渡辺香津美「エンドレス・ウェイ」コロンビア・ミュージック・エンタテイメント(COCB-53292)1975/2004 - Japan/Reissue  
              

渡辺香津美(g),井野信義(b),倉田在秀(ds),
向井滋春(tb),土岐英史(sax)

●骨太いストレート系 ○明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間
○R&B ○ブラック系   ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系(□ブラジル系 □サルサ系 □カリプソ系)
○ユーロ系 ○JAZZ系 ●JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ○ロック系   ○ECM系

渡辺香津美の未CD化だった何枚かの作品が年末一度に再発された。
この「エンドレス・ウェイ」は地味目だったようであるが、筆者的には一番CD化を待望してきた1枚である。

タイトル曲がなんと言っても素晴らしい。
この曲だけギター、ベース、ドラムのトリオで、バリバリ弾きまくる香津美がかんともカッコ良いのだ。
ドラムはソリッドなROCKパターンを叩き、ウッドベースが粘るような定型パターンを繰り返すというシンプルなバッキング。その中を香津美のギターが、縦横無尽にインプロヴィゼーションを繰り広げるのがたまらない。
ナチュナルなオーバードライブのかかったギターは、Jazz/Rock双方のエッセンスを取り込み、ギタースタイルがほとんど完成しかかっている。
音楽的にはラリー・コリエル「スペイセス」を下敷きに、ジョン・コルトレーン"チェイシン・ザ・トレーン"の自由奔放さを取り入れたような、ほとんどインプロビゼーションにかけた演奏である。
今でこそギター・トリオでの香津美作品は何枚もあるのだが、この曲でのトンガリ方は尋常ではないし、いつ聞いても新鮮な気持ちになる。

その他3曲はホーンが入り、いずれも香津美のオリジナルである。
これらはJazz色の強い4ビートであるが、通常ピアノが入るJazzカルテットと違い、ピアノ・レスによるギター主導のJazzカルテットは、あるようでない、非常に稀有な編成だと思う。
それもトロンボーン、ソプラノSaxというフロントなんて他に思いつかない。
それだけにサウンドがひと味もふた味も異なり、実に面白いサウンドになっている。
後のチキンシャックで色っぽいSaxを聞かせる土岐もここではストレートでハードな演奏を聞かせ、トロンボーンの向井も実に爽やかで重々しいイメージのJazzトロンボーンとは一線をかくフレッシュな演奏である。
また、ここでの香津美のギターも、従来のJazzギターとは異なる、個性の強いギターが魅力である。

#ややJazz寄りで過渡的なサウンドですが、クロスオーバー発展直前の新たな音楽を創造しようとするエネルギーを感じる1枚です。 (TKO)
 
 
   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out_of_melody/code
Conservative                     Progresseve/Tricky
Ensemble                     Interplay