Korin Krog & John Surman「Bluesland」KING RECORDS(KICJ391)2000 - Japan

  Korin Krog(vo),John Surman(Sax,Synth,other),
  Morgan Fisher(key,sampler),Brendam Weightman(Uillean Pioes),
  Masahiro Tanaka(cello)

  ○骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系        ○歌物・NAC/AOR 系 
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系) 
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系 
  ○ブルース系          ○ロック系    ●ECM系

 カーリン・クログと言えば、アーチー・シェップ、ケニー・ドリューと共演盤を残し、最近ECMにも吹き込みがあるノルウェイの女性ボーカルだ。だがまさかカーリンの歌う「G線上のアリア」が日本酒CMで使われるなんて思ってもみなかった。本作はカーリン・クログとジョン・サーマンのデュオ作品であり、「G線上のアリア」の1曲だけジョン以外のメンバーでの演奏になっている。

 この「G線上のアリア」1曲はさすがCMに使われるだけあり、なかなか耳さわりの良い聞き易い演奏ではある。シンセサイザーにによって幻想的な音場をボーカルが歌い上げるという、雰囲気は異なるがENJAなんかと共通したやり方である。
 「G線上のアリア」の後はかなり方向性が違っている。それこそまさに北欧風で、この2人が組んでいるノルディック・カルテットのデュオ版といった趣がある。こちらもシンセサーザー多重録音に作られた世界にボーカルが歌い、そこにジョン・サーマンのインプロビゼーションがからむ。曲によっては生ピアノであったり、いろいろと雰囲気を変えるが、一貫してこのデュオによる音世界になっている。
 さらにジョン・サーマンのマルチ録音によるサウンドはいっそう妖しげで、こういったところは彼の独壇場である。決して聞き易いだけでなく、妖しげな毒を含んだサウンドとも言える。(そういった部分が実はECMファンにはたまらない。)

 この作品はなぜかNew Ageとされているが、これに関しては非常に疑問だ。サウンドは決して聞き易いだけでなく、結構妖しくDEEPなため、ジャンルに関しては境界的であるからだ。それにジョン・サーマンはBritish Jazz Rock,jazz,クラシックまでも手がける、幅広いというよりもジャンルの渡り鳥と呼びたくなるほどの人で、この作品でもインプロヴィゼーションのすごい部分があり、New Ageと冠されるのはあんまりだと思う。もちろん、だからと言ってこれを堂々とFUSIONかというと、それも首を傾げてしまうのだが・・。ただ、これを聞いて考えるのだが、最近FUSIONにはこういった境界性を含まなくなったなぁ・・・。

# CMだけ聞いて買った人は、後半はどう理解するのだろうか?(TKO)
 
 

   
Slow             Speedy
Light           Heavy
Mellow     Hard
Lyrical         Cool
Melodious         Out of melody/code
Conservative         Progresseve/Tricky
Ensemble         Interplay