"Groovers Move On" BQRecords(BQR-2023) Now On Sale!! | ||
シラキ ヤスユキ (b) 町田浩明 (drs) 斉藤 力 (as) 岸川 恭子(vo) イシハラ ケンジ(vo) 飯塚由加 (Pf & key) 安井 希久子 (per) 太田 光宏 (g) |
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「Groovers Move On」が発売されてから2ケ月ぐらい立ちましたかね。皆さん、もうお買い求めになりましたか?? Fusionの枠を超えた新しいサウンドにもうメロメロ状態です。 新作の発売からしばらくたってのライブ、大分新加入のメンバーも息が会う様になってきました。前回のライブと比べると更にパワーアップしてます。 新曲もまたまた増えましたねぇ。どのアルバムにも入っていない新曲です。 どれもイイんですが、飛び切りにイイのが"Happiness”。 "Bumps”、”G、T、'U'"、”Cue !"........多数の名曲があるんですが、これらの名曲を脇役にしてしまう程のメロディライン。 今まで新譜情報の中で安易に「才能ある.....」と多用してきましたが、10人にだけこれを使っても良い、と言われたらポールマッカトニー、スティビーワンダーと同じレベルでマイクロストーンを入れてしまいます。 この"Happiness”に歌詞を付けて例えばSMAPやケミストリーが唄ったら、初登場1位でトップ10ランクインを二桁台の週を続けるだろうと思います。(音楽プロデューサーさん、注目!!) この曲を聴いているときは、カメラも忘れ、「彼らと同じ時代に生まれて良かった......」としみじみ思いました。 ギターソロ、サックスソロ、この曲にはこれしかない!!というようなソロでしたねぇ。 今はこの曲に会えるのはライブだけです。 自信を持ってお勧めするマイクロストーンバンド、全てのFusionファン(と言わず、音楽ファン)にお聞かせしたかったです。 マイクロストーンバンドみんな光ってました。(アスワン) |
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唐突ではあるが、ライブで見たMicro Stoneの進化は予想以上だった。 また、更にその音楽には「深化」も加わっていると今回のライブを見て確信する。 この日のライブは日曜日の夜というライブの出足が心配される時間帯ではあったが、熱心なファンが集まった。 なんといってもMicro Stoneのライブは「楽しい」の一語につきる。 それもそのはず、最新作「Groovres Move On」を中心に、1曲目"Axle"から最後の曲までアクセル全開。 この曲は夏らしい爽快で、ややリッピントンズや西海岸Fusionを思い起こすナンバー。 斉藤力のアルトSaxが良い鳴りっぷりをしている。昨今のFusionアルトSaxというとまず最初にサンボーン系を思い浮かべるのだが、斉藤のアルトはまた一味違う。音に芯があって軽快で聞いていて気持ちよいSaxだ。 また、曲によってはSaxにエフェクトをかけたソロがなかなか面白く、エディ・ハリスや一時期やってたマイケル・ブレッカーを思い出すが、斉藤の場合はSaxの音色を損ねることなく、なかなか味があって良いなと思った。 次にメドレーで演奏された"Sweet Heaven"、"BLONDE"は、フロントの2人(イシハラケンジ、岸川恭子)のVoiceがばんばん演奏を盛り上げる。 特に岸川恭子のボーカルはパンチを持たせるとまるでアレサ・フランクリンのようにパワフルに歌い、また繊細な曲ではロバータ・フラックのように伸びのある声で歌う。 歌うといってもVoiceということでスキャットなのだが、その表現力は凄い。特にスローな"Sweet Heaven"なんてそのVoiceで独特の世界を作っている。 イシハラケンジもソウルフルなVoiceと、まるでブラザー!といったステージアクトで魅せてくれる。 それと"Blondeでの岸川恭子、イシハラ ケンジとのVoiceの掛け合いが見事だ。 また"Sweet Heaven"では飯塚 由加もなかなかのピアノ&キーボードさばきを聞かせてくれる。 短いながらシンセ・ソロと、後半は鋭いピアノ・ソロを聞かせてくれる。 ピアノの方は、ソロにバッキングにまるでハービー・ハンコックを彷彿し、なかなかジャジーである。 "Heart Of Gold"は新作「Groovres Move On」のなかで実は筆者の一番お気に入りの曲。 この曲は前半と後半で様相がガラっと変わる2重人格的なジキル&ハイドな曲だ。 この曲からギターの大田光宏が登場。 