Gary Burton「For Hamp,Red,Bags.and Cal」Concord(CCD 4941-2)2001 - U.S.A.

  Gary Burton(vib,xylo,marimba),Mulgrew Miller(p),小曽根真(p),Daniel Perez(p),
  Russell Malone(g),Christioan McBride(b),John Patitucchi(b),
  Horacio Hernabdez(ds),Lewis Nash(ds),Luis Quintero(perc)
 
  ○骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間  
  ○R&B                ○ブラック系        ○歌物・NAC/AOR 系        
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)            
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ●JAZZとFUSIONの中間系    
  ○ブルース系          ○ロック系      

ビブラフォン奏者のゲイリー・バートンが同じビブラフォン奏者の先輩達(ライオネル・ハンプトン、レッド・ノーボ、ミルト・ジャクソン、カル・ジェイダー)をトリビュートした作品である。バートンには美しいビブラフォン音のイメージがあるので、トリビュートした人達とのタイプがかなり違うのだが、そこはアレンジややり方を駆使して、上手く作っていると思う。
 そのアレンジだが、キメが多く、あえて上記タイプを「JAZZとFUSIONの中間系」にさせてもらったのはそのせいである。そのためアレンジが効きすぎで原曲のイメージとは違っているのだが、それがバートンと原曲奏者との個性の違いと考えればとても興味深い。

面白いなと思ったのは選曲であり、Afro Blueといえばコルトレーン、Bag's Groove,Moveでマイルスを思い起こし、Djangoも作曲者は最近亡くなったばかりのジョン・ルイスである。単にビブラフォン奏者だけをトリビュートしたのではなく、それ以外をもトリビュートした感がある。(ジョン・ルイスが偶然にも・・・。)
 

演奏だが、バートンのクリスタルを思わせるビブラフォンはいつもの通り。
左右スピーカーから、ビブラフォンのきらきらした音塊が飛び出してくると、そこに一種の空間ができると形容したくなる音場・・・そのビブラフォンの響きが深く、やはりバートンはビブラフォン奏者の中でもとびきり美音の持ち主なのだなと伺うことが出来る。
 しかし、そこにリズムがドーンと入ってくると場面は一転し、音楽が押し進んでいく。
4ビートでスィングするので嘆美だけに陥ることはない。こんな楽しげなバートンというのもなかなか味わい深い。

またサイドメンも実力者揃いであり、曲によって演奏者が変わるコントラストができる。
特にラッセル・マローンのばりばり弾くギターが、バートンの向こうを張った感じで、個人的にはベスト・トラック。もちろん、ピアノをむこうにまわしたマルグリュー・ミラーまたは小曽根真のトラックも、ビブラフォンとピアノとの相性良く奏でられている。
ラテンあり、Swingあり、モダンありで、なかなかバラエティある作品である。

# いつものバートンからすれば、ややウォームな作品。(TKO)
 

   
Slow             Speedy
Light         Heavy
Mellow     Hard
Lyrical         Cool
Melodious       Out of melody/code
Conservative       Progresseve/Tricky
Ensemble       Interplay