ストーリー
2001年7月27日、僕は家の近くにある茨城県は古河にある小さなジャズクラブ、アップスに行きました。ライブも後半となりちょうど盛り上がったときでした。ベースの納 浩一(おさむ こういち)さんが、
「附属池田小事件で亡くなった8人の子供たちに、この曲を捧げたいのです。演奏が終わっても拍手をしないで下さい。」
と、言ってベースの音を静かに奏で始めました。それが、この「8つの小さな星(8 Little Stars)」です。僕は音楽を通じて8人の魂に触れたように感じました。
 僕の母校で起った痛ましい事件のために8人の幼い命が奪われました。僕は、同窓生と相談して、この曲を遺族の元に届けるだけではなく、広く一般の人々にも音楽を通してメッセージを届けたいと思いました。この想いが、納さんと日ごろから一緒に演奏している渡辺 貞夫さんにも届きました。渡辺さんは、神戸の震災で亡くなった人々のために作曲されたオリジナル曲である「I'm With You」を捧げて下さることになりました。録音にあたっては、ギターの梶原 順さん、ピアノの小野塚 晃さん、ドラムの石川 雅春さん、また録音エンジニアとして森本 八十雄さんはじめその他多くの人々の協力を得ることができました。
 附属池田小事件から1年が経とうとしている今も、幼い命を失った悲しみは癒えることはありません。また、テロや戦争など命があまりにも粗末にあつかわれる社会では、いつも真っ先に犠牲になるのは子どもの命です。何よりもまず,幼い命を守りたい。幼い命を大切に育てていく社会にしていきたいというのが私たちの願いです。
8人の幼い命は奪われてしまいましたが、彼、彼女らの魂は8つの小さい星となって、僕たちをみつめているような気がするのです。そして、「8つの小さな星」、「I'm With You」の演奏が、みなさんを暖かくつつみこみ、そこから何かを感じてもらえればと思います。(附属池田小昭和47年卒業 杉田 繁夫 記)
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