安藤まさひろ「GRAVITY」発売記念インタビュー


和泉宏隆、本田雅人が脱退し、難波正司、宮崎隆睦にメンバーチェンジしたT-スクェアが5月21日に「GRAVITY」をリリース。2月のメンバーチェンジ、4月のフェアウェル・アンド・ウェルカム・ライヴ、そして5月発売のアルバムについて、リーダーの安藤まさひろ氏に今の心境を語ってもらいました。

『ジャパソ』と「フェアウェル・アンド・ウェルカムライヴ」

美芽
今回のアルバムは、初回限定盤で『ジャパニーズ・ソウル・ブラザーズ』(以下『ジャパソ』と略)を歴代メンバー15人で演奏するものがついていますね。
安藤
去年ぐらいからレコード会社の人とうちのマネージャーで20周年ということで何かやりたいねと言ってましてね。わりと早くから話はあったんですよ。
でも、なにしろ大勢だからやってみないとどうなるかわからないし、レコーディングの期間も限られている。企画もののために新しくやろうと思っていることの作業が制約されるのはいやだったんです。でも結局ほかにアイデアもなかったし、ある程度予算とか時間も割けることになったので、「やろう」ということになって。でも、15人で1曲なんてやったこともないし、どういうふうに段取りしようか。曲はジャパソでいいのか、大勢だから2・3曲に分けてやろうか、といろいろ不安でした。でも、須藤君が「『ジャパソ』でいいんじゃないですか」って言ってくれたのが僕はすごく心強くかった。「そうだよね」と思ったんです。そういえば『ジャパソ』はスタジオ録音盤はなくて、ライヴ盤だけしかないし、ファンサービスにもなりそうだなと。そこで道が開けたんですよ。
美芽
『ジャパニーズ・ソウル・ブラザーズ』って、ライヴではよくやってますよね。いつごろからあった曲なんですか?
安藤
それがね、はっきりよくわからないんですよ。でも、かなり初期からやってたんだと思います。河合マイケルが知っていたから。でも、みくりやは知らなかったんですよ。みくりやは2枚目まで参加してますから、それ以降じゃないかと。僕が本当は知っていなきゃいけないんですけど(笑)。
年末ライヴでは必ずやってますね。ゲストが遊びに来ると、『ジャパソ』をやってお茶を濁す、と(笑)。
テーマ部分が他の曲に比べて短いんです。ベースソロで成り立っている曲なので、なんとでもなるんですよね。何が起きても最後はまとめられる曲(笑)。
美芽
セッション向きなんですね。
安藤
そうですね。ふつう、ジャズはセッションの音楽なんだけど、T-スクェアの曲ってセッション向きじゃないんですよ。仕掛けは多いし、テーマは長いし。そういうセッション向きの曲が少ないですよね。昔のほうがまだセッション向きの曲が多かったかな。『リッキン・イット』とか、『テキサス・キッド』とか。
美芽
『ジャパソ』はセッション向きであるっていう特徴もあって、たまたまアルバムに入らないで来たと言うことなんでしょうか。
安藤
そうですね。昔はライヴでやっているうちにボツになって行った曲が結構あったんですよ。お客さんの反応がよくないとか、自分たちで「やめようか」ってなる場合もあるし。いまは「これをレコーディングしましょう」って決めて、レコーディングしてからライヴで演奏するようになっているので、そういうことがないんですけれど。
美芽
聴いていると、ライヴとかジャズフェスに行ったようなノリを思い出しました。
安藤
もう、この前の神戸(フェアウェル・アンド・ウェルカムライヴ)なんてめちゃめちゃ盛り上がりましたよ。ビデオ録ってたんですけど、『ジュビリー』って曲、20分超えてましたから(笑)。F7一発の曲(注:F7というコードが多く使われている曲。他の調で演奏されることもあるが、この日は「F7」を使う調だったらしい)なんですけど。まさか20分いってないと思ったけれど、計ったら20分いってました(笑)。「ああ、20分間シャカシャカやってた(ギターでバッキングしていた)んだな」と。
美芽.
『ジュビリー』は、サックス2本の曲ですよね。
安藤
ええ。本田くんがバテないんですよ。彼はT-スクェアに入ったときに「伊東さんってタフですよね」とか言っていたけど、伊東さんよりタフですね(笑)。伊東さんがよく遊びに来て本田くんとセッションになると、だいたい長かったんですけど。それにしても、今回の(フェアウェル・アンド・ウェルカム)ライヴでは本田くん頑張ってましたね。「最後だから」っていつも以上に気合いが入ってるのが、ステージで横にいてひしひしと感じられました。僕なんか、メンバーチェンジのライヴっていうのがすごくあって、お客さんもそういう気持ちで来てるじゃないですか。「本田くんが、和泉くんがいなくなって寂しい」っていう人はいっぱいいるだろうし、独特なムードで見ているわけですよ。
