Herbie Hancock「Crossings」Warner Bros.(9362-47542-2)1972/2001 U.S.A - Reissue

  Herbie Hancock(p,elp,melotron),Benny Maupin(a-fl,bs-cl),Eddie Henderson(tp,fl-horn),
  Julian Priester(tb),Billy Heart(ds),Buster Williams(b),Patrick Gleason(moog),
  Victor Pontaja(congas)
 
  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間  
  ○R&B                 ○ブラック系        ○歌物・NAC/AOR 系         
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系         □カリプソ系)            
  ○ユーロ系            ●JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系    
  ○ブルース系          ○ロック系      
 
 ハンコックのワーナー最後作は非常に力作である。ポップではないので誰にでも親しめる作品とは言えないかもしれないが、暗黒時代って事はないんじゃないの・・・というか、ハンコックの意欲が非常に現れていると思う。
 それと前作まではマイルスの影響というのが聞いて取れていたが、本作はハンコック独自の道をさらに突き進んだ感がある。
 ただ、作品を重ねるごとに難解にはなっていく気がして、もしヘッドハンターズで方向転換しないでいたらどこまでいったかそれはそれで興味深いのだが・・・。

 Sleeping Giantと名付けられたハンコックのオリジナルは24分にもなる。それがいくつもの曲をつなげ、更にアドリブも入った壮大なJAZZ組曲とでも言えるような陣容である。音楽はいろいろと作り込まれているが、ハンコックのエレピ・ソロなんかは奔放で楽しめる。この1曲がまさに聞き所満載である。
 残り2曲は当時のハンコックと一緒のベニー・モウピンの曲である。ハンコックの作品に共演者の曲が入る、しかも3曲中2曲もというのが今になっては珍しいが、それだけハンコックの信頼が厚かったのか? ただ、曲はハンコックのそれに輪をかけて難解である。モウピンもまたこの路線でECM「The Jewel In The Lotus」を残すことになる。

 ハンコックはこの作品でワーナーを離れ、コロンビアで同じメンツで「セクスタント」を残し、その後にいよいよ「ヘッドハンターズ」とポップ路線に入っていく・・・・そう考えると本作なんかハンコックがシリアスに作った数少ない作品である 。

# この一時期だけ聴けるシリアスなハンコック作品。(TKO)
 
 

   
Slow           Speedy
Light         Heavy
Mellow   Hard
Lyrical       Cool
Melodious       Out of melody/code
Conservative       Progresseve/Tricky
Ensemble         Interplay