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昨年に引き続き、FUSION FESTIVAL in Tokyo Vol.2が行われた。
場所は、東京 五反田ゆうぽうとホール、これまでFusionのライブが数多く行われたホールだ。
実はその五反田ゆうぽうとホールは、今年の9月に閉館することとなった。
他にも会場はあったのであろうが、Fusionの数多くの舞台だったこのホールで行われることには意味のあることに感じた。
FUSION FESTIVAL in Tokyo Vol.2 という、久しぶりのFusionイベントの第2回である。
昨年はセッション風のライブが多かったようだが、今年はカシオペア、ナニワ・エクスプレスとバンドが登場。
またスペシャルな面々による、他では聞けないセッションも楽しいイベントになった。
■押尾コータロー、小林香織、安部潤
メイン・ホストは、ギタリストの押尾コータロー。
自分はFusionなのかはわからない・・・と言いつつも、なかなか馴染んでいた姿がよかった。
ソロの演奏は、タッピングも素晴らしいが、ギターのボディを叩いてリズムを作り、まさにギターそのものを楽器にしたパフォーマンス。
そしてすぐにセッションに移る。
押尾コータロー(ac-g)、小林香織(sax)、安部潤(key)、清水興(b)
この面子で「バードランド」のアコースティックな演奏なのだ。
ドラムレスなのに、繰り出されるFusionサウンド・・・セッションながら盛り上がらないわけがない。
次に押尾コータローのソロに戻り、押尾自身のFusionの想い出話。
カシオペアの「朝焼け」に影響されたという自身のオリジナル「彼方へ」。
うーん、似てるか?・・・・でも、そういうのだから。これも押尾らしい素敵な演奏です。
また続く「戦場のメリークリスマス」のアコギバージョンもしっとりと聞かせてくれる。
■NANIWA EXPRESS
次にまた押尾のMCはFusionの想い出話はBassのお話・・・その話に出てきたナニワエキスプレスの清水興が次のセッションとして登場。
押尾コータロー(ac-g)、清水興(b)のデュエット演奏。
そして清水だけが残り、ナニワエキスプレスの面々が登場。
今回はステージ上に全バンドの全楽器がセッティングされているので、入れ替え時間は無く、メンバーが出てくるとすぐに演奏になるのです。
ドラムセットもステージに3台組まれているし、ステージ上はいやに楽器だらけなのはこういう事なのですね。
今回一番演奏が荒々しかったのはナニワエキスプレス。元気いっぱいというか、なんとも凄まじい。
■鈴木茂 ×村上”ポンタ”秀一×後藤次利×佐藤準
次にデビュー10周年という小林香織(sax)・・・そうか、Crossover Japan(代々木)から、そんなになったのですね。
小林香織(sax)、安部潤(key)のデュオ。
しっとりとしたバラードで素敵な演奏でした。
そしてここに豪華なゲストが加わり、スペシャル・セッション。
小林香織(sax)、鈴木茂(g,vo)、村上ポンタ秀一(ds)、後藤次利(b)、佐藤準(key)
今回出演予定だった、松原正樹(g)の代わりに鈴木茂がピンチヒッターになったそうだ。
これだと小林のサポートに・・・と思いきや、完全に鈴木茂中心の演奏になった。
なんでこうなった???・・みたいな感じだが、これはこれで面白い。
鈴木のMCで、高校時代の先輩後輩の後藤や、野呂の話など、色々な話が出てくる。
今回出演できなかった松原にの代わりにと、松原の代表曲「スナイパー」を鈴木が弾きまくって、なかなか楽しい演奏だ。
■カシオペア 3RD
再び押尾コータローが登場し、MCで紹介された野呂一生が登場。
押尾コータロー(ac-g)、野呂一生(g)
「みなさん、ずっと座ったままで身体が痛くありませんか?」と客をスタンディングさせてストレッチ。
そのスタンディングさせたまま演奏が始まった。こんなスタンディングのさせかたもあるんですね。
このデュオでカシオペアの「ハレ」・・いやぁ、2人なのに、このGROOVE感。
ある意味、今日のライブで一番美味しかった瞬間ではなかったでしょうか。
今度は野呂だけが残り、カシオペア 3rdが登場。
全6曲で最初3曲は新作から・・・後半は「ミッドナイトランデブー」「タイム・リミット」と1stからの懐かしい曲。
そして締めは「アサヤケ」で、やはりノリノリになりますよね。
■セッション
最後は本日のメンバーが大勢(全員ではないのです。ドラムは神保だけですし。)がステージ上に登場。
演奏するのはジャコ・パストリアスで有名な「ザ・チキン」。
Fusionのセッションにはうってつけの曲で、そこそこの長さのソロまわしが出来て、素晴らしい。
ナルチョは最初ベースを弾いてましたが、途中でパーカッション叩き出したり、もうお祭りです。
■ 最後に五反田ゆうぽうとホール
グッズ売り場では、グッズやCDだけでなく、なんと中古レコードまで売っていて、他の客からも「懐かしい」との声も聞こえる。
自分なんかはまだLPは現役で聞くのであるが、探していた1枚を購入し、ホクホク気分になった。
それにしても五反田ゆうぽうとホールの閉館は少し寂しさを感じる。
ここで見たライブは、黄金期のパット・メセニー・グループ、復活したブレッカー・ブラザース、絶頂期のデヴィッド・サンボーン、その他数えきれない。
その後、Fusionのライブ会場は、ホールからBlueNoteのようなクラブがメインになり、ホールでのJazz/Fusionライブは珍しくなっている。
これも時代の流れなのかもしれないが、いっぱいの想い出をくれた五反田ゆうぽうとホールに惜別の思いを告げたい。(TKO)
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