Markus Stockhausen(tp),Arild Anderson(b)
シュトックハウゼンというと、聴いたことはなくとも現代音楽の巨匠の名前だけは知ってる人はいるだろう。そのシュトックハウゼンの息子マーカス・シュトックハウゼンがJAZZトランペッターであることはあまり知られて無いようだ。このマーカス・シュトックハウゼンは既に20年もECMには吹き込みがあるが、リーダー作は本作で2作目であるので、寡作なミュージシャンとも言えるであろう。 前衛作曲家の息子であれば、さぞ前衛な・・・との想像はたやすい。前衛と言われれば確かにそうかもしれないし、あまりリズムに乗った、まして4ビートなんかは無縁な音楽である。かと言ってフリージャズみたいなダーティな音でぶちかます音楽とは全然違う。
そしてが中盤以降はテリエ・リピダルのギターがここにからむことになる。ECMファンからするとリピダルはもうメジャー中のメジャーであり、彼が参加するなら、今度は・・・・という期待を抱かせるギタリストなのである。 ところがこのリピダルがからむ中盤以降はかなり音楽が変化する。それまでリズムレスで音響的だったのが、定型リズムにのった音楽主体に変化するのだ。マーカスのトランペットの音色はマイルス・デイビス系なので、70年代マイルスの未発表音源にも近いと言えば、そう感じる瞬間もある。
前のリーダー作がかなり自分には難解であったが、今回はそういう意味ではわかりやすかった。でも、ますます彼の正体が解らなくなってきたのだが。 # 今回のリピダルはやや控えめかな?(TKO)
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