Town Hall, New York City, 2007年2月20日(火)
Darryl Pitt : Speech |
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2月20日、マイケル・ブレッカーを偲ぶメモリアル・サービスが、ニューヨークの2月としてはそれ程寒くない中、マンハッタンの中心部タイムズ・スクェアからほど近いタウンホールで行われた。 マイケル・ブレッカーが亡くなってから1ヶ月あまりたって行われた式典は、マイケルのマネージャー、ダリル・ピットのオープニング・スピーチで始まり、マイケルの家族、ゆかりの深いミュージシャン達のスピーチ、演奏で進行していった。 それぞれのスピーチはメモリアル・サービスと言った響きから想像されるような湿っぽいものではなく、ジョークを交えて会場の笑いを誘うような暖かい雰囲気のものだった。 それでもマイケルの夫人スーザンが溜息をつきながらも努めて明るく話そうとしている様子には胸が詰まるものがあったし、13歳になるという息子のサムのスピーチはベッドでよくレスリングをして遊んだ話など、父親としてのマイケルの姿を伝えてくれ暖かい気持ちにさせてくれた。
兄、ランディー・ブレッカーのスピーチはレスリー・マンドーキーとのレコーディング・セッションのときの話を例に出し、演奏をマイケルよりも高いところに持っていくことの難しさを語った。 続いてデイブ・リーブマンが「Gathering of the Sprits」を縦笛で演奏したのは、スーザン夫人よりこの式典では誰もサックスは吹かないで欲しいとの要望があったからだという。
パットによると昨年のマイケルとの最後のレコーディングはとても言葉では言い表すことができないような体験だったという。 若い頃から最近のものまで多くの映像を編集して作られたトリビュート・ビデオはなかなか見応えのあるもので、最後の来日となったマウント・フジの場面では思わず胸が熱くなってしまった。
演奏としてはとりとなったマイケルの初期の名演として知られるポール・サイモンの「Still Crazy After All These Years」はハービー・ハンコックがフェンダー・ローズ・ピアノでの伴奏をする豪華で珍しいデュオとなった。 終盤にはハンコックやウェイン・ショーター、バスター・ウィリアムスらによる何妙法連華経の読経が行われ、ハンコックよりマイケルが亡くなる約6ヶ月前に創価学会に入信した旨の話があった。
最後に、ほんの2−3日前にマスタリングが完了したばかりだという5月発売予定のマイケルの遺作のさわりが披露されて、マイケルのサックスが朗々と会場に響き渡り、1時間半あまりの式典は幕を閉じた。 |
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