美芽
ステージにいて、お客さんのそういう気持ちって伝わってきますか。
安藤
そうですね。僕らもそういう気持ちはあるし。はじまっちゃうと平気になってしまう部分はあるんですけど、お客さんのそういう気持ちってすっごく伝わって来るんです。特にピットインの初日なんてすごくそういうお客さんが多かったみたいで。
美芽
わたし、ピットインは2日間行ったんですけど、泣いてるお客さんも結構いて。しんみりしてましたよね。(私も1日目、『オーメンズ・オブ・ラブ』ではホロリと来ちゃいました・・・)
安藤
そうなんですよ。だから、こっちもやりながらグッときちゃって。だから僕なんかもプレッシャーがあって、「どういう顔してやればいいんだろう」みたいな。本田くんもたぶんそういうのはあったでしょうけれど、それを吹き飛ばそうとするかのような、すごく気合いの入ったプレイで。和泉くんもそうでしたね。
美芽
1日目の前半、旧メンバーでの演奏が特にしんみりした雰囲気で・・・。
安藤
そういう雰囲気はありましたね。
美芽
2日目にメンバーのみなさんが出てきたときに、「あれ、昨日と感じが違う」と思ったんです。
安藤
うん、「今日はやりやすいわ」と思いました。ぜんぜん違いましたね。なんなんでしょうね。きっと、300人いるうちの「今日は楽しもう!」っていうひとが5人ぐらいでもいると、違うのかもしれないですね。・・・だってあんなに違うんだもん。
美芽
出ていった時の客席の雰囲気って、ぜんぜん違ってましたか。
安藤
ぜんぜん違いました。今回みたいな場合じゃなくても、お客さんに助けられる場合ってかなりあるんですよ。お客さんが緊張して、シーンとしてると僕らも構えちゃったりするし。
必ずしもこうだからこう、っていう図式はないですけど。お客さんが盛り上がってると、「おおっ、なんか今日は盛り上がってるじゃないか!」って楽しくなってきちゃったりするし。あんまり盛り上がってこっちが足もとすくわれて間違えちゃったりすることもある。お客さんがシーンとしていてもこっちがノっていると、グワーっともっていけたりする。いちがいには言えないですけれど。
今回は、同じ場所でやったじゃないですか。普通そういう気持ちになるのは、地方をまわっていて場所が変わると「昨日はこうだったけれど、今日は」って感じるんです。でも、同じピットインという場所で、あれだけ違うのも珍しいですね。
美芽
友達で、東京と神戸の両方に行った人がいるんですけれど、神戸はものすごく盛り上がったという話ですが。
安藤
神戸はすごかったですね。ビデオの撮影が入っていたのもあると思うけれど、ピットインの2日目と同じような感じで。しんみりしたのはピットインの初日だけでした。
美芽
ピットインの初日って、前の五人でライヴをやるのが久しぶりという感覚はあったんですか。
安藤
ぜんぜんないですよ。ぜーんぜん、すぐ、いつも通りって感じ。和泉くんとは16年、本田くんとも7年やってるから。「あ、じゃ、これ、はい」って感じ(笑)。わりと曲もよくやっていたものが多かったし。『BAD MOON』は難しかったですけれどね。あの曲のあのアレンジはちょっとひさびさでしたけど。(注:アルバムに入っているものより、かなり複雑で転調をくり返す凝ったアレンジで演奏された)やっぱりバンドとして長いことやっているっていうのはすごいことですよね。単純にレパートリーがいっぱいあるっていうことひとつをとっても。
もう、難波くんは今、初のツアーを前にしていろんな意味で舞い上がってますからね。和泉くんって本来はピアニストですけれど、マルチキーボードプレイヤーで、16年間かけて積み上げた両手両足でキーボードを使いこなす彼独自のワザがあるんですよ(笑)。やっぱりね、1週間2週間じゃ同じようにできないみたいで、大変みたいなんです。和泉くんが16年かかって積み上げたものですから。
美芽
難波さんでも大変なわけですね。
安藤
そう。長いこと同じバンドでやってることって、単純にそういうことだけとってもすごく大きなことで、ひとつの財産だなと思います。

