ザ・ニュー・サウンド・カルテット
ジョー・ロック (vib)、ジェフリー・キーザー(p)
1.Summer Time
2.Port Alexander Moon
3.The King
本当はds、b加えたカルテットなのでしょうが、今回はピアノ、ビブラフォンのデュオ。
このフォーマットといえば、即思いつくのがチック・コリアとゲイリー・バートンというのは逃れられないところ。
ところがピアノ、ビブラフォンの美しさはそのままに、この2人はまた違った個性を聞かせます。
特にビブラフォン奏者はあまり聞かないだけに、今後もジョー・ロックには期待したいところ。
それにしてもジェフ・キーザーは日本語が達者ですねぇ。(TKO)
山中 千尋
山中 千尋 (p)、ハンス・グロウィシュニク (b)、ケンドリック・スコット (ds)
1.Living Without Friday
2.In A Mellow Tone
3.Impulsive
4.Outside By The Swing
5.Bass solo〜Yagibushi
繊細でいて大胆、弱弱しく見えてパワフル、聴きやすくいながら挑戦的。
山中千尋のピアノは、先入観とは正反対の、良い意味での期待を裏切る凄いピアノを聞かせてくれます。
パワーのあるバックのベース、ドラムを向こうに回して、広い会場なのにピアノの音はよく届いてました。
ベース・ソロからメドレーで、八木節をアレンジして演奏したとのことですが、どこが八木節だったのか思うほどJazzにアレンジされ、激しく、そして爽やかな演奏でした。
毎年東京Jazzには華やかな女性Jazzミュージシャンが登場して楽しませてくれますが、今年はまさに山中 千尋に注目が集まりました。
女流Jazzピアニストには繊細なビル・エバンス系が多いのですが、山中はガンガンにピアノをかき鳴らすタイプ。
そこがたまらなくジャジーで、繊細ピアノも悪くないけど、こういうイベントのJazzはこうでなきゃねと4ビートのスイング感に酔いしれました。(TKO)
テレンス・ブランチャード
テレンス・ブランチャード (tp)、ブライス・ウィンストン (ts)、アーロン・パークス (p)、
デリック・ホッジ (b)、ケンドリック・スコット (ds)、リオーネル・ルエケ (g)
1.Wandering Wandel
2.Over There
3.Wadagabe
テレンス・ブランチャードは、4ビートのみならず、エレクトリックを交えたバンドで登場。
流石にトランペットの鳴りは素晴らしく、現在Jazzの実力派トランペッターの凄みを聴かせてくれました。
また、昨年初登場した謎のギタリストのリオーネル・エルケ(g)は、このテレンスとレコーディングもあり、今回もコリコリカリカリとギターを擦る謎の奏法を聞かせてくれました。
欲を言えば、もっとテレンスのはばりばりとトランペット・ソロを聞かせて欲しかった・・・と思うほど、テレンスのトランペットの素晴らしさを再発見しました。(TKO)
ゲイリー・バートン〜ジェネレーションズ〜
ゲイリー・バートン (vib)、ジュリアン・レイジ (g)、ワディム・ネセロフスキー (p)、ルーク・カーティス (b)、ジェイムス・ウィリアムス (ds)
1.First Impression
2.My Romance
3.Wheat Land
4.Test Of Time
5.Prelude For Vibes
6.Elucidation
ゲイリー・バートンが次代を担う若手ミュージシャンを伴って登場しました。
サウンドはビブラフォンを中心に、爽やかで聞きやすい4ビートJazz。
難解なサウンドの多い昨今のJazzの中で、こんなに気持ちよくスイングするJazzはむしろ貴重ですよね。
バートンのプレイの冴えもさることながら、若手ミュージシャンもなかなか負けては居ません。
特にギタリストのジュリアン・レイジのギターワークは若きメセニーを彷彿する溌剌としたプレイが印象的でした。(TKO)
マーカス・ミラー
マーカス・ミラー (b/vo)、キース・アンダーソン (sax)、プーギー・ベル (ds)、ディーン・ブラウン (g)、
ボビー・スパークス (kb)、パッチェス・スチュワート (tp)
1.Bruce Lee
2.Moonlight Santa
3.Power Of Soul
4.Make Up My Mind
5.Panther
6.Boomerang
7.Frankenstain
8.Silver Rain
東京Jazzに出演するミュージシャンは予測の範囲内の人もいる一方、まさか彼らが出るなんてと驚かされる人も居ます。
今回のマーカス・ミラー出演には、驚きと同時に狂喜した人も多かったのではないでしょうか。
まさに満を持しての登場となったマーカス・ミラーですが、実は前の日のヘッドハンターズの一員として一足先に出演していたわけです。
そして翌日は自分のバンドを率いての演奏と、ある意味でハービー・ハンコックに次ぐ忙しさになったこの2日間だったのではないかと想像します。

準備に手間取り、ややスタートが遅れたのですが、待ち遠しかったファンから大きな拍手と声援が飛びます。
さすがにマーカス、1曲目から惜しみのないベースワークを楽しませてくれます。
それにしても今更ながら、なんと力強いベースワークだろうと感心します。スラップももちろんなのですが、フィンガーピッキングでのベース音もびんびんに客席に伝わってきます。
また、タッピングにしてもマーカスはいとも簡単にやってのけるので、本当に現在NO.1ベースマスターであることを実感します。

パッチェス・スチュワートのEVI(SAX向けがEWIに対し、トランペッター向け)もなかなかで、ソロではエフェクトをかませたユニークな演奏を聴かせてくれました。
それと今回参加してキース・アンダーソンはテナーSaxを吹き、今までマーカスのバンドはアルトSax奏者ばかりなのでテナーは如何に?と思いましたが、なかなかこれがサウンドになじんでいました。
また、ディーン・ブラウンの「待ってました」のギター・ソロも冴えてます。凄いのか、凄くないのか分からなくなってしまうほど(笑)、白熱した凄みを魅せてくれました。

演奏曲はもうマーカス・ミラー・バンドといえばのおなじみの曲ばかり。
ここのところ衛星放送やDVDでよく見るレパートリーなのですが、流石に生で聴くと一味も二味も違う感じですね。
また、新作シルバーレインからの曲もレパートリーとしてなじんでいて、フランケンシュタインやパワー・オブ・ソウルと、また新たにマーカス・サウンドに魅力が加わったと感じました。(TKO)


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