Pat Metheny/Brad Mehldau LIVEレポート 

Pat Metheny(g,etc)
Brad Mehldau(p)
Larry Grenadier(b)
Jeff Ballard(ds)

2007.9.26 東京NHKホール

 

・セットリスト
 [DUO]

1. Unrequited

2. All The Things You Are

3. Better Days Ahead

4. 28

 

 [QUARTET]

5. A Night Away

6. New Blues

7. Silent Movie

8. Ring Of Life

9. The Sound of Water

10. Secret Beach

11. Vera Cruz

 

 [ENCORE]

12. Bachelors III

13. Blues For Pat

 

# セットリストの引用:ハーモニーJAPAN HP

 

 

  パット・メセニーとブラッド・メルドーという顔合わせというのは、一体どうなるのか興味的なライブでした。

平日だったせいか、座席はSS席こそ満席でしたが、後方はかなり空席(というよりガラガラ)が目立ったのがちょと意外でした。

 

 使用していた楽器は、パットがアコースティック・ギター、ピカソ・ギター、ギター・シンセと幾つも持ち替えました。

それに対して、ブラッド・メルドウはアコースィック・ピアノ一筋で、ラリー・グレナディアもウッド・ベースのみ。

ジャフ・バラードのドラム・セットも、少々、タムの数は多かったようですが、割とノーマルなセッティングです。

ある意味、アコースティックJAZZのシンプルと言えばシンプルなステージです。

 

 ライブの内容ですが、メセニーは曲ごとに違う楽器を駆使し、いつもと同じように素晴らしいパフォーマンスを魅せてくれます。

特に今回のフルアコ・ギターは音のアタックが強く、アコースティック感の強い演奏です。

いつものグループと違うのか、それともやり慣れた曲と違うためか、ソロが一味違ったテイストだったように感じました。

 

 ブラッド・メルドウも今回はまさに完璧なパフォーマンスだったと思います。

ピアノの音はあまりに美しく、なによりも「虚心坦懐」な演奏であったかと思うところです。

今回はメセニーと一緒だっただけに、リーダーとしてのような気負いも無かったのが功を奏したのでしょうか。

 

 ラリー・グレナディアのベース・プレイもバッキング、ソロと楽しませてくれました。

特にソロにおける高音部(ネックがボディにかかる部分)は、普通JAZZベースのソロでは不安定な音になりがちなところを、グレナディアは正確なピッチでいかにも当たり前が如く音を出していたのには感心しました。

 

 ジェフ・バラードも、シャキシャキしたリズムで心地よい4ビートをキープしていました。

それに反してドラム・ソロは長々と一本調子で・・・確かに上手いのですが・・・ノーアイデアというか。

テクニックはある人だけに、そこは課題の気がしました。

 

 曲はほとんどメルドウーメセニーの2枚のアルバムから。

中にはメセニーのBetter Days Aheadを演奏したりと、楽しませてくれます。

ただ、演奏の質は高いものの、あの2枚のアルバムの曲はそれほど盛り上がらない・・・どちらかというとしみじみとした佳曲が並んでいます。

なのでライブ進行は淡々としたものにならざろう得ない感じでした。

それでもクライマックス感にこそ欠けるものの、各曲の演奏は素晴らしく、あっという間に終わったという気がします。

 

 結論からすると、これはなかなか高水準な密度の濃いパフォーマンスで、随所に見所がありなかなか楽しめたライブでした。

ただし、さてライブの満足度ということになるとちょっとどうかな?・・・という感じでした。

やはりPMGのようなレギュラーなバンドとは違うから致し方ないというところでしょうか。

非常に高度な演奏というのと、心から楽しく思う演奏とはまた違うのだなとライブ直後はそう考えていました。

 

 ところが、このライブは終わっってから、その後数日間はあとを引くことになったんです。

帰ってからこの共演CD2枚を無性に聞きたくなって、何日か続けて聞き直してしまいました。

なんだかんだ言っても、このライブには強烈な印象を受けたということなったんですね。

そう、あのライブは何だったのだろう?・・・とまたCDを聞き返したくなるくらいに。(TKO)

 

 



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