Dave Koz
Live Report




Dave Koz(sax)
Brian Simpson(keyboards)
Randy Jacobs(guitar)
Bill Sharpe(bass)
StevoTheard(drums)
Ronnie Guitierrez(perc)

2008.10.3 Blue Note Tokyo 2nd set

Dave Koz photo by Takuo Sato

スムースジャズ界の伊達男、デイヴ・コーズの今年2回目となる来日ステージがブルーノート東京で行なわれた。
2006年の東京JAZZではショウ・アップされたステージでチック・コリアやマーカス・ミラーを押しのけてフェスティバル一番のスタンディング・オヴェイションを受けていたのは記憶に新しい。
ミュージカル・ディレクターは今回もお馴染みのキーボード・プレイヤー、ブライアン・シンプソンが務めている。

今回は当初ゲスト・ベーシストとして元NBAプレイヤーのウェイマン・ティスデイルの来日が予定されていたが、骨肉腫による足の切断手術のためウェイマンが来日できなくなってしまい、従来からのベーシスト、ビル・シャープがベースを弾いていた。
いきなり主役のコーズから話はそれるが、ウェイマン・ティスデイルの公式サイトには既に片足になったウェイマンの自宅からのビデオ・メッセージが掲載されている。
片足を失った状況で笑顔で前向きに力強く語るウェイマンの姿には感動してしまう。

オープニングはコーズが客席後方からテナーを演奏しながら登場して、最新のベスト盤「The Greatest Hit」に新曲として追加されている「Life in the First Lane」で幕を開ける。
(ちなみにその「The Greatest Hit」には日本盤で5曲、輸入盤で4曲も新曲が収録されている。)
キメの部分でのステージ・アクションはもうお約束通りだ。

Dave Koz photo by Takuo Sato コーズは曲ごとにサックスをアルトや彼のトレードマークとも言えるカーブド・ソプラノに持ち替えながら「The Greatest Hit」に収録されている彼の代表曲を中心にステージを進めていく。

デヴィッド・サンボーンからの影響を大きく受けたという表現力豊かなサックスは、ポップでスムースなサウンドにはパーフェクト・マッチだ。

「さくらさくら」に始まり「夏の思い出」や「小さい秋見つけた」、「コスモス」など季節の日本の歌をメドレーで演奏したり、「.Can’t Let You Go (The Sha La Song)」では客席とのコール・アンド・レスポンスで観客を楽しませたりとコーズのサービス精神旺盛なエンターテイナー振りは見事なものだ。

そしてステージの終盤、客席を多いに盛り上げたのが「You Make Me Smile」。この曲、何度聴いても名曲で、単にコーズの代表曲というだけにとどまらずスムース・ジャズの中でも指折りの名曲と言ってよいだろう。
すっきりとまとまったCDでのソロ・パートとは違って、長尺のソロで熱く盛り上がるのもライブならではだった。

そしてアンコール前のクロージング・ナンバーとなった「Saxman」ではSax ManならぬSax Womanの小林香織がアルトを持って飛び入りというサプライズまで楽しむことができた。
ちなみに前日の木曜日のステージではプロモーションのために来日中だったジョー・サンプルが飛び入りで参加したそうだ。

アンコールでは客席の真ん中に置いたストールに座って「Over The Rainbow」を深いヴィブラートを効かせて情感たっぷりに吹いてこの日のステージは幕を閉じた。 (橋 雅人)




Photo by Takuo Sato
取材協力:株式会社EMIミュージック・ジャパンブルーノート東京
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