ブライアン・ブロンバーグ Brian Bromberg (Acoustic Bass) 2006.5.10 大阪ブルーノート 2nd set 超絶速弾ベーシストのブロンバーグと当代No.1テクニシャンのウェックルという現代最多手数コンビとも言えるリズム・セクションに、キーボードには無名時代のケニーGを発掘し、フュージョンという言葉の元祖とも言えるジェフ・ローバー・フュージョンを率いていたジェフ・ローバー、そして知名度こそ他の3人ほど高くないもののウェックルやフローラ・プリムのバンドで活躍する実力派サックス奏者、ゲイリー・ミークの4人組というかなりおいしいメンツでのクラブ公演ということで大阪ブルーノートに出かけてきた。 誰がリーダーになってもおかしくないようなバンドなのだが、今回のリーダーはブライアン・ブロンバーグということで、演奏曲目はブロムバーグの最新アルバム「Downright Upright」に収録されているハンコックの「Cameleon」で幕を開け、ザヴィヌルの「Mercy Mercy Mercy」、同じくハンコックの「Catelope Island」などファンキーでポピュラーなナンバーが中心となった。
サウンドはメンバーからするとエレクトリックになるのかと思っていたが、「Downright Upright」同様、全編ウッドベースでのかなりアコースティック色の強い演奏だった。 そんな中でゲイリー・ミークの素直なフレージングで気持ちよくブローするテナーはこの日のサウンドによくフィットしているように感じた。この人もう少し世間の評価が高くてもよいのではと思う。
逆にジェフ・ローバーはこの日はアコースティック・ピアノを中心に弾いていたのだが、聴いていてもうひとつしっくりこなかった。 ウェックルは前回にみたチック・コリア・エレクトリック・バンドの時のセットに較べるとバスドラもひとつで全体でも半分くらいの大きさに見えるドラム・セットで、随所に細かい技を織り交ぜながらも、ウェックルとしては比較的シンプルなプレイに徹していたように聴こえた。(それでもスネアは2つ使っていたのだが) この日の主役、ブロンバーグが一番客席を沸かせたのはアンコールで、そこで披露したスラップと高速タッピングを多様したベースソロにはびっくり。ウッドベースでこんなことをやってしまうとは、とても人間技とは思えない曲芸的なソロだった。 彼らのセッション風の高度なテクニックを駆使したソロ回しを聴いているだけで、十分に聞き応えがあり楽しめるライブだったのだが、できれば同じメンバーでのエレクトリックで決め決めの演奏ならもっと凄いだろうにと思わせるライブでもあった。 (橋 雅人) |
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