「GRAVITY」ツアーに向けて

美芽
今回のツアーではもちろん「GRAVITY」の曲を重点におくことになるわけですよね。
安藤
そうですね。
美芽
いままでは1曲か2曲は、ニューアルバムから演奏しないものがあったりしましたけれど、今回は全曲あるのかな? なんて思ったりしてるんですけれど。
安藤
やらない曲もありますよ。でも、メインはニューアルバムの曲です。
美芽
和泉さんと本田さんが書いたレパートリーって沢山ありますけれど、今後T-スクェアでは演奏されるんでしょうか。
安藤
ああもう、ぜんぜんやります。2人がダメっていったらできないですけど、たぶん言わないと思うので(笑)。ただ、昔の曲をやるのが新しいメンバーには大変なんで、難波くん、宮崎くんがレパートリーを徐々に増やしていくってことですね。サックスは単音楽器なのでそれほどでもないみたいなんですけど。T-スクェアって、いろんな音を全部キーボードで担当してきたから、キーボードが大変なんですよ。
美芽
弾くこと自体より、音色をつくったり、ライヴで全部いっぺんに音が出てくるように準備したりすることが大変なんですか。
安藤
そうそう、それなんです。和泉くんもアルバムが出ると、それをツアーでどう再現しようかってものすごい時間をかけて作っていたでしょう。それが16年間積み重なってるから、そんなの1週間2週間じゃできないですよね。
美芽
ツアーのリハーサルっていつごろからやってらっしゃるんですか。
安藤
ツアーのはじまる2週間前ぐらいからまとめて5・6日、それからちょっと間をあけて今日から3日間。そして前日に初日のツアー会場でゲネプロ(本番直前のリハーサル)ですね。いつもこんな感じです。
美芽
はじめは1曲ずつやっていくんですか?
安藤
そうですね、今回は昔のレパートリーを難波くんと宮崎くんと演奏するっていうのがありますから。それにまず取り組んで、それから今年のアルバムに入っている新曲をやっていきました。
美芽
ツアーで何を演奏するかたたき台を出すのは須藤さんだというお話を聞いたことがあるんですが。
安藤
ええ、だから須藤くんが曲順を考えてくれる前に「難波くんが大変そうだから、そのへんも考慮して下さい」とかいって。宮崎くんなんかは「これがやりたかったんですよ」っていうのがあったみたいで。それを須藤くんにリクエストしてたみたいですね。(ツアーではこの宮崎さんのリクエスト、ケープ・ライトが演奏された)

ニューアルバム「GRAVITY」を語る

美芽.
去年もけっこう1曲目を聴いたときに驚きましたが、今回のアルバムの1曲目「THE SEVEN WONDERS」もかなり「えっ?」という感じですよね。インド的な要素がかなり取り入れられていて。
安藤
ビートルズのギタリストでジョージ・ハリスンっていう人がいて、インド音楽に傾倒してたんです。『SOMETHING』って曲知りませんか? 60年後半から70年頃で、当時ロックにインド音楽を取り入れるといっても、サイケデリックな感じがあって、カッコイイっていうよりは「なんじゃこれ。変なの」という。あやしい感じでしたね。
最近エアロスミスが「ナイン・ライブズ」でインドの要素を取り入れているのって、絶対にそのころのビートルズの影響なんですよ。そういうのをちょこっ、ちょこっと使うのがすごく新鮮でカッコよく聴こえたんです。他にもいくつかそういうのを耳にしていたんですけど。特にいま、そういう民族音楽的なアプローチって多いでしょう。
美芽
パット・メセニーの「イマジナリー・デイ」とか・・・。
安藤
あれもね、シタールじゃないけれどそれっぽい音色とか、ガムラン音楽が出てきたり。民族音楽的なアプローチって、すごくイマジネーションをかき立てるっていうか、音だけで非現実の世界に誘われるというか。そういう部分があるじゃないですか。それってすごく重要で、音楽の持っているエネルギーのひとつ、魔法だと思うんです。例えば本を読んだり、映画を見てガーンと引き込まれることもあるけれど、音楽にもそういうマジックがある。そういうものに憧れるかな。価値を見いだしますね。カッコイイなと。
美芽
シタールの音色はギターで弾いたんですか?
安藤
あれはシンセです。
本物のシタールを演奏するのは難しいですよ。インド音楽って音階が12じゃなくて、半音の間の間があったりするんですよね。それと、「ミョーンミョーン」っていつも鳴っている共鳴弦があって、それでキーが限定される。フュージョンみたいに転調する音楽に使うのは、難しいんじゃないかな。野呂くんは一時フレットレスギターを使ってましたね。あれって、フレットがないので、フレットと指で押さえた間で、震動するんですけれど、それがちょっと「ミョー」ってなるんです。
エレクトリック・シタールっていうのもあるんです。それは別にシタールじゃなくてただのエレキギターなんですけど。普通のギターはブリッジの上に弦が乗っていて、「ビーン」って震動するんだけど、エレクトリック・シタールは平らなもののうえに弦がのっているのでフレットレスギターみたいに「ミョーン」っていうんですね。それでシタールらしい感じの音色になる。「あ、これは欲しいな」って買いそうになったんですよ(笑)。レコーディングでは使わなかったんですけれどね。
美芽
「THE SEVEN WONDERS」はいつ頃作曲したんですか。
安藤
去年の春ぐらいですね。ツアーに出る前、4月ぐらいだったかな。別の仕事があってそのために書いた曲なんです。でも結局使われなくてお蔵入りしちゃって。それを今回のアルバムのための曲を書いているときに引っぱり出してきて、「あ、これちょっと変えたらT-スクェア用になるな」と。
美芽
どういうところを変えるとT-スクェア用になるんですか。
安藤
ギターとサックスで演奏するために、ちょっとメロディーを変えたり。あとは最後にガーッとギターソロを入れるといった形にアレンジを変えました。
美芽
引っぱり出してきた時期というと、いつごろなんでしょう。
安藤
11月頃かな。そのころからぼちぼち準備をはじめてたので。
美芽
今回は6曲作られたわけですよね。他の曲はいつごろ作曲なさったんですか。
安藤
11月ごろですね。

