渡辺貞夫「モントルー・ジャズ・フェスティバルの渡辺貞夫」SME RECORDS(SRCS9588)1970 - 2000 Japan - Reissue

 
  渡辺貞夫(as,fl,spn),増尾好秋(g)、鈴木良雄(b,elb)、つのだ☆ひろ(ds)
 
  ○骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間  
  ○R&B                 ○ブラック系        ○歌物・NAC/AOR 系        
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)            
  ○ユーロ系            ●JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系    
  ○ブルース系          ○ロック系      

ナベサダのSONY時代かつfusion直前作品がボチボチCD化され始めたようです。
90年代はなりを潜めたというか、あまり話題にならなくなってきているナベサダですが、そろそろ過去作品も再評価され始める時期だろうと読んでました。本作は中古LPでも15年以上探しましたが、全く入手できないでいただけに今回のCD化は非常にありがたいです。

この頃はナベサダが意欲的に日本人ミュージシャンを発掘、採用した作品で、その後活躍をみると興味深いメンツがそろっています。メンバーは当時新人であった増尾、鈴木に、まだJAZZをやっていた頃のつのだ☆ひろが参加するという珍しいメンツです。特にピアノレスでのカルテットというナベサダにしても珍しい編成で、その後ソニー・ロリンズ(ts)、マイルス・デイビス(tp)のバンドなどもピアノレスになるところを見ると、このナベサダのバンドは時代を先取りしていた感があります。ちなみにピアノレスのワンホーン・カルテットと言うとポール・デスモンド(as)も同じ編成ですが、あちらはマイルドかつソフト・・・本作はシリアスかつメインストリーム的なので雰囲気からして全然違います。

 演奏はストレートなJAZZですが、この編成が効いていて、あまり他には無いような演奏が聴けます。バッキングのギターというのはリズムが自由になるのでしょうか?ナベサダのSAXがなんの束縛も受けず自由に吹いているような印象を受けます。
 またその後のナベサダのFUSIONソフト&メロウなサウンドとは違い、この頃はとんがってましたね。ハードな演奏でこの頃を知らない人は驚くのではないでしょうか。サウンドはちょっと古びれた感はありますが、日本人4ビートJAZZがシリアスでカッコ良かった、その熱っぽさが伝わって来ます。

また、このグループは日本人で初めてのモントルー出演らしく、アナウンスが「サダオ・ワタベ」と間違ってます。(次回出演時のLIVE盤「スイスエア」では正しくアナウンスされますが。)それとサダオ氏自身もあがっていたのか?メンバー紹介で「増尾好秋、鈴木良雄」と言いますが、なぜか「ひろ・つのだ」と彼だけファースト・ネームから先に言われるところがおかしいです。あと、このCDのライナーは「つのだ☆ひろ」となってますが、LP時代は「角田ヒロ」となっていました。

ちなみに同時発売の武道館LIVE「How's Everything」は前回のCD化で削られた1曲が加わったそうです。時間制約と思ってましたが、また騙されてたのかな〜?

# ジャケットのお城はビル・エバンスのと一緒で、こちらは反対方向からのシルエット。(TKO)
 

   
Slow             Speedy
Light         Heavy
Mellow   Hard
Lyrical         Cool
Melodious         Out of melody/code
Conservative       Progresseve/Tricky
Ensemble         Interplay