬時に生み出された音楽であったのであろうと確信する。
ここ数回のキース・ジャレットのソロ・コンサートの構成はというと、前半で甘さを拝した即興演奏を聴かせ、中盤以後で美しいソロ・ピアノを聞かせてくれる。
その美しい部分にたどり着くまで、多少のアブストラクトな演奏にも付き合うことになる。
それだけに、そこまで行き当たったときはまさにカタルシスと陶酔の世界なのだ。

ソロ・ピアノという点では某新進ピアニストの方がとっつきやすいかと思われるが、奥深さや重厚さ充実感などさまざまなファクターでキース・ジャレットがあまりに突出しているため、まだまだ比較できるレベルでは無いと感じる。
やはり、このジャンルではキース・ジャレットの独壇場だというのが実感である。

# 一般的評価はどうなるかと思いますが、あまりにも圧倒的演奏で言葉を失います。(TKO)
 
 
   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out_of_melody/code
Conservative                     Progresseve/Tricky
Ensemble                       Interplay