Grant Green「The Final Come Down」Blue Note(7243 5816782 5)1971/2003 - UK - Reissue   
              

Grant Green(g),Richard Tee(p,org),Cornell Dupree(g),Gordon Edwards(b),
Ralph McDonald(perc),Burnard Purdie(ds),Grady Tate(ds),
George Devens(vibes,perc),Warren Smith(marimba,perc),With strings&Horns

○骨太いストレート系 ○明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間
●R&B ○ブラック系   ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系(□ブラジル系 □サルサ系 □カリプソ系)
○ユーロ系 ○JAZZ系 ○JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ○ロック系   ○ECM系 ●映画サントラ

まず、メンツを見ると、リチャード・ティー、コーネル・デュプリー、ゴードン・エドワーズのSTUFF勢が目につく。そしてラルフ・マクドナルドにバーナード・パーディである。なんとも豪華顔合わせだと普通なら考える。
しかし、忘れてはいけないのは、本作はグラント・グリーンのリーダー作である。
更に、もっと忘れてはイケナイのが、本作は映画サントラということである。

本作はグラント・グリーンがたった1枚だけ映画音楽に関わったという作品である。
これまでずっとCD化されず、LPですらも見かけない、グラント・グリーン・ファンには幻の1枚であった。
CDを聞いてみると、確かに再発は難しかったであろう・・・・まさに映画音楽っぽいつくりで、バンドよりもストリングス、ホーンが目立つ。また曲も短く、フェイドアウトする。

時代的にもCrossoverがそろそろかと考えれば、後のFusionスターがこういったお仕事のようなことをやっていたのだと、それはそれで興味深いところがある。
また、ここに参加してるメンバーがその後(グリーンを除いてベースが変われば)Cornell Dupree「Teasin'」で再会し、さらにSTUFF結成に結び付けると考えると、この盤も歴史的価値はあるのであろう。

しかし、聴き所が全く無いわけでもない。
デュプリーのワウを聞かせたチャカポコなリズム・ギターはらしさが出ているし、ティーのピアノも断片的にはキレイなフレーズを聞かせる。マクドナルドはこういう音楽の時でも多彩なパーカッションを聞かせるし、パーディのリズムも”らしさ”が聞ける。エドワーズもマイペースで音楽を引っ張っている。
グリーンは出番的にはちょっと物足りないが、出てくるときは絶好調のソロを聞かせてくれる。この1971年前後のグリーンはR&B路線では最高潮な時期だけにもっと聞きたいと思うのだが、まぁこういう作品でも残ってくれただけでありがたいと思うべきなのかもしれない。

それと1つだけ発見があった。短い1曲(1:38)ではあるが、少しだけSTUFFにつながるサウンドに聞こえた。
"Traveling To Get To Doc"という映画の場面曲だろうが、ストリングス&ホーンはバッキングになり、ティーのオルガンがよく効き、リズムもスローなSTUFFライクなR&Bである。グリーンのギターがメイン・メロディを弾き、それにからむデュプリーのバッキングが絶妙で、まるでその後のゲイル&デュプリーの絡みの原型ではないかと想像した。

・・とだいぶ誉める点を書いてしまったが、所詮はサントラである。
なのでよっぽど好きな人で、グリーンやティー、デュプリーとかのコンプリート・コレクションを目指すような人向けのような気がする。もしくはサンプリング・ネタ用か?・・・グラント・グリーン人気もここまで出すようになったのだなと感慨深い。(僕はファンなのでありがたいけど。)

# ある意味で”なるべくしてなった幻の1枚”とでも言いましょうか。(TKO)
 
 
   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out_of_melody/code
Conservative                     Progresseve/Tricky
Ensemble                     Interplay