デイヴ・グルーシン DAVE GRUSIN(Piano) ダーレック・オールス Darek Oles (Bass) 大阪ブルーノート 2004.05.15 2nd set |
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デイブ・グルーシンはフュージョンの歴史の中でも最も重要な役割を果たした一人と言えるだろう。渡辺貞夫とのコラボレーションで「カリフォルニア・シャワー」などを制作して武道館コンサートを行い、日本での爆発的なフュージョンブームの火付け役になったことは言うまでもなく、なんといっても彼がラリー・ローゼンとともに設立したレーベルGRPは80年代には数多くのジャズフュージョンのアーティストを引きつけ、一時期はGRPにあらずばジャズフュージョンにあらずとまで言われたような時代を築き上げた。 この日のステージはウェイン・ショーターの「Foot Prints」という意外な選曲から始まった。
その後はハービー・メイソンの最新作であるピアノ・トリオ・アルバム「With All My Heart」からの曲が続けて演奏されたが、ステージ前半のハイライトは「Smoke Gets In Your Eyes」だった。アルバムではボブ・ジェームスのアレンジ・演奏だったものだが、そのボブ・ジェームスのアレンジをグルーシンが演奏するという何とも豪華なものになり、叙情感溢れるバラードを聴かせてくれた。 またステージ半ばでグルーシンだけを残してドラムス、ベースが一旦楽屋に下がると、グルーシンの最新ピアノソロアルバム「Now Playing」からアカデミー賞を受賞した映画「Milagro」からの曲が披露された。ピアノ・ソロでもグルーシンならではのアメリカの中西部の風景をイメージさせるような雄大な拡がりのある音を聴くことができた。 そして最後に盛り上げてくれたのはフュージョン全盛期の名曲「Mountain Dance」だった。もう25年も前のアルバムからの、映画「恋に落ちて」でも使われた曲だが、今の耳で聞いてもいい楽曲で、メロディーメーカー、アレンジャーとしてのグルーシンの才能を感じさせるような曲だ。演奏もいかにもグルーシンといったコードの響きで楽しませてくれた。 見た目はかなり歳を感じさせるグルーシンの風貌だったが(70歳なので歳をとっているのは当たり前だが)、ピアノから出てくる音は紛れもなくグルーシン・サウンドで、 フュージョンの歴史ともいうべきグルーシンの生の演奏に触れたというだけで、この日はちょっと感動してしまったライブだった。(橋 雅人)
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