「エクスぺリエンス」 青木智仁 ビクターエンタテインメント (VICJ-60646) 2000 - Japan

青木智仁(b)、渡辺貞夫(sax)、本田雅人(sax)、勝田一樹(sax)、伊東たけし(as)、春名正治(ss)、小池修(ts)、渡辺香津美(g)、野呂一生(g)、増崎孝司(g)、浅野祥之(g)、梶原順(g)、小林信吾(key)、塩谷哲(pf)、友成好宏(key)、佐山雅弘(p)、山木秀夫(ds)、村上秀一(ds)、沼澤尚(ds)、石川雅春(ds)、田中倫明(perc)、永井隆(vo)、近藤房之助(vo)、佐々木史郎(tp)、小林正弘(tp)、小林太(tp)、角松敏生  

  
●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間 
 ●R&B                 ○ブラック系      ○歌物・NAC/AOR 系           ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリvソ系)           
 ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系    
 
 ベーシスト青木智仁が11年ぶりのソロアルバムを発表しました。参加メンバーの豪華さにビックリさせられますが、曲の個性にあわせてミュージシャンを選んで、それが見事なまでにバッチリはまっています。
 1曲目で本田雅人×勝田一樹のサックス・バトルがあったり、3曲目で野呂一生×塩谷哲のソロ回しがあったり、角松プロデュースの曲では、ベース以外のパートを角松が全部やっていて彼のコーラスまで入ってます。サックス1本ではなくてサックス2本にトランペットなど、ホーン・セクションが充実している編成が多いのも特徴。渡辺貞夫の吹いている「ドナ・リー」は4ビートだったりしてジャズ的要素もあれば、ジャコ・パストリアスの「カム・オン、カム・オーヴァー」もあり。
 青木さんといえばフュージョン界のみならず、角松敏生のサポート、渡辺貞夫グループ、スピードのサポートまでジャンルを超えた活動を行っている人気・実力ともにトップのベーシスト。
 彼がベーシストとしてはもちろん、プロデューサー、コンポーザーとして非常にすぐれた才能を持っていることが、このアルバムを聴くと非常によくわかります。ミュージシャンの人選や配置、曲やアレンジなどを見ると、マニアには垂涎モノの要素を随所に取り入れつつ、曲はとても心に残るメロディとリズムを持っているし、ソロなども短すぎず長すぎず。いろんな要素を取り入れているけれど、そのどれにも偏らず、マニアックな方向にいきすぎない。この「偏らない」というバランス感覚が、彼の持つすばらしさのひとつではないでしょうか。
 ベーシストのソロアルバムであると同時に、トップ・ミュージシャンというおいしい素材を「青木流」に料理したアルバム・・・といった印象です。

●青木ファンなら当然「買い」ですが、本田雅人と勝田一樹のファンも迷わず買って大丈夫でしょう。わたしは試聴もせずに速攻で買ってしまいましたが、大正解でした。(美芽)



この人の作品を買うのは初めてです。古い話ですが、「タモリの音楽は世界だ」のバンドに参加していたのが印象的です。
1曲目は、完全にタワーオブパワーのロッコを意識したプレイですねぇ。確か本人はロッコを尊敬しているとか何かで読んだことがあるんですが、この曲ではホーンセクションと五分に渡り合っていますねぇ。フィンガーピッキングだけでなかなかホーンセクションと対等に渡り合うことは難しいんですが、大音量と派手な音色に負けていないリズムのうねりが気持ちよいです。多分、この曲は徹底的にタワーオブパワーとロッコを意識した上で本人が楽しんで作った曲なんでしょう。
6曲目でもタワーオブパワーを意識したようなサウンドでベースのリズムがかっこいいですねぇ。
目玉は、「ドナ・リー」をスラップでやっている8曲目でしょうか。大分リラックスしたような雰囲気でテーマをスティールパンとユニゾンで演奏。そこから4ビートのサックスが入りスピードアップします。この時のバックのベースランニングは、ダウン中心のスラップで演奏。しまいにはサックスとユニゾンでフィンガーピッキングでユニゾンの演奏。ベースマニアには答えられないプレイでしょう。
その次の曲が「Come on,Come over」とジャコの曲。勿論スラップで演奏してます。この2曲は完全にジャコを意識してますねぇ。
他はカシオペア的なファンクや、バラード、最近流行りのスムース系サウンドとベースを余り前面に押し出した内容ではなくサウンド重視の姿勢がありますが、ロッコとジャコを意識させたプレイが際立ちます。タイトルが「経験」というタイトルなんで、自分の音楽遍歴をこの二人に投影したんでしょうか?
ロッコ風プレイがかっこいいです。
☆ベースを前面に出さないかわりに好きなベーシストを意識した作りなんて面白いアプローチしてます。(アスワン)
 
 
   
Slow                     Speedy
Light                   Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay
 
 \2,900(税抜)  2000年7月26日発売   HMV新宿