その大田のギターが絶品なギターワークを披露する。 斉藤のSaxがメロウなトーンによるテーマ・・・そこのバッキングが絶妙で、ラリー・カールトンの歌伴のような上手さを感じる。 それから大田のギター・ソロになるが、メロウでなかなか泣きのギターを聞かせてくれた。 そしてリズムが変わる"Heart Of Gold"の後半・・・ここは何度聞いてもゾクゾクする。 町田 浩明のドラムがズドンと重いビートと、シラキヤスユキの重いリズムとが刻まれはじめる。 すると大田のギターが引きつったようなトーンでドライブする。 このギターがさっきのメロウなフレーズとは打って変わって、攻撃的なフレーズが駆け巡る。 それにしても大田のギターは凄い。バッキングの名人技には舌を巻いたが、これだけでも相当だと思うのに、ソロの方も抜群に良いのだ。 通常はどちらか一方が多いのだが、どちらも上手いギタリストというと、リー・リトナー、スティーブ・ルカサー、ラリー・カールトンというあたりを思い出す。 でもそれはイメージだけで大田はどれとも違う、また違った個性の持ち主だ。 うーん、こんなギタリストが隠れていたなんて・・・・今日一番の驚きである。 続けて"Spiral"がメドレーで演奏される。今度は打って変わって軽快なナンバー。 この曲では安井 希久子のティンパニー、カウベルでのバッキングがカッコ良くて、まるでシーラEをほうふつする。(さすがにシンバルを足で蹴ったりしないけど・・。) それと1stステージ最後の"Sonic Sonik"もイケイケで楽しく前半を締めくくった。 そして2ndステージ。 ここで意表をついて、安井のパーカッション・ソロから始まった。 このソロでの安井は、なかなか味のあるパーカッションを聞かせる。それはよくある次第にクレッシェンドして盛り上がるだけというソロとは違い、音と音の合間をも使う、それは”間”を表現してるようななかなか個性のあるパーカッション・ソロだ。 その後はもう2ndは大ノリ大会。Micro Stone Band名義の「HEY!!」や、最新作「Groovres Move On」のナンバーを中心にすごく楽しく、ノリの良いステージに突入する。 ここで遅らばせながら、本来のMicro Stoneのコア(核)であるドラムの町田浩明、ベースのシラキ ヤスユキに注目した。 なぜ遅れたかと言うと、この2人中心のバンドのはずなのに、ソロを大きく取るでもなく、目立つというよりかは地味(?)・・に思えて不思議なバンドだなぁと最初は思ったからだ。 しかし、よくよく聞いてみると、各メンバーに色々とソロを取らせながら、実はすごいグルービーなリズムを作っているのがまぎれもないこの2人に気づいたのである。 町田のドラムはパワフルであり、またズッシリと重量感溢れるドラミングを聞かせると思いきや、バーナード・パーデイをほうふつするゴーストノートをたくみに使ってリズムをGrooveに持って行く。 その剛柔を使い分け、更にテクニカルな味付けのあるドラミングは個性的でかつ芯のあるリズムを作り出す。 ベースのシラキは、昨今のFusionに珍しくベース・ソロを取らない。 では地味なベーシストかというとそんなことは無く、時にはマーカス・ミラーばりのスラップでぐいぐい押したりもする。 しかし、それよりもボトムのしっかりしたラインをキープし、音楽(リズム)を押し進めて行こうという意思を非常に強く感じる。 だからこの2人の作り出すリズムは・・・シンプルに言って非常に「気持ちよい」。 それが証拠に、観客の中でも聴きながら足が自然とリズムを取っていた。(もちろん筆者も!) そういう意味では、Micro Stoneというのは珍しいタイプのユニットだし、可能性が非常に広いと思った。 最後とアンコールに「Beats are ready」からの曲でステージを締めくくったが、最後まで楽しいステージだった。 以前にも増してMaicroStoneバンドの音はGrooveで楽しくなっていく・・・これこどがまさに進化なんだなぁと思う。 それだけでなく各メンバーもさすが多方面で活躍するミュージシャンだからこそのテクニック、パフォーマンスの高さを感じさせてくれた。 それをアピールできる場面を今回は数多く見ることができたのは、これは深化であるように思えたのだ。 そういう意味でもMicroStoneはまだまだ目が離せない。まだこの先が楽しみだと思った。(TKO) |
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次回ライブ 8/24(日)手賀沼ジャズフェスティバル2003 9月10日(水)池袋 Miles Cafe 10/13(祝)六本木ピットイン | ||||
Report : TKO Photo : アスワン |