Michel Camilo & Tomatito Live Report


大阪ブルーノート 2000.10.23(月)2nd set 

Michel Camilo(pf)
Tomatito(accoustic guitar)

 

ミシェル・カミロの久々の大阪でのライブはフラメンコ・ギターの名手トマティートのデュオだった。最新作の「Spain」はこの同じデュオで、いままでのカミロとは一味違った哀愁味のあるサウンドを聞かせてくれていただけに、ライブではどんな音を聞かせてくれるのか楽しみでした。ギターのトマティートを観るのは初めてだったのですが、会場はトマティート目当ての女性ファンもかなりの数いるようでした。

ライブではCDとは違って(予想通りでもありますが)オープニングから、パワー全開で飛ばしてくれます。トマティーノのギターもフラメンコ独特の高速フィンガリング、鋭いミュートを聞かせたカッティング、音圧のあるコードでのきめを繰り出し、カミロのピアノとの間で絶妙のコンビネーションを見せてくれます。2人で要所要所でアイ・コンタクトを取りながら、展開される演奏はすばらしいものでした。

1曲目のタイトルは失念しましたが、2曲目は「Spain」にも収録されていた超有名スタンダードの「Besame Mucho」。これもCDのヴァージョンよりもテンションがはるかに高くてパワフルです。その後トマティート、カミロと完全なソロ演奏が続きます。私が座った席はカミロのピアノよりの場所で手元がよく見えたのですが、決めのフォルテモはスタインウェイのコンサートグランドが本当に揺れているのでは、もしくは指が折れてしまうのではと思うほどのパワーです。カミロのピアノはスピードもさることながら、以前にも増してパワーアップしたように感じられました。

締めくくりはお馴染みのスペイン。この曲でのトマティートのコード・カッティングでのバッキングが切れがよくて、かっこいい!! それに驚異的だったのはお馴染みのユニゾンでのきめのフレーズでのカミロのオクターブ弾き。あのフレーズの後半部の一番速いところまで右手の親指と小指でオクターブで弾いているのです。あまりの高速な手首の動きに目が点になってしまいました。この高速オクターブ弾き、カミロも気に入っているのか、ソロでも随所に見せていました。

そしてアンコールはリラックスした感じでトマティートがブルースのリフを繰り出し、その上でカミロがちょっとホンキートンクなピアノを弾くという曲で幕を閉じました。1時間半近くにも及ぶステージでしたが、あまりの迫力に圧倒され、短く感じたくらいでした。

ステージ終了後、少しだけ話をする機会があったのですが、今回の大阪ブルーノートでの公演は彼らのスケジュールの都合上1日だけで、次の日にはすぐにカミロはニューヨークへ、トマティートはスペインへと朝のフライトで帰っていくとのことでした。
カミロは今年1年、ツアーで超多忙でヨーロッパへは4回も行き、忙しすぎて次のレコーディングの予定は決まっていないとも言っていました。 (橋 雅人)


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トマティートのディスコグラフィー(CDNow)
ミシェル・カミロのディスコグラフィー(CDNow)

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