Jeff Berlin「In Harmony's Way」M.A.J. RECORDS(IHW-80180)2001 - U.S.A.
Jeff Berlin(b)  Richard Drexier(pf,b)  Danny Gottlieb(drs)  Gary Burton(vib)  Dave Liebman(ss,ts)  Mike Stern(g)  Captain Billy Lang(g) 
Clare Fischer(key) Steve Shephard(vo)  Howle Shear(tp)  Dave Stout(tp)   Doug Webb(ts)
●骨太いストレート系 ○明るく爽やか系  骨太系と爽やか系の中間
○R&B系 ○ブラック系 ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系               ( □ブラジル系  □サルサ系  □カリプソ系 )
○ユーロ系  ○JAZZ系  ○JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ○ロック系
  人気ベーシスト、ジェフ・バーリンの新作が出ました。彼は今まで多くのミュージシャンと共演してきました。
 一例をあげるとアランホールズワース&トニーウィリアムスのトリオ、YESのキーボードプレイヤーのパトリック・モラツ、パット・マルティーノ、ギル・エヴァンス、トゥーツ・シールマンス、アル・ディメオラ、ジョージ・ベンスン、アル・クルー、ラリー・コリエル、ハービー・マン、ブレッカー・ブラーザース、ビル・ブラッフォードグループのレギュラーメンバー、渡辺香津美等多岐に渡ります。 またスティーブ・スミス、スコット・ヘンダースン、T.ラビッツと[PLAYERS」というバンドを結成しています。
この多彩なミュージシャンとの共演はJAZZ/FUSION/ROCKというジャンルを超えたもので、多くのミュージシャンからの支持を集めた人と言えるでしょう。

 今回の新作では、ゲーリー・バートン、デイブ・リーブマン、マイク・スターンがゲスト参加しております。それでは収録曲の紹介をしたいと思います。
1. This is your brain on jazz 4ビートの速いリズムに載ってジェフのベースがテーマを弾くNY系のサウンド。ゲーリー・バートンンのヴァイブがソロを披露します。超絶テクのベースソロはベースファンのみならず、あなたをノックダウンします。

2. Runaway Train タイトルをイメージした列車のようなイメージのベースのリフに、デイブ・リーブマンの弾けたサックスが自由奔放に舞います。おの曲も4ビートタッチのNY系サウンドです。後半に出てくるマイク・スターンのギターソロは緊迫感あるスリリングなソロで、これぞ彼の真骨頂というべきプレイです。ドライブ感あるベースのリフはゾクソクする位気迫に満ちています。

3. Emeril Kicks it up 1曲目〜2曲目の緊迫感からガラッと様子が変わり、シャッフルのリズムにマイク・スターンのギターとホーンセクションでリラックスしたムードの曲。軽快なベースソロは、唄心あるもので聴いていて心楽しくなるようなプレイです。それに続くマイク・スターンのギターも泣かせます。このシャッフルの楽しい雰囲気はジェフの作品らしく彼の人柄が分かるようです。

4. Everbody knows you when your's up &in この曲は1〜2曲目の雰囲気で4ビートタッチのリズムにベースが前面に出てテーマを2フィンガーピッキングで弾きまくります。ここでデイブリーブマンはテナーを吹いてますが、ソプラノのようなフリーのイメージではなく、コルトレーン派らしい骨太いストレートなサックスを披露してます。

5. Heart of a child 全曲の緊迫したムードから一転し、ベースを前面に出したゆっくりとしたテンポのムードある曲調に変わりました。バラード調で高速フレーズから聴かせるフレーズのソロです。

6. Liebman on a Jet Plane タイトルにデイブ・リーブマンの名前が入っているようにソプラノサックスがフューチャリングされた曲で、これも4ビート調で緊迫感あるスリリングなNY系タイプ。自由奔放なデイブのソロのバックではJAZZ風のベースランニングを披露します。ドライブ感あるベースは豪快というべき印象を受けました。

7. Pale Cillder ボサノヴァ調でやはりベースを前面に出して、リラックスした雰囲気です。途中でボイスが入りブラジルのミナス風のサウンドです。ムードあるサウンドでベースソロを聴かせます。

8. Reggae Ricardo コロコロと転がるような軽快なベースラインにホーンセクションが載った、楽しい曲調。ベースプレイヤーなら是非ともコピーしたくなるようなベースラインは魅力的です。ここでマイク・スターンが登場し、オバードライブ系ロック調の激しいソロを披露。

9. A place of know エンディングは生ピアノの幻想的なプレイをフューチャーリングし、これまた幻想的なベースソロを披露。エンディングに相応しい、余韻を持たせた静かなエンディングです。

  以上が各曲の紹介で、お気づきの通り4ビートタッチのリズムが増えているのが今回の作品の特徴ではないでしょうか。そのため、シンバルワークでは定評のあるダニー・ゴットリーブが参加しているのでしょうか。また、個々の曲では紹介しなかったのですが、Richard Drexierの生ピアノもそれぞれの曲でフューチャーされており美しいピアノや軽快なリズム、そしてこの作品で重要な位置を占める働きをしています。
 ベーシストの作品は、「ベースの教則本」的な自己中心型のサウンドと、ベースを前面に出さない、「全体のサウンド重視」のベース埋没型と二つのタイプに分かれる作品が多いのですが、この作品(というより彼の作品)はこの二つのタイプの両方を持ち合わせたサウンドです。
 全体のサウンド作りも重視し、そしてベースも前面に出しており、両方楽しめる作品となっております。最近のベースプレイヤーの作品はスラップ中心ですが、2フィンガーで「行け行けドンドン!!」と言わんばかりのベースソロはスカッーと気持ち良いプレイでかつスピード感・ドライブ感があり、ワクワクさせるものがあります。
ベースだけでなく最近、少なくなったハードなNY系サウンドを聴かせてくれ、マイク・スターンのギターはそのサウンドに非常にマッチしております。
ベースファン、NY系サウンドのファンなら気に入ること間違いなしの作品で強力にお勧めしたい作品です。彼のホームページから購入可能です。
脳味噌錯乱級!!買いッ!!!!(アスワン)
   
Slow           Speedy
Light           Heavy
Mellow           Hard
Lyrical         Cool
Melodious           Out of melody/code
Conservative             Progresseve/Tricky
Ensemble             Interplay