2003.06.21 BLUES ALLEY JAPAN |
●1st 1.Green Mist(Guitar Solo)〜America(Duo) 2.Beat Panic 3.Silent Wall 4.Hieroglyph 5.Parrot Cops Coming Soon 7.Ali's Dance |
●2nd 1.Haunted Mansion 2.Secret Secretary 3.Yuki-No-Sabaku プレゼントコーナー 4.Rhythm Heat 5.Chinese Mafia 6.Jungle Love |
●Encore 1.Children In The Lost Paradise 2.El Dorado 3.Spring Deer |
布川俊樹 (guitar) 小池納 (sax) 納浩一
(bass) 古川初穂 (Keyboards) 木村万作 (drums) カルロス菅野 (perc) Guest : 藤陵雅裕 (sax) |
||
18年間も続いてきたギタリストの布川俊樹率いるバンド、Valisの解散ライブが目黒のブルース・アレイ・ジャパンでおこなわれた。最後のライブとあって会場のブルース・アレイは完全にソールドアウト。立見の人の列が3重にもなっているという超満員ぶりだった。 ステージは布川のアコースティックギターのソロ「Green Mist」からValisの最新作である「Gift」の1曲目でもある小池のサックスとのデュオ曲「America」へのメドレーでしっとりと幕を開けた。 ただしっとりしていたのはオープニングのみで次の「Beat Panic」からは、いきなりハードなValisサウンドを聞かせてくれる。最近あまり聞くことのできない80年代のニューヨーク系サウンドを継承するようなハードコア・フュージョン・サウンドが嬉しい。この曲では古川初穂のエンジン全開状態での切れたピアノソロが光っていた。 4曲目が終了したところで小池修が退場して以前Valisに在籍していた藤陵雅裕が登場する。割とモーダルな雰囲気だった小池に対して、アルトを持って登場した藤陵はファンキーなフレーズを繰り出し、それに合せるようにバンドのカラーも少し変化する。 藤陵のサックスで2曲演奏の後、再び小池修が登場して1ステ目最後の曲、「Ali's Dance」はツインサックスでパワフルな演奏が繰り広げられた。ソロの掛け合いでは2人のサックス奏者のコントラストがなかなかおもしろかった。 ところでこの曲、布川氏のお子さんが一番好きな曲とのことだが、いろいろなフレーズのモチーフが複雑に絡み合ったような結構難解な曲で、これが好きな子供って末恐ろしいような気がします。 セカンド・セットは藤陵のサックスプレイヤーとしてはめずらしい高く積み上げられたラック・エフェクターを駆使したサウンドをフィーチャーした「Haunted Mansion」(日本語で言うとお化け屋敷ですね。)から始まった。セカンドの前半は藤陵のサックスをフィーチャーして藤陵在籍時の古めのナンバーが演奏されていく。 セットの途中に豪華商品、布川所有のギターがジャンケンで当たるというプレゼントコーナーをはさんで、小池修のサックスに戻った「Rhythm Heat」ではこの日、唯一の納浩一のベースソロを聞くことができた。 あとは怒涛のような演奏で2セット目のエンディングまで雪崩れ込んでいく。超満員の観客の鳴り止まぬ拍手に応え2度にわたるアンコールでこの日の演奏は幕を閉じた。 今の日本の音楽界を支える実力派のミュージシャン達が集まり硬派なフュージョンを聞かせてくれていたバンドが解散するというのは残念だが、今後は個々の新しい活動に期待していきたい。(橋 雅人) | ||
「Last Gift」のCD評 「Hieroglyph/Valis Live! vol.1 」のCD評 REPORT :橋 雅人 PHOTO:アスワン |