Larry Carlton「Fingerprints」Warner Bros.(9362-47338-2) 2000 - Germany

  Larry Carlton(g),
  Michael Egizi(Key,ds),Lenny Castro(perc),Sam Riney(fl),David Woods(key,ds),
  Steve Cole(sax),Luis Conte(perc),Michael McDonald(vo),
  Jerry Hey&Gary Grant&Larry Williams(horns),Paul Brown(ds)
  Matt Rollings(key),Rick Jackson(key),Abraham Laboniel(b),Vinni Colaiuta(ds),
  Kirk Whalum(sax),Eric Darken(perc)

  ○骨太いストレート系  ●明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系        ○歌物・NAC/AOR 系 
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系) 
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系 
  ○ブルース系          ○ロック系      
 
 ラリー・カールトンが久々にトレード・マークのギターGibson ES335をメインに弾いたアルバムが出た。このアルバムは全10曲中、4曲がポール・ブラウンのプロデュースで、残り6曲がカールトンのプロディースになっている。このプロデューサーによってかなり音楽の方向が違い、言ってみればポールがスムースJAZZ、カールトンがFUSIONという色分けで、この1枚に2系統の雰囲気がある。

 さて、1,2,4,6曲目はこのポール・ブラウン・プロデュースの曲ということで、冒頭2曲がそれにあたるのだが・・・。ドラムも打ち込み主体で、このリズムはもうかなり使い古された陳腐なパターン。しかし、カールトンのギターはリズムがどうであろうとさすがである。ただカールトン以外は面白みも無い・・・ステレオで対峙して聞くにはちょっと退屈。まぁ、それがスムースJAZZだからと言われれば、その通り立派なBGM。

 なので逆にコントラストになって、カールトンのプロデュースになるとホっとする。
カールトンもこっちのほうが伸び伸びと弾いているし、曲もこっちのほうが断然らしさというものが存在する。ES335を使ってはいるが歪みの無いクリーンなサウンドがメインなので、聞いた雰囲気は最近のものに大差はない。しかし、違いがあるとすればフレージングで、このギターがシックリくるのであろうというのが伝わってくる。
 またラボリエルとカリウタのリズムを聞けば、それほど高度なテクニックという事でもないのだが、やはり彼らの雰囲気は絶大だ。味のあるリズム・・・ちょっとパターンっぽいリズムも彼らが作り出す血の通ったリズムはマシンとは雲泥の差である。

それとこのアルバムには2曲に顕著なゲストが参加したトラックがある。
1つはマイケル・マクドナルドがボーカルで参加し、元Seawindのホーンがからむ。この曲はポール・ブラウンのプロデュースだが、それには関係なく、なかなか良い仕上がりになっている。こういった歌モノのバックのカールトンは良いですね。生き生きしている感じを受ける。
またカントリーのヴィンス・ギルが参加した曲は、彼とカールトンが生ギターを弾いて、ラボニエル、カリウタ以下のバンドが付くインストナンバー。これも軽やかなかがら、お互いにソロで弾きまくる楽しい演奏。ゲストを入れたからという違和感は無い。

全体的には、ES335を使ったものの昔のようなあまり派手な曲がない。しかし、その反面シミジミ聞き込むと味の出てきそうな演奏で、リラックスしたムードが良いです。

また余談ですが、輸入盤ジャケットは雑誌に掲載されていたのと違い、ギターを弾くネック部分のイラストで、ケースを開くと裏と続いていてそれをピッキングするのにつながる。エリック・クラプトン"Slow Hand"の見開きジャケットとクリソツなのが笑えます。
 

# シミジミとした作品ですが、カールトンには味がありますよね。(TKO)

   
Slow           Speedy
Light           Heavy
Mellow     Hard
Lyrical         Cool
Melodious         Out of melody/code
Conservative         Progresseve/Tricky
Ensemble         Interplay