それぞれのギターを生かして

美芽
今回のアルバムは、ギターが結構活躍してますよね。
安藤
えっ? そうですか?
美芽
レスポールを使った「PRAISE」とか、ラリビーを使った「AWAY FROM HOME」とか・・・
安藤
あんまり意図的にそうしてるつもりはないんですけどね。いつもそうなんですけど、だいたい僕らってデモテープの段階ではワンコーラスしか曲がなくて、それを聴いて「あれがいい」「これがいい」とかいうんですよ。
だから実際に1曲の形にどうやって構成していくのかは、レコーディングのリハーサルで決まるんです。そこで譜面を見ながら演奏して、「あ、ここギターソロにしよう」「ここはサックスのソロにしよう」って言いながらリハーサルが進行していって。
そして気がついたら「ちょっとサックス多くない?」「ピアノソロがないよね」「じゃあこれはやっぱりギターソロじゃなくてピアノソロにしよう」とか言いながら割り振りが決まっていくんですけどね。今回なんだか、「じゃあギターソロかなあ」「難波くんソロね」とか、ギターが多いとは気がつかないままに進んだってことなのかな。
美芽
曲の個性とギターの種類が対応していて、興味深かったです。やっぱり曲の数だけギターも使うっていう感じなんでしょうか。
安藤
そうですね、でもいつもいろいろやってるんですけどね。ガットギターを弾いたり、スチール弦のアコースティックギターを弾いたり、エレキでも箱になって中が空洞のジャズっぽいもの、ソリッドのもの・・・。でも、使い分けていろいろやってもあまり報われないことが多いです(笑)。
美芽
えっ? それはどういう意味でしょうか?
安藤
たとえば本田君の曲だったりするとね、あの人はやたらと音を入れるんです。
「安藤さん、ここはフォークギターでジャカジャカやってください」
「えっ? こんなに音がいっぱい入ってるのにやるの?」
「是非入れて下さい」
それで1曲、5分ぐらいガアーッとやって。
「安藤さん、それ、もう一回やりましょう」
と、ダビングするんです。「ああ、難しかった・・・」それでミックスでバランスとってみると、そうやって弾いたものが何も聴こえなかったりして。そういうことは結構ありました(笑)。
美芽
今回レコーディングでお使いになったギターについて、解説していただけないでしょうか。「AWAY FROM HOME」でお使いになっているのは、ラリビーですね。
安藤
そう、メセニーみたいな音のするギターですね。鉄の、スチール弦のアコースティックギターです。「PRAISE」は54年のギブソンのレスポールですね。
美芽
このギターは、いつごろからお使いになってるんですか。
安藤
これは去年の春ごろに買ったんですけれど、古い楽器なのでいろいろ調整しないと使えなくて。フレットが減っちゃっているのを直したりして、使えるようになるまで時間がかかるんです。使いはじめたのは最近ですね。
でも使うにしてもいろいろ大変なんですよ。今のギターだったらチューニングにしても精度の高いパーツがついているから、ビシッと合う。でも古い楽器はそれに比べるとチューニングしていてもなかなか合わないんですよ。レコーディングだと「ちょっと待って」って時間がとれますけど、ライヴだとパッパッとやらなきゃいけない。そういう意味ですごく不便なところはありますね。やっぱり今、いろんな意味ですべてのレヴェルが上がっているから。
ツアーには持っていこうと思ってるんですけれどね。チューニングの問題とかあるので、ポシャる可能性もあるんですけれど。
美芽
則竹さんの曲「ONE STEP BEYOND」では、はじめのメロディーをギターが弾いてますよね。
安藤
あれはね、オベーションのスーパーシャロウ。(ボディーが)薄めのナイロン弦のギターです。
美芽
「EXPLORER」のギターソロは。
安藤
あれはモリダイラのエアークラフトです。
美芽
それは、去年登場した白い「安藤モデル」ですか?
安藤
それじゃないんです(苦笑)。それと、すとちゃんの3曲目(「MS.BRACING」)ではギブソンの335っていうセミアコースティックギターを使ってますね。
美芽.
いろいろ使われるんですね。
安藤
最近使えるようになってきたんです(笑)。昔は「僕はこの1本」、理想のギターが1本あったらあとはいらないというのを目指してたんです。だからほとんどエアークラフトの白いギターでやっていた時期もあったんです。
でもやっぱりT-スクェアはいろんな曲があるし、僕もいろんな音楽が好きだし。1本でまかなうのは無理だとわかってたんです。それでもなんとなく、「弾きごこち」的な問題もあるし。いろいろ難しいんですよ。特にフェンダーとギブソンでは、フェンダーは弦が長くて、ギブソンのレスポールは短いんです。そうすると、普通に弾いている場合はいいんだけれど、チョーキングなんかするとね。音程をとると全然違うんですよ。急に持ち替えるとすごく抵抗があって。
技術的に難しいっていうのと、1本だけでやりたいという理想があったので、昔はあまり持ち替えはやらなかったんですけれど。でも、最近はスタジオミュージシャンがやるように「この曲はこのギター」って使い分けたほうが面白いなと思うようになりました。不器用さがカッコいいみたいな部分もある。でも、器用さがあるのもカッコいい。
どっちがいいとはいえないんですけれど、今は気持ち的にいろいろなギターを持ち替えて音を作るほうがカッコイイかなと。
美芽
ツアーでもいろいろギターは使う予定なんですか。
.安藤
やっぱりね、限定されます。絞らないと。
美芽
でも、ガットギターで弾いた曲を普通のエレキギターで弾いたりはしないんですか?
安藤
そうですね、ガットギターの曲はガット弦のあるエレアコを持っていくと思います。

