Fuse One「Ice」エレクトリックバード(RKCJ-6007)84/2002 - Japan  
 Tom Browne(tp) George Young(ts) Ronnie Cuber(bs) Larry Coryell(gt) John Tropea(gt) Jeremy Wall(el-p) Clifford Carter(syn) Will Lee(el-b) Steve Gadd(ds) Sammy Figueroa(per) David Matthews(arr,cond)

○骨太いストレート系 ○明るく爽やか系  ●骨太系と爽やか系の中間
○R&B系 ○ブラック系 ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系               ( □ブラジル系  □サルサ系  □カリプソ系 )
○ユーロ系  ○JAZZ系  ○JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ○ロック系 ●スーパーセッション系


フュージョン・ファンの間では今だに語り草となっているスーパーセッションユニット、「フューズ・ワン」の、これは3作目にして最終盤の復刻です。

実は私、恥ずかしながら本作を聴くのは今回が初めてで、・・・というのは、1980年当時、彼らの第1作「Fuse One」(当初はグループ名義は単に「Fuse」と云っていた。)を聴いた時の、あの鮮烈な印象は昨日のことのように思い出すのですが、1年後に出された2作目「Silk」では確かにメンバーこそ1作目をしのぐ豪華さだったものの、肝心の楽曲が1作目での素晴らしいテンション、スピード感、バラエティーに富んだアイデアがどこかへ行ってしまい、妙に「のんびりした」(当時の私にはそう聴こえました・・・)ものに変わってしまったのです。そのこともあり2作目でやや失望を覚え、3作目に至ってはリリースされたこともよく知らないまま、後年になってから聴き逃したことを後悔するハメになったのです。今回の復刻はそういう意味で、永年の借りを返しケリをつけた(?)ような気分ではあります。

さて、「フューズ・ワン」といえば何と云ってもCTIですが、実はこの3作目に限りレーベルが異なります。そのいきさつはライナーに詳しいのですが、要するにCTIの制作休止後、これまた当時のフュージョン・ファンなら誰もが知ってた(ロゴマークも!)、日本のエレクトリック・バードがその名を惜しみ、許可を得て3作目完成を実現したとのことです。メンバー構成はこれまでの流れを引き継ぐ形で、さらに数名が新たに参加し、またプロデューサーにはデヴィッド・マシューズを迎え、何にしてもこれ以上ないというくらい豪華な顔ぶれはこれまで通りです。

実際聴いてみると、確かに1作目ほどの息詰まるテンション、インタープレイはないものの、(私の中では)悪名高い2作目ほどモッサリ(?)した内容ではなく、丁度その中間といったところですか・・・。それにやはりマシューズのカラーからか、全体にファンク色が濃くなっており、その点は前2作とは少々趣きが違うところです。また2曲ほどバラードが出てきますが、これが美しく、全体にアクセントをつけています。各々のプレイについては、これだけのメンバー、質が悪いわけはありませんが、特にラリー・コリエル(やっぱり「フューズ・ワン」といえばコリエルです!)のプレイが光ります。まァ、さすがに期待を裏切っていないです。

この作品は、もちろん今となっては旧作には違いありませんが、これまで(私のように)聴き逃していたファンの方がみえたら是非一聴をお勧めします。このせち辛い昨今、久し振りにフュージョン全盛時の空気を感じることができますので・・・。(この作品あたりを境に、フュージョンは受難の時代に入って行くのです。)


○ とにかく何にしても、「フューズ・ワン」は1作目に尽きます!今回で遅ればせながら全作通して聴いてみて、あらためて確信したところです。  (セリエJ)


   
Slow         Speedy
Light         Heavy
Mellow         Hard
Lyrical         Cool
Melodious           Out of melody/code
Conservative           Progresseve/Tricky
Ensemble         Interplay