川崎燎「Prism」East Wind(UCCJ-4029)'75/2001 - Japan
川崎燎(g) Phil Clendeninn(k)  Herb Bushier(b) Buddy Williams(d)
Abdullah(per) Steve Turre(per)
●骨太いストレート系 ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間
●R&B系 ○ブラック系 ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系               ( □ブラジル系  □サルサ系  □カリプソ系 )
○ユーロ系  ●JAZZ系  ○JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ●ロック系
私が川崎燎さんを本格的に聴くようになったのはまだほんの2年程前のことで、それ以前から名前はよく知っていたものの何となく手を出しかねていた存在でした。ある時ほんの衝動的に「Sweet Life」('96)というアルバムを聴いてみたところ、これが素晴らしい!すっかり彼のファンになってしまい、現時点で入手出来る作品はほぼそろえてみました。が、悲しいかな現在入手出来るのは近年の作品ばかりで、かろうじて彼の代表作とされる「Mirror of My Mind」('79)だけはヴィレッジレコードから復刻されているのですが、70年代後半から80年代にかけてのフュージョン全盛期に彼は他にどのような作品を出していたんだろう?という点は私の中ではずっとナゾになっていました。

そんな中、今回East Windレーベルから彼の「初リーダー作」とされる本作が復刻されました。これは聴くしかない!と勢い込んで入手したものです。ところが・・・・

彼は'47年生まれということですから、リー・リトナー、パット・メセニー、アール・クルーらよりやや年長、ラリー・カールトンとホボ同年代ということになり、現在では「巨匠」の域にあると云ってもいいキャリアがあります。若くして単身ニューヨークに渡りすでに在住四半世紀余となりますが、本作は彼がニューヨークに渡って2年後、'75年に録音されたもので、年代が年代だけに当初ごくオーソドックスなジャズプレイのスタイルを想像したのですが、これが大違い!まだフュ−ジョンが一方で「クロスオーバー」と呼ばれた時代によくみられる先鋭的でプログレ色の強い演奏を展開しており、とりわけギターは現在の彼の円熟味あるスタイルとはかなり違う、エネルギッシュで鋭角的なプレイを聴くことができます。ロック、R&Bにも造詣の深さが窺われ、彼は根っからの「フュージョン・ギターリスト」なんだなァ、と思わせるものがあります。

彼は今日でこそ「Cool & Smooth」が看板ですが、かつてこのようなトンがった内容の作品を残していた、という観点から現在の作品を聴くと、また味わい深いモノがあるのではないでしょうか。本作はスゴ腕ギターリストのルーツを聴く、といった感じのものです。・・・・また他の復刻盤が出ることを期待します。

○East Windレーベルでは、他に増尾好秋、峰厚介などの旧譜も出ています。
                                          (セリエJ)
   
Slow           Speedy
Light           Heavy
Mellow           Hard
Lyrical         Cool
Melodious           Out of melody/code
Conservative                 Progresseve/Tricky
Ensemble             Interplay