新メンバー、そしてプロデューサーとしての難波正司

美芽
難波さんについてうかがいたいんですが。今回プロデューサーとして参加しているということで。今までプロデューサーってどなたがやっていらしたんでしょうか?
安藤
いや、プロデューサーがいたっていうか、ずっと僕らはセルフプロデュースだったんですよ。特に音楽プロデューサーを入れたことはほどんとなくて。
1回だけ、アルバム「NATURAL」のときにラス・フリーマンがやりました。そのときは本当にいわゆるプロデュースで、曲をラスが書き換えたり、かなり手が入りましたね。ただ、全曲じゃなくて半分ぐらい。だからプロデューサーが入るのは2回目です。
美芽
プロデューサーって、イメージ的にはなんとなくわかるんですけれど、具体的に何をするんでしょうか。
安藤
僕もよくわからないんですよ。僕もよく「プロデュース 安藤まさひろ」とかあるでしょ。何やったんだっけ・・・、っていうことがよくあって。すごくとらえどころのない部分が大きいんです。
「NATURAL」のときは曲もラスとの共作になりましたし、メロディーを変えたりコードを変えたりして曲を変える、ラスがアレンジもしたし、ホントに音楽プロデュースって感じですよね。自分がリーダーシップをとってレコーディングしていくわけです。
 でも、今回難波くんは曲選考をまずやったんです。そこに僕も参加したんですけど、自分が10曲あってその中の8曲を選ぶのは何とでも言える。だけどT-スクェアの場合は人の曲も入ってきて、言いにくい、言えない部分があるんです。僕も
「いいんじゃないんですか」
って言ってるけど、基本は難波くんが決めて、リハーサルではこの曲をやりましょう、と進行をやってくれた。仕切るっていうよりは、いわゆるムードメーカーなんですよ。
「大丈夫。これでいいんじゃないか」
って言ってくれることで、みんなが安心する。具体的に彼は
「ここはこういうコードでこうやりましょう」
とは一切言わななくて、それは自分たちで決めていくんです。ラス・フリーマンが僕らの前に立っていたのに比べると、ずいぶんうしろのほうから見て
「うん、いいんじゃないんですか」
って言ってくれる感じですね。
美芽
大まかな方向を決めていくみたいなイメージですか。
安藤
そうですね。
美芽
則竹さんがドラム・マガジンの取材で
「伊東さんが辞めて、アバウトな人がいなくなっちゃった、難波さんが来てまた昔に戻った」
とおっしゃってるんですけれど、そのへんどうですか。

