○骨太いストレート系 ○明るく爽やか系 ●骨太系と爽やか系の中間 ○R&B ○ブラック系 ○歌物・NAC/AOR 系 ○ラテン系(□ブラジル系 □サルサ系 □カリプソ系) ○ユーロ系 ○JAZZ系 ●JAZZとFUSIONの中間系 ○ブルース系 ○ロック系 ○その他早いもので、かのスーパーグループ「チキンシャック」が、91年の2枚組ライヴ「Prime Time」をもってその活動に一応のピリオドを打ってから、かれこれ10年近くの歳月がたつことになります。中心人物の一人であった土岐英史さんは、その後スタンダードジャズのアルバムを制作するなどの活動の後、チキンシャックにごく近いコンセプトのフュージョン作を「Cruising」名義で、タイトル「Night Cruise」として95年に発表しました。本作はそれに続く2枚目となるわけですが、いやー、ずいぶん待たされましたねえ!…噂では昨年暮れには出るとか、いや1月だとか3月だとかいわれ続け、結局この時期になってしまいました。今回は若干のメンバーチェンジと、名義を前作の「土岐英史 & Cruising」から「Cruising featuring TOKI」に変更しての登場となります。 この「クルージング」なるグループですが、一見チキンシャックの後継バンドのように思われますが、実際には89年にすでに結成しており、当初はチキンシャックと平行して割とアバウトな(?)活動をしていたそうです。最初はベースが高橋ゲタ夫氏(おおっと!)だったりしたようですが、その後メンバーチェンジがいろいろあって現在に至っているとのことです。チキンシャックが、メンバー全員がビッグネームのいわばオールスターバンドであったのに対しこちらはあくまで土岐さんがイニシアチブをとり、アルバムは実質上彼のリーダーアルバムといっていいのですが、なかなかどうして他のメンバーも手練れをそろえていまして、大石、西山といったあたりは現在最も脂の乗ったプレ−ヤーであることは多くのファンの知るところです。さらに今回リズム隊に清水興、セシル・モンローの両名を迎え非常に充実した陣容となりました。 土岐さんのプレイは、スタンダードでもフュージョンでも、あるいはJポップのバックをやっても、聴く者の期待を決して裏切らない、いわば水戸黄門的な安定感(^^; があるのですが、今回のアルバムでもその期待にしっかり応えてくれています。のっけからラップが出てきたり、リズム陣の強靭さがより目立ったりする点に新味があるものの、いざサックスのソロが始まるとドドっと土岐さんの“甘美な”世界になだれ込む、ということになります。これはもう、見事なほどです。サックス以外では、アルバム前半はミディアムテンポのナンバーを中心に、ベースの清水氏の活躍が目立ちます。後半は得意のバラードを織り交ぜながら、特に西山はんこ屋さんのプレイが光ります。メンバーそれぞれが持ち味を発揮した、バンドサウンドを十分堪能できる内容となりました。元々は大人のバンドといったイメージが強かったのですが、今回はさらにやや若い層にもアピールできるのではないでしょうか。 ☆もし、今回初めて土岐さんの音に触れ気に入られた人がおありなら、ぜひチキンシャックの一連の作品を聴かれることをおすすめします。(最近CD店でもだんだん姿を消してきたような?) (セリエJ)
|