熊谷 美広 監修 「The Dig presents Disc Guide Series 01 FUSION」 シンコーミュージック  2000 - Japan


監修 : 熊谷 美広 
執筆 : 熊谷 美広、工藤 由美、櫻井 隆章、村井 康司、中田 利樹、大津 オサム、益川 吉晴、白石 裕一朗、龍田 雅登


世界初、フュージョン・データ本と銘打たれた本が、出版されました。 監修および執筆のかなりの部分をネット上の「くまがでるぞ!!」の主宰者で、数多くのCDのライナーノートや音楽雑誌での執筆でもお馴染みの音楽ライターのくまさん、こと熊谷美広氏が、手がけています。

海外フュージョン290枚、国内フュージョン102枚、フュージョン周辺79枚、クラブ・シーンのフュージョン30枚が取り上げられ、1枚づつ全てにジャケット写真、曲目、クレジット、解説がついていて、データ本というだけあって資料性も高いものとなっています。(スペースの都合なのか、国内フュージョン、クラブ系にはクレジットは省略されていますが)

過去、熊谷氏が雑誌で執筆され、「くまがでるぞ!!」にも掲載されている「フュージョン怒涛の100枚」や、その企画をパクった当サイトの「フュージョン怒涛のBEST100」など、100枚規模のフュージョン・アルバムのガイドのようなものはあったのですが、計500枚にも及ぶ規模は圧倒的です。

私のような20年来のフュージョン・ファンでも、これだけ幅広いアルバムの全ては所有していないので、「あっ、これは持っていなかった。」とか「こんなアルバムがあるのは知らなかった。」という発見もあって、この本を手にしてしまったために、かなりの出費をしてしまいそうです。

フュージョンを聞き始めたばかりという人にとっては、500枚はちょっと多いとは言え、興味のあるアーティストさえ絞ってしまえば、格好のガイドブックとなります。
またフュージョン・ファン同士で、この本をネタに語り合えば、あっという間に夜が更けてしまうでしょう。

とにかく当分の間、眺めているだけでも、楽しめそうな本です。

☆ 表紙カバー、目次の対向ページ、ディスクの見方ページ、本文とブレッカー・ブラザーズの「ヘビー・メタル・ビーバップ」のジャケット写真が4回も登場するあたり、熊谷氏の思い入れも感じられます。 (橋 雅人)