安藤
すっごくありますね。僕と本田くんってすごく似てるところがあって、「きっちりしたいな」というのが強いんです。彼は僕の数倍上を行ってますけど(笑)、でもそこは似てます。
和泉君もわりと設計図があって、それに乗ってという感じというタイプ。
のりちゃん(則竹裕之)も実はめちゃくちゃキチッとしてて、もしかしたら本田くんよりも上をいってるかもしれない。
すとちゃん(須藤満)が一番アバウト、大きな見方ができる。そういうバンドだったんですよ。
美芽
細かい部分の完成度に、かなり神経を使っている部分はあったわけですか。
安藤
そうです。そういうところにものすごく神経がいっていました。1ミリずれてもイヤだ、みたいな。そこから考えると、難波くんはすごくアバウトなんですね。
美芽
アバウトというと、細かいことより先に大きなことが気になるということですか。
安藤
そうですね。細かいところを見はじめると、そこばっかり耳がいっちゃうんですよ。気にしはじめたら、いくらでも気になるところがあるじゃないですか。そうすると、演奏とか曲を一歩引いて、客観的に見られなくなっちゃう。楽しい曲だったら楽しそうとか、悲しい曲だったら悲しそうとか、全体の持っている勢いが見えなくなっちゃうんです。そういうところが見える人っていいですよね。
僕は2〜3年経ってやっと自分の音楽が客観的に見えてくるんですよ。「この頃元気あったなあ」「この曲はイヤだと思ってたけど、なんかいいじゃない」とか。
自分が演奏してると、「ちょっとギターがリズムから遅れたかな」と一瞬思うじゃないんですか。プレイバックを聴いて「あれ? 大丈夫だな。これならいける。」でも、どこでそう思ったかは自分の記憶の中に鮮明にあるわけです。ミックスしてるときに「やっぱりあそこ、遅れてるような気がするなあ・・・」とまた思い出したりする。
何年かたつと、そういうのを全部忘れちゃうから客観的に聴けるんです。「バッチリじゃん」とか「ここ確かに遅れてるわ。でも、これなら大丈夫だよ」と思える。
美芽
ということは、今回難波さんが曲を書かないでプロデュースをしたというのは、いい方向に働いたわけですね。
安藤
と、思いますよ。自分の曲を書くと、僕らと同じ状態になっちゃうと思うんです。そうすると一歩引いてみられない、ってなっちゃうかもしれないですから。
美芽
それは結果としてそうなっただけであって、今回旧メンバー3人で曲を書いたというのは、時間的に間に合わなかっただけなんですか。
安藤
そうですね。レコーディング直前にこのふたりに参加してもらうことに決まったので、曲を作っている時間がなかったんです。僕や前からのメンバーは、もっと前から曲を書いてましたから。
美芽
じゃ、前のおふたりが辞めると決まってからメンバーが決まったわけなんですか。
安藤
そうです。ただ、難波くんは、きわめてプライベートな話なんですけどT-スクェアのプロデュースをやらせてくれっていう話は前からあったんです。みんなには言ってなかったんだけど、ぼくは是非お願いしたいなと思ってました。でもそのときはプロデュースっていう話だったんです。
美芽
年末ライヴのときには、そういう話は出ていたんですか。
安藤
いえ、まだ出ていなかったです。
美芽
年が明けて、デモテープを各自作っている頃にそういった話になったんですか。
安藤
1月中旬ぐらいですね。いつからレコーディングっていうのがはっきり決まってなかったんですよ。本当の予定だと、今回のアルバムのレコーディングはヴィレッジレコードのスタジオが完成したらそこでやる予定だったんです。それがのびのびになっていて、今だにできていなくて。

