George Benson「Irreplaceable」GRP(0602498612873) 2003 - U.S.A.   
George Benson(g), Joshua Thompson(produce, arrange,various inst.), Lisa Fischer(vocal), Richard Bona(bass), Melvin Davis(bass), George Wadenius(g), Bill Blast(kb) etc.

  ○骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ●R&B                 ●ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○その他

ブラインドテストをしたらこのアルバム、全く誰のアルバムかわからないだろう。ベイビーフェイスがプロデュースしたのかな?と思わせるような音である。 ちゃんと聞いてみると確かにベンソンの声であり、ギターなのだが、それはあくまでも全体のサウンドを構成するパーツでしかない。
サウンドを作っているのはアルバムをプロデュースし、ほとんど全ての曲を書いているジョシュア・トンプソンである。特徴なのはベイビーフェイス系に聞かれるようなアコースティック・ギター(それもベンソンではなくトンプソンが弾いている)の使い方、全編打ち込みのリズム、耳あたりのいいコーラスと今時の典型的なブラック系の音である。今時の日本のブラック系もどき風に言えばR&Bサウンドとも言うのだろうか。

クィンシー・ジョーンズをプロデュースに迎え、1980年当時の最新のブラコン・サウンドとして発表され、世間をあっと言わせた「Give Me The Night」なみの大変身ぶりである。今までのベンソンを期待して買うと大きくはずされるだろう。

先入観をなくして1枚のアルバムとしてきくと、よくできた上質のブラック系ポップアルバムに仕上がっていて、心地よく聞くことができる。ただ個人的には「Give Me The Night」ほどのインパクトは感じられない。ここまでやるならもっとキャッチーな曲があってもよかったのではないだろうか。

またこういうアルバムを聞くにはちょっと歪んだ聞き方なのだろうが、一番気に入ったのは最後の曲「Missing You」で聞かれるリチャード・ボナ(10曲中8曲参加)のベースだ。曲の終盤にコーラスと絡んでベンソンのギターとボナのベースのソロの掛け合いがあるのだが、その部分のボナのフレーズはかなり凄まじい。ポップス系のミックスなのでソロのバランスもあくまでもサウンドの一部という感じでそんなに前に出てこないのだが、ベンソンのギターの倍くらいの音数を弾いている。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay