Lage Lund (e.guitar) 2011.12.03 The Bar Next Door, New York City, 1st & 2nd set
若手ギタリストでニューヨークを拠点に活躍するラーゲ・ルンドのギター・トリオのライブをマンハッタンの小さなクラブで見てきた。
ライブが行われたThe Bar Next Doorはブルーノートやヴィレッジ・ヴァンガードなど有名ジャズクラブがあるグリニッジ・ヴィレッジの中心に位置するワシントン・スクェアからすぐ近くにあり、ラーゲ・ランドの他にも最近注目の若手ギタリスト、ギラッド・へクセルマンやジョナサン・クライスバーグらがコンスタントに出演している。 登場したメンバーはラーゲ・ルンド以外は事前に発表されていたメンバーとは違っていて、ベーシストはニューヨーク在住の日本人、中村恭士、そしてドラマーはこの日初共演のようであった。 ラーゲ・ルンドの演奏は今時の若手ギタリストの例外にもれずとにかく巧い。ギター・ソロがスピードに乗ってくると指がギターの指盤上を流れるように動き回り、フレーズが溢れ出てくる。 もっとも彼ならではの特徴はメセニー以降の多くのギタリストに見られるような無機的なフレーズが中心なのではなく、あくまでもジャズの伝統にのっとり、ジム・ホールやケニー・バレルなどの大先達が築いてきたジャズ・ギターのイディオムをベースとしているところだ。 ブルースを感じさせるフレーズからソロを組み立て、そこから加速していくという展開は理屈抜きにストレートに楽しめ、惹きこまれてしまう。 日本生まれで、シアトル育ちだという中村のベースはテンポがあがってくるとドライブ感を増し、トリオ全体を引っ張っていくようで、ルンドのスピード感のあるソロをより加速させているように聴こえた。 オリジナル、スタンダード曲を交えて演奏された約1時間のステージを2セットにわたり見たのだが、狭い空間で繰り広げられるギター・トリオ・サウンドは時間の経つのも忘れさせるような極上のものであった。 (橋 雅人) |
All rights reserved by Cyber Fusion |