Guest : Anthony Jackosn (bass), Jim Odgren(a.sax), Dave Fiuczynski(g) ●骨太いストレート系 ○明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間 ○R&B ○ブラック系 ○歌物・NAC/AOR 系 ○ラテン系(□ブラジル系 □サルサ系 □カリプソ系) ○ユーロ系 ○JAZZ系 ○JAZZとFUSIONの中間系 ○ブルース系 ○ロック系 ○その他
誤解を恐れずに言うと私はジャズにおいては性差別主義者である。女性、特に日本人女性のジャズのアルバムは、名前を見ただけでルックスはかわいいが、内容は聞き易いだけで芯がなく無難な演奏をしているだけというステレオタイプをイメージしてしまって、興味がもてないのである。
しかし試聴機で1曲目を聞いたとたんにぶっ飛んでしまった。そこには抱いていた日本人女性ピアニストのイメージからは180度正反対の攻撃的で先鋭的な演奏があった。ピアノトリオの演奏とは思えないような音がぎっしりつまった密度の濃い演奏で、初めて聞く名前のベースのミッチ・コーン、ドラムのデイブ・ディセンソのリズムセクションの切れ味も素晴らしい。 2曲目ではサックスとギターのフュージンスキーが加わって12分にも及ぶ演奏が繰り広げられているが、これまたアレンジが斬新で先鋭的な演奏。軽めのちょっとスムース系かなと思わせるテーマからフュージンスキーのギターが入ってくるとちょっとひねりが聞き出し、ファンク系のリズムをバックにサックスソロが入ってくる。それに続くギターソロはフリーキーで調性がなくアウトしまくった感じのファンク系、ピアノソロはクラシカルな雰囲気から一気に盛り上げてくる。 なんか2曲だけでもお腹が一杯になってしまうほど密度が濃いのだが、その後もラテン系の曲があったり、エンディングではラグタイム風のソロピアノがあったりで飽きさせない。なんといってもミシェル・カミロからラテン風味をとったような上原の粒のそろったタッチのこれでもかという怒涛の高速ピアノが驚異的でもあり、それがまた心地よくもある。 1枚のアルバムとしての完成度も高いし、とにかく新鮮な驚きのあるアルバムです。これからが楽しみな大型新人の登場です。 輸入版ではSACD Multi Hybridもリリースされています。(橋 雅人)
|