松原正樹「Tender Heart」 aosis (VICL-69011)2000 - JAPAN
松原正樹(G), 南部昌江(Key)

  ○骨太いストレート系  ●明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○その他
  このところ松原正樹さんが元気ですね。昨年暮れ頃「Super Guitarists」というオムニバスアルバムがヴィレッジレコードから出たのですが、その参加者に名を連ねているな、と思ったら3月には「Humann Rhythm」という、バンドプレイを重視したなかなかゴキゲンなアルバムを出しました。ところがそれからわずか1ケ月でもう新作のリリースです。いくら何でもこのハイペースはすごい。昨今のアイドル風Jポップアーティストもハダシで逃げ出す凄まじさです。よほどこれまで書きためた作品があったのでしょうか?
 事の真相は、こうらしいです。「Humann Rhythm」は自己のレーベル「Roching Chair」立ち上げを記念しての作品。本作「Tender Heart」はビクター系「aosis」レーベルが「日本のCTI」めざし、幅広い層にアピールできるインストミュージックを年間30枚ほど制作することを目的に設立され、その一枚として松原さんにも話が来たようで、たまたま両者の時期がぶつかったというわけです。(話によれば「Humann Rhythm」のレコーディングを一時中断させることになったとか…)ま、そんな事情はともかく、ファンにとっては彼の作品は数年待たないと出ないと重々承知してますから?、これだけ立て続けに出てくるのは、盆と正月が一度に来たようで全くたまらないですね。

 さてこの新譜ですが、レーベルの意図通り通り誰にでも聴けるわかりやすい内容になっています。ギターはおそらくギブソン335で、ディストーションなしのややエコーを深めにかけた、従来から氏がよく出すおなじみの音色で、ほぼ全編これで通しています。個人的にはこの音が好きで、彼の作品が出るたび楽しみにしているものです。
 また曲はオリジナルのほかにスティービー・ワンダー、ボズ・スキャッグスのナンバーや、はては坂本九の「上を向いて歩こう」までとりあげ、本人がコメントで「歌モノを作るようにギターで歌った」と語っているように、「歌心」をテーマとしたギターインストアルバムになっています。とんがったところは全くなく、硬派ギターファンには甘口すぎるかも知れません。確かにオーディオ機器の前にどっかり身構えて聴くタイプではないですが、グラスを傾けながら、また夜のドライブのお供にと、結構登場機会は多いのでは?そういう意味で多くの人におすすめできる「保存版」の一枚といえましょう。

 ☆「aosis」レーベル、なかなか興味深い活動してるようです。今、こういう形でのレーベルが存在するということは、日本のインストミュージックの将来も決して暗いもんじゃないという気にさせてくれます。(以下で情報が見られます。)
http://www.aosis-records.com
(セリエJ)
               
   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progresseve/Tricky
Ensemble                     Interplay