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村山義光(左)& 馬場孝喜(右)
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村山義光 (guitar)
馬場孝喜 (guitar)
2006.12.8 Common Cafe, Osaka
きっかけは11月25日に京都コンサートホールで行なわれた「佐山雅弘 PLAYS ゴールドベルク変奏曲」と題されたコンサートだった。
第一部の佐山のソロピアノによるバッハの「ゴールドベルク変奏曲」に続いて行なわれた第二部の佐山雅弘トリオの演奏で登場した地元京都のギタリスト馬場孝喜はオスカー・ピーターソン・スタイルのトリオの抑えた演奏の中でも光るものがあり興味を引かれた。
打ち上げで馬場と直接話す機会があり、大阪でギター・デュオで定期的にライブをしているというので出向いてみた。
会場のCommon Cafeは大阪駅から徒歩10分ほどの中崎町にある小さなライブスペースで20−30人も入れば満杯になってしまうような小さな店だった。
村山はトラベル・ギターという右手写真にも写っている変わった形のギター、馬場はギブソンのフルアコで、2人ともギター・アンプは使わずにPAから直接音を出すというセッティングだった。
村山は卓越したテクニックを基礎に持ちながらもハーモナイザーやディストーションなどのエフェクターを時々織り交ぜながら意表をつくフレーズを連発するかなりユニークなタイプのギタリスト。
一方馬場は正統派ジャズ・ギタリストで、メカニカルなフレーズの組立で聴かせてくれる。指弾きをやっていたと思うとピックを持つとスィープ・ピッキングまで見せるなど超高速ぶりもかなりのものだ。
この日は村山のオリジナル曲を中心にスタンダードを織り交ぜるという構成でメロディアスな優しい曲から、超テクニカルなアグレッシブな曲まで二部構成でアンコールを含めて計9曲が演奏された。
硬軟交えた曲想の中で村山が仕掛け、それに馬場が切返していくという展開は聴いていてこの2人の世界にどんどん引き込まれていく面白さがある。
単調になってしまいがちなギター・デュオというフォーマットの中でも、2時間ほどのライブがすぐに終わってしまったと感じるほど変化に富んでいて、この2人のギタリストの幅の広さ、懐の深さがよくわかるライブだった。
それにしてもこの日の観客はたったの10数人ほど。これだけのレベルの音楽をこんな小さなところで聴けるのは贅沢と言えば贅沢なのだが、はっきり言ってもったいない。是非もっと多くの人に聴いてもらいたい音楽だと思う。
2セット目の2曲をストリーミングで聴けるように以下に準備したので是非聴いてほしい。(再生にはReal Playerが必要です。)(橋 雅人)
The Other You
高速ユニゾンでテーマが演奏されるテクニカルな曲。
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