2009.2.2 Billboard Live Osaka 2009年2月の日本への旅は私のミュージシャンとしてのキャリアの中でも重要な一場面となった。サイモン・フィリップス、ピノ・パラディーノそして私は3晩だけの短いが重要なコンサート・ツアーに出発した。ビルボード・ライブが最初に大阪で一晩(2ステージ)、そして東京で二晩(それぞれ2ステージ)の演奏のために私達を招いてくれたのだ。これが実質的にはPSPの始まりだった。今回の演奏が僕達3人で一緒にステージ上でライブ演奏をする全く初めての機会となった。本当に少しの準備とリハーサルだけを行ない、3人の曲で構成した75分のステージをまとめ上げたんだ。
次にピノが書いた凄くカッコいい曲、「What’s Wrong With You」が続く。メロディーもハーモニーも非常に複雑に入り組んだ曲だ。 そして「Monday Afternoon」を演奏する。これは私の最新アルバム「At World’s Edge」からの曲で、アルバムでもピノとサイモンをフィーチャーしている。 次は私の初期のアルバムからの「Masques」という曲で、これも元々ピノが演奏してくれた曲だ。彼のユニークなベースの演奏スタイルでまるで当時のレコードのようなサウンドになった。 そしてサイモンの非常に複雑な変拍子の難曲「Indian Summer」が続く。 そしてこれもサイモンとピノをフィーチャーしていたアルバムのタイトルトラックの「At World’s Edge」の演奏で少しクール・ダウンした。 次の曲はみんなにとってちょっとしたサプライズだっただろう。デイヴ・ブルーベックの「Blue Rondo a la Turk」のカバーで、彼を一躍有名にすることになった古典的名作「Time Out」からの曲だ。これは私達が楽しんだ変拍子の曲で、マハヴィシュヌの「Birds Of Fire(火の鳥)」のフレーズをそのまま使ったピノのベースソロがフィーチャーされていた。本当に凄いアレンジで、難曲だった。 そしてサイモンが書いた曲「Pilatus」からサイモンのドラム・ソロを挟んでこれも私の最新アルバムからの曲「Roppongi Blues」へと続けた。この曲ではサイモンの繰り出すリズムにそった特定の手拍子のリズムでお客さんにも参加してもらった。 その時の雰囲気でアンコールにはビリー・コブハムの「Quadrant 4」のカバーか、ハービー・ハンコックの「Chameleon」を演奏した。
東京では二晩ともレコーディングをした。これを秋にはPSPの「Live in Tokyo」としてアルバム・リリースを計画している。これがきっかけでもっとライブができればいいなと思っている。ビルボード・ライブでの三晩に渡るライブは私達にとってとても前向きな経験で、お客さんからの反応は計り知れないくらい勇気付けられるもので、このトリオ・プロジェクトをもっと探求していこうと思わせるものだった。
(フィリップ・セス)
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Text by Philippe Saisse |