Arild Andersen「Molde Concert」ECM(159497-2)-1982/2000 Germany - Reissue

  Arild Andersen(b),Bill Frisel(g)
  John Taylor(p),Alphonse Mouzon(ds)
 
  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間  
  ○R&B                ○ブラック系        ○歌物・NAC/AOR 系        
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)            
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ●JAZZとFUSIONの中間系    
  ○ブルース系          ○ロック系      

このメンバーでこの音が出るとは思わなかった。これはまさにJAZZ/ROCKであり、FUSIONメインストリートな音だ。アルフォンス・ムザーンのドラムが炸裂したと思えば、フリゼルがロック・フレイズでぐいぐいとリードする。ジャケットの穏やかな風景写真からは裏腹な・・・これは嬉しい裏切りである。

 実はECMは今でこそクリスタルなサウンド・イメージではあるが、80年代初頭はJAZZ/ROCK、FUSIONの作品を多数出していたのだ。しかし、それは知っていてもこのメンツでこういったFUSIONになるとは予想できなかった。
 なんせアリルド・アンデルセンといえば、ノルディック、トラッド、フォーク・・と言ったキーワードが思いつく。なのに、ここではそれって別人?というような変貌具合。
 ビル・フリゼルもいまでこそスタイルが確立しているが、ここでは渡辺香津美やジョン・スコフィールドを思い起こしてしまうような、ロックでストレートなFUSIONプレイ。
 ジョン・テイラーもあの嘆美ピアニスト?・・・は断片的には見せるが、いつもなら考えられないノリの良いピアニストになっている。
 ところで問題はやはりアルフォンス・ムザーンであろう。WetherReportのオリジナル・ドラマーの面目躍如か、ときおりまるでビリー・コブハムにでもなったような叩きまくりを見せる。

このサウンドは他に例えるのはムズカシイが、間違いなく当時の聞き応えあるヘヴィーFUSIONである。ベースがアコースティックなので時折4ビートに移行し、ムザーンのビートが相まって、JAZZ/ROCKともとれるかもしれないけど。

 それとこのCDに特筆することであるが、ECMは今までボーナス・トラックは決して無かったが、なんと4曲も未発表曲が含まれる。これはECMにしては特別である。
しかも、この未発表曲が実によい。むしろ未発表曲の方がFUSION好きには好まれると思う。最後の曲にMiles DavisのWater Babiesに含まれる"Dual Mr Tillman Anthony"・・・当然トニー・ウィリアムスに捧げられた曲であるが、これなんとも嬉しい選曲。

# 聴いてみなければわからない、まさに隠れたFUSION作品です。(TKO)
 
 

   
Slow             Speedy
Light         Heavy
Mellow   Hard
Lyrical         Cool
Melodious       Out of melody/code
Conservative         Progresseve/Tricky
Ensemble         Interplay