○骨太いストレート系 ○明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間 ●R&B ○ブラック系 ○歌物・NAC/AOR 系 ○ラテン系(□ブラジル系 □サルサ系 □カリプソ系) ○ユーロ系 ○JAZZ系 ○JAZZとFUSIONの中間系 ●ブルース系 ●ロック系 ○その他 バジー・フェイトンとニール・ラーセンがラーセン=フェイトン・バンドを発表する以前に組んでいたバンドFull MoonがCD化された。話は知っていたが見たことも聞いたことも無く、以前のインタビューでフェイトン自身も本作を持っていないと言っているくらいなのだ。 その後、ラーセン=フェイトン・バンドでも「Full Moon」というタイトルの作品をリリースし、僕なんかはそちらを聴きながら幻のバンドに想像をはせたものだった。今回は本当に日本はCDの再発大国なのだなと感心してしまった。 サウンドはラーセン=フェイトン・バンドへの途上にあり、AORというよりはロック色、ブルース色が濃く、ボーカルも歌い方が激しい。どちらかというとブルース・ロック・バンドというか感じではある。 ただし、インスト曲はそのままラーセン=フェイトン・バンドでやってるものと遜色ない演奏になっていて、フェイトンのギターやラーセンのエレピが良く歌っている。 これにトミー・リピューマのプロデュースを加えてラーセン=フェイトン・バンドのサウンドになっていったのだなと思う。 バジー・フェイトンのギターが結構ごきげんに弾きまくっているし、ニール・ラーセンもサウンドの核になり、結局はこの2人がバンドを引っ張っていってるのがわかる。 まだFUSION、AORにはなる途上の音楽ではあるが、fusion好きでこの2人のファンであれば楽しめるのではないだろうか。 1曲、ボーナス・トラックのインストがあるのだが・・・・この雰囲気はMiles Davis"Bitches Brew"収録のMiles Runs VooDoo Downそっくりなのは笑ってしまった。
# いままで「幻の名盤」でいたのが不思議なほどゴキゲンなサウンド。(TKO)
ラーセン・フェイトン バンドの前身である、オリジナルのフルムーンのデビュー・アルバムの初CD化です。この作品は今まで中古市場でも入手困難で幻の名盤的な扱いをされていたアルバムです。 その後のラーセン・フェイトン バンドのイメージからはAOR・フュージョン サウンドを予想するところですが、このオリジナル「Full Moon」(81年にリリースされたラーセン・フェイトン バンドのアルバムも「Full Moon」というタイトルなのですが、違う作品なので注意が必要です。)はフュージョン的な要素、AOR的な要素に加えて、サザンロックをイメージするようなかなりアーシーな歌もの、ゴスペルの要素を取り入れたような曲がアルバムのかなりを締めています。 ニール・ラーセンの曲は2曲入っていて、2曲ともインストなのですが、これはその後のラーセン・フェイトン バンド、ラーセン・フェイトンのソロにそのまま繋がっていくようなサウンドです。ただし、ニール・ラーセンはトレードマークのオルガンは、ほとんど演奏していなくて、エレピを中心に演奏しています。 またボーナストラックとして10分にも及ぶデイブ・ホランド作曲の「Three Step Dance」という曲が収められています。これはかなりインプロビゼーション重視の作品で録音された71年という時期からすると、かなり先進的なフュージョン(というかクロスオーバー)ということができると思います。マイルスの「ビッチズブリュー」あたりからの影響が感じられるようなナンバーで、このアルバムの他の曲とはまったく異質です。ランディー・ブレッカーのワウペダルを使ったソロを聞くことができます。
(橋 雅人)
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