本田雅人の退団

美芽
和泉さんが辞められるというのは、ソロピアノのアルバムやコンサート関係の取材で「ピアノに専念したい」というお話を聞いてましたので、「ああ、そうかもなあ」とあんまり驚かなかったんです。でも、本田さんが辞められるというのは理由が思い浮かばなくて。
安藤
結局、本田くんってすごく才能豊かな人で、レコーディング前に何十曲と作ってくるんですよ。でもT-スクェアのアイデンティティっていうのには僕の曲が入っていないと、現時点では柱にならないっていうか、そういう部分があるんです。だからアルバムに入る曲の選考会のときには僕の曲を何曲か入れますよね。そうするとそれ以外のメンバーの曲が、割り振っていこうとすると、どうしたって1曲か2曲になる。
レコーディングで1回にやっていこうとすると、8〜9曲が限度なんです。期間や予算があればもっと曲は増やせるんですけれど、どのぐらい売れるっていうことから予算は決まってきますから。そうすると、何十曲も書いて1曲2曲じゃ、僕もよくないと思っていたし、彼のあふれんばかりの才能が出し切れない部分が出て来ちゃったと思うんですよ。
T-スクェアって忙しくないから、ソロでやる手もあるんですけれど、バンドに使うエネルギーってすごく大きくて、なんだかんだと引っ張られるんですね。時間を割かざるを得ない。それ以外でソロでやろうとするとものすごいエネルギーが要る。
そういう意味で、ひとりになってやっていけばずっと自由がきくと思うし、今の本田くんの勢いだったら、T-スクェアのいいライバルになると思うんです。やっぱりそこが大きな原因かな。
美芽.
今回になってメンバーチェンジという形になったわけですけれども、そういう構造的な問題は以前からあったわけですか。
安藤
そうですね、なんとなくこのままだとみんな・・・、和泉君も完成した曲を書く人だし。バンドって「俺達いっしょにやろうぜ」っていって意気投合して集まる場合と、T-スクェアってバンドがあってみんなが曲を書いてやっていくっていう場合とあると思うんです。その中になんていうんでしょうね、あまりにも濃い色が複数ガーっと出て来ちゃうと、どうしても濁って来ちゃう。
でもそういうことがあったからといっても、喧嘩したとかいうのは全然なかったんです。それこそ伊東さん時代にはありましたけれどね。「てめえ、バカヤロー」みたいな(笑)。逆にそういう発散がなかったのが良くなかったのかな。これでいいのかなあと思いながらみんなが来てしまったというか。
美芽
決断するきっかけはどんなものだったんですか? やっぱり、退団するといっても、あとがいないと難しい面もありますよね。本田さんに辞めてもらうといっても宮崎さんの存在は頭の中にあったわけですか。
安藤
宮崎くんて何年か前から知ってたんですけれど、会う度にだんだんうまくなってたんです。万が一本田君が辞めた場合なんかは、もう彼しかいないだろうなというのは、ありましたけれどね。
美芽
宮崎さんのプレイを聴く度に、そういったことはどこかで考えていた部分もあるわけですか。
安藤
っていうか、他にいないですよね、実際。ただ、技術的にいったら本田君は日本でも本当に最高峰だと思うんです。もちろん音楽は技術だけじゃないですけどね。だから、彼のあとっていうのは大変ですよね。
美芽
安藤さんとしては宮崎さんのどういうところが「いいな」と思われたんですか。
安藤
技術的なことを言ったら、本田くんの後を継ぐ人はいないから。僕は伊東さんと長い間やっていたのもあって、あったかい音色みたいなのが好きなんですよ。宮崎くんて、そういう意味で音色がいいんですよ。あったかい音色してるんです。
本田くんのようなフレキシブルな感じじゃないんですけれど、バラードやったりとか、ソロなんかやると。そういうところすっごい好きですね。
美芽
そのへんが決め手になったわけですか。
安藤
そうですね。今回のアルバムで『ジャパソ』って曲あるでしょう。3人出てくるじゃないですか。そのときに改めて思ったんですが、ほんとに本田くんはリズムもビシビシしてて、すごい速吹きで、「ウワーッ!」っていう感じ。伊東さんは粘っこいというかソウルフルな感じ。
ちょうど宮崎くんはその真ん中にいて、バランスがとれてるんです。ふたりが悪いって言うんじゃないんですよ。それぞれいいんだけれど。いい感じだなあと思いましたね。
美芽
今回のアルバムって、サックスがそんなに目立ってないなと思ったんですよ。メロディーがきこえたら、ああサックスがやってたんだ、みたいな。則竹さんがドラムマガジンで「溶け合うような音」にしたかったとおっしゃってるのはそういうことなのかなと思ったりしたんですけれども。
安藤
なんにも目指してないんですけど(笑)。そういう感じになったんでしょうね。
だいたいT-スクェアっていつの頃からかわからないけれど、曲があると、メロディーがあってソロがあって、最後にコーダにいって、えんえんサックスソロになって、というのがもうほとんどのパターンなんです(笑)。
なんでそうなったかというと、僕らはインストゥルメンタルのバンドで、もともとジャズプレイヤーを目指していた人が集まってるんで、どこかで自由にアドリブをして解放したいっていう思いがあるんです。
でも、僕の曲って歌ものみたいABCがはっきりしていて、自由になる部分が少ないんですよ。自由になる部分は最後のフェードアウトだけで、死ぬほどリピートしてソロをやって発散するっていう図式ができちゃった。これはよくないなと。
美芽
そういえば、そういう曲があまりないですね。
安藤
後半があまり長くならないように、とか、あんまりフェードアウトはしないように、っていうのが流行っちゃったんですね。リハーサルでも誰も「こうしよう」って言わないんですけれど、みんな「ジャラーン」って終わってたんです。

オットットリオレコーディング計画

美芽
オットットリオのレコーディングがあるという話が。
安藤
是方くんの提案なんです。レコーディングが8月までに終わらせて、どこかからアルバムを出して、秋にライヴを・・・。
美芽
えーっ! それはすごい〜!!
それと、最近はまってるCDとかあったら教えて下さい。

安藤
超オススメでもないんですけど、結構良かったのがジョイス・クーリングっていう女性のギター弾き。リズムがとにかくめっちゃめちゃ心地よいんです。おすすめかな。スムースジャズになるのかな。
あとは全然毛色が違うんですけれど、ストーン・エイジっていうグループ。癒し系っていうか、ケルト音楽みたいな感じです。いま、則竹くんと僕のあいだで流行ってるバグパイプの音がフューチャーされてます。
美芽.
則竹さんの「THE FOREST HOUSE」って、ちょっとピーター・ガブリエルみたい・・・と思いました。
安藤
のりちゃんのかく曲って、そういう・・・なんていうんですか、「フワーーーッ・・・」としたのがありますよね。
美芽
ええ、本当に。
あっそうそう。ザウルスをお買いになったという噂をきいたんですが。

