Tom Grant - Piano and Vocal "Duncan" Hayashi - Bass Larry Ransome - Drums Eric Wiegmann - Percussion Ackey (アッキー) - Keyboard 高木敏郎 -Tenor Sax 足立 衛 -Alto and Soprano Sax ゲスト:朝比奈隆子 大阪府池田市民文化会館 アゼリアホール 2006年7月16日(日) |
スムース系ピアニスト、トム・グラントの初来日公演は大阪府池田市のアゼリア・ホールという外タレの公演としてはちょっと珍しい場所で行われた。 この日の客席は約七分の入りといったところだろうか。客層は普段見るジャズのライブに比べると年齢層が高めのように思える。 第一部の女性ピアニスト、朝比奈隆子トリオの演奏が、「スペイン」で幕を閉じ、10分間の休憩を挟んでトム・グラントが登場した。バック・バンドはアメリカ人と日本人の混成バンドで、構成されていて、曲によって登場するサックス奏者は地元のミュージシャンだった。 1曲目はアース・ウィンド&ファイアのカバー「Fantasy」で始まる。すぐに感じるのはピアノの音の輪郭がはっきりしていて、粒立ちの良いことだ。アップテンポの曲で小気味良く響くピアノの音が心地よい。 その後はトムのオリジナル曲が演奏され、シーケンスのパターンをバックに使いながらのリズミカルな曲や、トムの軽く口ずさむようなヴォーカルを交えた曲、またしっとりとしたバラードなどが、続く。いずれの曲も印象的なメロディーの曲で、ピアノの響きが美しい。 スムース系といってもトムのサウンドはしっとりとした夜の雰囲気というよりも、さわやかな朝を感じさせるようなサウンドで、清々しさを感じさせるものがあった。 ステージは再度、朝比奈隆子が登場してピアノ2台をフィーチャーしたジョビンのナンバー「One Note Samba」で一旦幕を閉じた。 アンコールでの四季の移り変わりを歌った「Change」では四季の風景をステージの後ろに投影しながら、雪を降らしたり、スモークを出したりとホール・コンサートならではの演出も楽しませてくれた。
今回のコンサートは主催が(財)いけだ市民 文化振興財団、場所もいわゆる市民会館とジャズ系の来日公演としてはかなり異色の企画だったのだが、地方でのジャズフェスの数がかなり減ってしまった昨今、このような地元密着型のコンサートで、質の高いスムースジャズが聴けるとは嬉しい驚きだった。 |
(Set list) Fantasy Hang Time Hands Tune it In Celia Never Say Never Angels Crossing In My Wildest Dreams Witchi Tai-to (Session) One Note Samba (Encore) Change Heidi's Song |
Photo credit: Makishima (c)2006 ANON Entertainment |