プリズム「イン・ザ・ラスト・リゾート」Turnon‐C(MQCP30002)2001 - Japan
和田アキラ(Gt), 木村万作(Ds), 岡田治郎(Bs) / 新澤健一郎、津垣博通、伊藤幸毅、古川初穂(Key), ZAKI(Vo)
●骨太いストレート系 ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間
○R&B系 ○ブラック系 ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系               ( □ブラジル系  □サルサ系  □カリプソ系 )
○ユーロ系  ○JAZZ系  ○JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ●ロック系
 
  日本フュージョンバンド老舗の新作です。この間メンバーの入れ替えがあり、結成時からグループを支えてきた一方の雄、ベースの渡辺建氏が脱退、替わってセッションミュージシャンとして活躍中の岡田治郎氏が加入、一気に若返りを図り、新生プリズムとして再出発となりました。

  まず新作CDを手に取って思ったのは、あまりに簡素な入れ物なので思わず旧版CDと間違えたことで(…これは冗談です ^^;)、・・・海を背景にした、まるで高中のアルバムかと思うような表写真、「ヒーリングを越えた癒される一枚」というキャッチフレーズ、う〜ん、プリズムもいよいよポップ路線に殴りこみかと、ある種の期待を感じ、その期待を込めつつ聴き始めることとなりました。

  実は私が聴く前から、種々の情報から「今回のプリズムはポップになった。」「夏に合わせた作品」等の声が入ってきてはいたのですが、実際聴いてみたところ、キャッチフレーズの「癒される一枚」というのは、少々無理があるんじゃないかと(^^;)・・・。ギターの和田氏は相変わらずギンギンに弾きまくってるし、ドラムの木村氏もタイトである。新メンバーの岡田氏は、プリズムをかなり意識したのでしょうか、渡辺氏のベースとスタイルがひどく似通っており、知らなければ旧メンバーの演奏で通用してしまうんじゃないか、というくらいです。何にせよ「癒し」にしては少々騒がしい(笑)のではないかと思うのですが・・・。
  とはいえ、一曲一曲をよく聴くと、確かに親しみ易いメロディ、曲作りを意識しているようで、あくまでも従来の「プリズム」のフォーマット範囲内ではありますが、明らかにポップ路線を打出した作品といえるでしょう。和田氏のギターは前ソロ作「Ballad」の経験がいい方向で生かされているようですね。
 
  このバンドは、高度なテクニックにかけては国内でもズバ抜けた存在であるものの、年を経るごとに難解でマニアックな方向に進んでいき、最近ではセールス的に振るわない状況が続いていたようです。今回のメンバーチェンジでよりポピュラー指向に行こうとする意図は感じるのですが、かといって決して安易な方向に流れないところに彼らの意地のようなものを感じます。正直云ってこれは「癒し」を求めるような疲れた人々にではなく、若く威勢のいいギター好きのリスナーにこそお勧めしたいと思います。


 ○どうも夏向きだの、ポップ、癒しなどといわれると、私などどうしてもリトナーの「イン・リオ」あたりが頭に浮かんできてしまうので今回の作品で「癒し」と称するのは果たしてアリだろうか?と思ったりもするのですが、そういう疑問はともかく、かような理由で私の評価では「骨太いストレート系」「ロック系」であり、「明るく爽やか系」に入れるにはちょっとはばかられる次第です。   (セリエJ)
   
Slow           Speedy
Light     Heavy
Mellow     Hard
Lyrical         Cool
Melodious           Out of melody/code
Conservative         Progresseve/Tricky
Ensemble         Interplay