リー・リトナー Live Report

1999.3.27 BlueNote東京 1st Set

Lee Ritenour(g)
Eric Marienthal(sax)
Barnaby Finch(key)
Melvin Davis(b)
Sonny Emory(ds)

 遅まきながら行って来ました、新装後のブルーノート東京。それもリー・リトナーのライブです。いやぁ、広くなりましたね。待合いホールも大きくなり、座席に余裕があって楽々・・。しかーし!!・・・オーダーした料理が遅い遅い・・・こりゃオーダーを忘れられたんだろうなぁ。対応は悪くないけどさ。安くないんだし、しっかりしてよね。(BN東京さん!)
 結局、早く入っても食事が来たのは開演5分前。そのために空きっ腹で飲んだビールが効いてきて、ライブ中は大声を出す酔っぱらいオジサンになってしまったのでした。まわりは迷惑だったろーなー。(笑)

 さてリー・リトナー!!彼の単独ライブは初めてなのですが、聴く前の予想はなんか優等生的にキッチリしたライブをするんんじゃないかなと思ってました。その予想通りの無難な1曲目でフルアコ・ギターを使ったJAZZの曲。なにかボッとするものが無く、友人も「ありゃりゃ、この程度かい?」などと気が早くもご不満のご様子。
 しかし、2曲でまずエリック・マリエンサルが大ブレークのSaxソロ・・・この曲ではマリエンサルがフューチャーされていて、ドラムをバックにテナーを吹きまくるマリエンサル。凄い凄い!それにカッコ良い。普段マリエンサルはメインのアルトSaxを吹くときはメローなのですが、テナーSaxはなにかゴツゴツとJAZZっぽくカッコ良いという印象を持ちました。ここら辺からエンジンがかかり始めた印象です。
 3曲目はリトナーのギターが聞き所ですね。もしもリー・リトナーというギタリストは?と聴かれて想像する”らしさ”が全面に出た演奏に思います。指も良く動いているし、レコードではおなじみの彼ならではのフレーズがバンバン出てくるので、昔から知っていた自分としてはやっと生で聴けたなという感慨を持ちます。
 それからメドレーになるのですが、これはただ曲を繋げたというのでは無く、どちらかというとMICが入らないだけで1曲1曲はしっかり演奏していました。そのメドレーの中でなつかしのドルフィン・ドリームス・・・これはかなり随分昔に聴いた曲なので、ここでの演奏というのは嬉しいかぎりです。リトナーがボトル・ネックで音をスライドさせると、あの懐かしのフレーズになっていくんです。照明の演出もなかなかでこれがある種の世界を作っていて、それに浸りきってしまう自分に気付きます。(これがあまりに懐かしかったので、次の日にこの曲が入った旧譜「キャプテン・フィンガース」を買っちゃいました。)そしてそれまでフルアコ、ナイロン弦のギターばかり弾いていたリトナーですが、昔のトレード・マークだった赤のギブソンES-335に持ちかえると、これもなつかしのキャプテン・カリブ!!いやぁ、これは嬉しいナンバーですね。観客も手拍子でノリノリ状態でした。

 さて、ここでkey、saxが引っ込んで3人だけの演奏になるのですが、ここまでかなり盛り上がっていて、特にドラマーのエモリーがノッていたようですね。セットリストではこの3人で1曲なのですが、これがサービス精神旺盛なのかドラム、ベースで演奏しながらマイクを受け渡してボーカルを披露したり、リトナーがハードロック・フレーズをかき鳴らしながらスピーカーの上に昇ったり・・・。曲としてカウントさてませんが、即興での面白い演奏をいくつかやってくれました。

 それにしてもドラム!これが凄かった!フューチャーされたドラムのエモリーの、こんなドラム・ソロは今まで見たことがない。ドラム・ソロを叩きながら、手のなかでスティックを回転させるんです。そりゃ、ちょっとした間が空いた時にドラマーがやるなんて事は珍しくもないのですが、あれだけせわしなく叩くドラム・ソロですよ。あれだけ叩きまくりながら、手の中でクルクルと。これは音を聴いているだけじゃわからない、ライブを見に行くしかないって感じです。
 アンコールは新作からボブ・マーリーの「this is love」これはちょっと大人しい演奏でしたね。

 さて総括的感想ですが、一言「面白かった!」。予想以上だったのは言うまでもないのですが、予習に聴いていった「LIVE IN L.A」より、ずっと楽しかった。こういうのは自分でも珍しいです。ほとんど曲の感じは一緒だったんですけどね。
 それとドラムのソニー・エモリーには心底楽しませてもらいました。テクがどうというよりも、本当にあの曲芸的なドラム・ソロは見事。きっと音だけ聴いたらそれほどではないのかもしれませんが、そこはライブに行った人じゃないとわからない。
 肝心のリー・リトナーですが、この人は衰えというのが無いんですね。(こう書くと、比較対象がふと脳裏に浮かぶのですけど。)ギター・ワークは期待していた通りのパフォーマンスでしたし、それよりももっとライブ的で生演奏ならではの演奏をしてくれたのは感心しました。もうfusionとしてはベテランだし、一度くらい見ておこうか・・・・なんて実に失礼な気持ちで見に行ったのですが、完全に楽しませてもらい、大満足なライブでした。(TKO)



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