.安藤
あれ、いまいちですね。ポケットザウルスなんですけど。パワーザウルスならいいのかもしれないけど。ホームページでも動いている絵が見られなかったり、再生できない音がいっぱいあって。自宅のマックがインターネットにはつながっているので見ればいいんですけど、ほとんど見ないですね(笑)。遅くて。ISDNをひかないとダメなのかな。絵が少しずつ出てくるのはストレスで。
美芽.
ニフティーサーブのT-スクェア会議室のほうはどうなんでしょう。
安藤
このまえレコーディングをやっている最中に、メンバーチェンジが発表だったんです。「今日発表だぜ」ってみんなビクビクしてたんですよ。ちょうどそのときにザウルスを買って、携帯電話で見たりしてたんです。ちょっと怖い意見もありつつ、でも、あったかい意見もありつつ、「まあ、いろいろだな」って感じでしたね。ふだんはあまり見ないんですけど、そのときはたまたまザウルスを買ったので「見れるぞ」という感じで。ニフティサーブというのは便利ですよね。
美芽
ニフティーサーブに安藤ファンの集う「安藤さんの花園」っていうのも、あるんですよ。
安藤
えっそうなんですか? 僕もときどき見ているってファンの人に話しちゃったから、みんな遠慮して書かなくなっちゃったんじゃないかと思ってたんです。
美芽
うーん・・・。メンバーの方が見る可能性もあるっていうのは多少気にする人もいるかもしれないですけど、そんなには影響ないんじゃないかとは思うんですけどね。
安藤
ツアー先でファンの人と移動の電車で会ったりして「サイン下さい」なんてときに、「わたしニフティで書き込みしてるんです」っていう人には会うかな。「みんな勝手なこと言ってるよね」とか言っちゃったことがあって。でも、楽しそうでいいですね。
美芽.
アルバムが発売されたら、またあちこちで盛り上がると思いますけど。
安藤
そうだ、まだ発売されてないんだ。すごく前に作った気がするのに・・・。

苦労したこの半年間

美芽
アルバムを聴かせていただいて、メンバーチェンジの話と同時にアルバムが聴ければファンのほうもメンバーチェンジに対してショックが違ったんじゃないかなと思いました。
安藤
本田くん、和泉くん・・。ほんとうに、大事な柱だったじゃないですか。
それを欠いてしまって、果たしてそれでほんとうにやっていく価値があるかなあと、僕、思ったんですよ。そういうメンバーだからこそT-スクェアとしてやってきたんじゃないのかなあと思ったりする部分もあって。
その2本の柱がなくなって、こういうバンドだから継ぎ足せば形にはなる、曲も書ける、演奏もできる。ロックの人が大事なヴォーカリストがいなくなってダメになるとか、そこまでのものでもないから、やればなんとか続くでしょう?
 でも、大事な柱を欠いて、続ける意味があるのかな・・・。まだ、ホントのことを言うと答えはまだ出ていないんですよね。
美芽
安藤さんは、そんな心境だったんですか・・・。
安藤
いや僕は、すごく悩みました。本当にこの半年ぐらい。
今回はそういうの、ありましたね。売れない頃はいっぱいメンバーチェンジがあったんですよ。初期の頃とか。メンバーを探すのに「そんな金にならないバンドやりたくない」なんて人がいっぱいあるから、そういう意味で辛いものがありましたけど。だけど売れてないからメンバーが変わっても影響が少なかったんです。
今回のようなことはなかったですね。
美芽.
でもまあ、辛い時期がやっと落ち着いたかなという感じですか。
安藤
こういう形になって、この前も無事にいっしょにライヴできて、お互いにわだかまりを残さずにそれぞれの道を歩き始めていますから。よかったのかなとは思ってるんですけれど。
しょうがないですね、こういうの(メンバーチェンジ)は。わかってくれる人はわかってくれるし。やっぱり本田くん和泉くんがいないとイヤだっていう人は本田くん和泉くんを応援してもらえれば、それでいいと僕は思うんです。
でも、考えようによっては本田くん、和泉くんが消えてなくなるわけじゃない。細胞分裂のように増えていって、たとえば本田くんがバンドを作ったら新しいメンバーが入ってまた応援する人が増えるかもしれないし、そうなっていくと一番いいかなと思います。
美芽
7月には野音で今までのT-スクェアのメンバーが勢揃いするというライヴが予定されていますよね。
安藤
野音ねえ(笑)。過去のメンバー全員は呼べないんですけれど、来てくれた出演者で、時期を分けてやるようになると思うんです。
美芽
じゃ、その時期のT-スクェアを再現みたいなことはあるんですか。
安藤
できればやりたいなと。
美芽
それは面白いですね。楽しみ!!
安藤
面白いのはいいんだけど、僕だけいっぱい出なきゃいけないんだよね(笑)。
美芽
これからツアーのほうも、全国まわられるんですよね。
安藤
良い結果が出るようにがんばりますので、温かい目で見守って下さい。

インタビューを終えて

今回の取材はツアー直前、リハーサルの真っ最中。安藤さんだけひとり早くリハーサルのスタジオに来ていただいて行いました。CyberFusionではいつも撮影をさせていただいてましたが、今回はスケジュールの関係で撮影はなし。そのせいか安藤さんはポロシャツとジーンズというカジュアルないでたちで、ふだんの安藤さんはこうなのかな? などと考えちゃいました。
 今回、メンバーチェンジ関係の質問はやっぱりはずせません。
話しにくい話題だったと思うのですが、安藤さんはひとことひとこと誠意をもって答えてくれたと感じています。これだけ話してもらって、私としてはずいぶんスッキリできました。読者のみなさんはいかがでしたか? 何はともあれ、これからも今後のT-スクェア、そして和泉さん、本田さんの音楽を聴いていこう・・・いまはそう感じています。

Interviewed by Mime
写真提供・協力 Village-A
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