The Earth Quartet Live Report





EQ

小池 修 (tenor sax)
青柳 誠 (piano)
納 浩一 (bass)
大坂 昌彦 (drums)

Mr.Kelly's(大阪) 2003.07.22


小池 修、青柳 誠、納 浩一、大坂 昌彦という実力派揃いの顔ぶれで単なるセッションではなくパーマネントに活動をするバンドを結成したというので見に行ってきた。ファースト・アルバムもちょうど7月23日にリリースされている。

この日のステージは、いきなりかなり複雑でトリッキーなテーマのオリジナル曲から始まった。
去年あたりからこのメンバーで活動をしてCDをリリースするという話は伝え聞いていたのだが、実際にこの日、生で音を聞くまではAOSISレコード、ビクターからの発売ということで、耳当たりのいいちょっとお洒落なアコースティック・ジャズ路線を予想していたのだが、この予想は見事にはずされた。

確かにアコースティック・ジャズではあるのだが、お洒落というよりはるかにハードコアな演奏だった。1ステージ目は一気にハードな演奏で突っ走り、2ステージ目は少しゆったりとした曲も織り交ぜたもののバンドのカラーは終始一貫してコアなものだった。
また、この日のステージは途中で演奏されたハンコックの「Water Melon Man」、2回目のアンコールのスタンダード曲以外は全てバンドのメンバーのオリジナル曲ばかりで、譜面を使わずに演奏されていた。
途中のMCで言っていたのだが、譜面なしで、しっかりと観客と向き合って演奏するというのがこのバンドのポリシーのようだ。
それぞれのメンバーが複雑な曲を譜面なしでしっかりと自分のものとして演奏することによってバンドとしての一体感がでていて、実力派の4人を揃えたことが生きているように思えた。

EQは誰がリーダーというわけではない双頭ならぬ4頭バンドなのだが、バンド結成を呼びかけたのはサックスの小池修とのこと。
その小池を生で見るのは何度目かなのだが、改めてみるとかなり大柄な体格だ。テナーサックスは大抵の日本人が持つと楽器に持たれているように見えてしまうのだが、小池が持つとがさまになっている。小池のサックスは、まるでその大柄な体と楽器が一体となって鳴っているかのようで、パワフルで豊かに歌っているのが印象的だった。
また青柳のピアノのリリカルな繊細な響きは小池のサックスとは対称的なようでよくマッチしていた。
それを支える、納、大坂が繰り出すリズムは切れ味がよく、小気味よい。コンテンポラリーなアコースティック・ジャズをやらせたら現在の日本で最高のリズムセクションと言ってもよいのではないだろうか。

今後も引き続きバンドというフォーマットで活動していくというEQ。これからどのような展開を見せてくれるのか楽しみだ。 (橋 雅人)



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