Tom Scott & LA Express Tom Scott(sax) Greg Phillinganes(key) Mike Miller(g) Larry Kimpel(b) Will Kennedy(ds) Osaka Blue Note 2005.10.31 2nd set |
Set List SMOKIN' SECTION TOM CAT PICK UP THE PIECES GOTTA GET CLOSER TO YOU SACK O' WOE HIS EYES, HER EYES ODE TO BILLIE JOE STORMY MONDAY |
トム・スコットが久々の来日を果たした。
最近の作品では少しスムース系でおとなしめのサウンドに傾いていた印象があったトム・スコットだがライブでは1曲目「SMOKIN' SECTION」からまさに煙の出るように熱い往年のR&B、ファンク系フュージョンサウンド全開だった。 2曲目ではテナーをウィンドシンセ(YAMAHA WX11?)に持ち替えて何と70年代のナンバー「Tom Cat」。いまどきにしてはちょっとチープな音色なのだが、それが何とも懐かしい。
3曲目は再びテナーに持ち替えてアヴェレージ・ホワイト・バンドのヒット曲のカバーで「Pick Up The Pieces」。ラテン系のリズムにアレンジされ、かなりのハイ・テンポで演奏されていた。 4曲目はアルトに持ち替えて少しスローダウンしたミディアム・テンポの「Gotta Get Closer To You」。トムは今は亡きグローヴァー・ワシントン・ジュニアに捧げると言って、まるでグローヴァーのような節回しで吹いていた。またフィリンゲンのローズ・ピアノの音色のバッキング、ソロもリチャード・ティーを彷彿とさせるようなものだった。 続いて演奏されたトムの若いころのヒーローだったというキャノンボール・アダレイの曲「SACK O' WOE」はロックン・ロールにアレンジされていてトムの腰を振ったりするステージ・アクションが何ともお茶目だ。 そしてこの日唯一のバラード・ナンバーだった「HIS EYES, HER EYES」はミシェル・ルグラン作曲のフェイ・ダナウェイ、スティーヴ・マックィーン主演の1967年の映画「The Thomas Crown Affair」のサウンド・トラックでトム・スコットとしても初期の映画の仕事で思い出深い曲だと言う。
この日のステージのクロージング・ナンバーとして演奏されたのは「Smokin' Section」にも収録されていたR&Bナンバーの「ODE TO BILLIE JOE」。 アンコールでは、がらりと雰囲気を変えてベースのラリー・キンペルがヴォーカルをとってのブルースのスタンダード曲「Stomy Monday」。もろにブルースと言った演奏で、ここでもフィリンゲンのオルガンのソロが光っていた。 最初から最後までこれぞフュージョンといえるようなノリのよい楽しさを前面にだした上質な演奏を満喫できるステージだった。(橋 雅人) |
All rights reserved by Cyber Fusion |