Miles Davis「The Complete In A Silent Way Sessions」Columbia (C3K 65362) 2001 - U.S.A.     Check CD@
Miles Davis(tp), Wayne Shorter(sax), Chick Corea(kb), Dave Holland(bass), Tony Williams(drums), Herbie Hancock(kb), Joe Zawinul(kb),Jack Dejohnette(drums), John McLaughlin(g), Joe Chambers(drums)

  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ●JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○その他


コロンビアからのボブ・ベルデンの手による一連のマイルスのコンプリート・シリーズの最新作です。タイトルからわかるように「In A Silent Way」のコンプリート盤という触れ込みですが、実際にはビッチズ・ブリューのコンプリート盤同様、「キリマンジャロの娘」など他のアルバムでリリースされた曲も混ざっています。年代的には「Miles Davis 1965-1968」とビッチズ・ブリューのボックスセットのちょうど間の時期にあたる68年9月から翌69年2月までの間のスタジオでのセッションがほぼ時系列にそって3枚のCDに収められています。

タイトルとなっている「In A Silent Way」のLP版もCDの最後の部分に収録されています。改めてじっくり聞いてみると、編集の切れ目がはっきりわかるくらいブチブチに切り刻んでエディットされていて、時代を感じさせるのですが、随所にあっと思うようなフレーズ、今でもそのまま使えそうなコード進行が散りばめられていて、30年以上も前にこのアルバムを作り上げたマイルスの偉大さを感じます。
またCTIを思わせるようなメローな部分もあったりするのが、ちょっと意外だったりします。

LP版と合わせて「In A Silent Way」の収録曲の別エディット版(未エディットではない)も収録されていて、テオ・マセロの編集の過程なども垣間見ることができるようになっています。(編集表などもライナーについていて、それを見ながら聞いてみるのもおもしろいかもしれません)

この録音を契機としてマイルスは4ビートから離れていくわけですが、このアルバムに参加しているキーボード奏者、ジョー・ザヴィヌル、ハービー・ハンコック、チック・コリアがその後ウェザー・リポート(サックスのウェイン・ショーターも参加している)、ヘッド・ハンターズ、リターン・トゥ・フォーエヴァーを率いてフュージョン(というか当時はクロスオーバーと言っていたが)の創世記をリードしていったことを考えると、今更ながら、このアルバムの歴史的な意味というのは大きかったことがわかります。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progresseve/Tricky
Ensemble                     Interplay