Markus Stockhausen「Karta」ECM(543035-2)2000 - Germany 

  Markus Stockhausen(tp),Arild Anderson(b)
  Patrice Heral(ds,perc,live electronics),Terje Rypdal(g)
 
  ○骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間  
  ○R&B                 ○ブラック系        ○歌物・NAC/AOR 系        
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)            
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系    
  ○ブルース系          ○ロック系     ●ECM系  

シュトックハウゼンというと、聴いたことはなくとも現代音楽の巨匠の名前だけは知ってる人はいるだろう。そのシュトックハウゼンの息子マーカス・シュトックハウゼンがJAZZトランペッターであることはあまり知られて無いようだ。このマーカス・シュトックハウゼンは既に20年もECMには吹き込みがあるが、リーダー作は本作で2作目であるので、寡作なミュージシャンとも言えるであろう。

前衛作曲家の息子であれば、さぞ前衛な・・・との想像はたやすい。前衛と言われれば確かにそうかもしれないし、あまりリズムに乗った、まして4ビートなんかは無縁な音楽である。かと言ってフリージャズみたいなダーティな音でぶちかます音楽とは全然違う。
実験的にも聞こえるが、だからと聞き手を無視したものでもない。
言ってしまえば、もうECMだから出せる音楽という以外に形容が無い。
そういう事を考えさせられるように、前半の音楽は非常に音響的であり、挑戦的でもある。

そしてが中盤以降はテリエ・リピダルのギターがここにからむことになる。ECMファンからするとリピダルはもうメジャー中のメジャーであり、彼が参加するなら、今度は・・・・という期待を抱かせるギタリストなのである。

ところがこのリピダルがからむ中盤以降はかなり音楽が変化する。それまでリズムレスで音響的だったのが、定型リズムにのった音楽主体に変化するのだ。マーカスのトランペットの音色はマイルス・デイビス系なので、70年代マイルスの未発表音源にも近いと言えば、そう感じる瞬間もある。
 いや、むしろ今回はマーカスがマイルスを意識したのではないだろうか? 音楽がというよりも、彼のトランペットのフレージングにかなりマイルスの影響が聞き取れるようになる。うーん?こんなペットだったかなぁ?と首を捻らざろう得ないのだが、これはこれで面白い。

前のリーダー作がかなり自分には難解であったが、今回はそういう意味ではわかりやすかった。でも、ますます彼の正体が解らなくなってきたのだが。

# 今回のリピダルはやや控えめかな?(TKO)
 

   
Slow           Speedy
Light         Heavy
Mellow   Hard
Lyrical       Cool
Melodious         Out of melody/code
Conservative         Progresseve/Tricky
Ensemble         Interplay