Side Steps Interview

田村篤信伊東弘彰岩井弘一府川一郎

28800bps MonoISDN Stereo
新装開店になりました CyberFusion ですが、今回の新装に合わせまして公式デビューを果たし、その曲と演奏のクオリティの高さでフュージョンファンを狂喜させた注目のグループ『Side Steps』にお願いしましてテーマ曲を作っていただきました。お聴きいただけましたでしょうか? (^-^) 今回はフロント・ページの28800bps対応のモノラル版に加えISDN対応の高音質ステレオ版も用意しました。
ここでは Side Steps のカンタンな紹介と今回作っていただいたテーマ曲に関する紹介・Q&Aを掲載いたします。
Side Stepsは元々は早稲田大学のフュージョンサークルのメンバーを母体とするバンドとして出発し、数枚の自主制作盤の作成や定期的なライブ活動を行ってきましたが、今年(98年)にフランスのMUSEAレーベルから公式にデビューし、その凝っていながらも聴きやすいイキの良いサウンドでコアなフュージョンファンのみならず新規にもリスナーを獲得している急成長バンドです (^-^)
メンバーは、

田村篤信(G):SideStepsのリーダーです。素晴らしいテクニックに裏打ちされたインテリジェンスの高いギタープレイを見せてくれます。そしてコンポーザとしても芯の強い魅力的な良い曲を数多く作っています。

伊東弘彰(K) :SideStepsサウンドのツボはこの人、伊東氏。繊細にして大胆な、そして多彩な音使いで曲・演奏の空間をキメます。コンポーザとしてはトリッキーな作風ですが、とても中毒性の高い危険な曲を輩出します (^^;

府川一郎 (Dr):現代に蘇った雷神、府川氏のドラムはまさに一打入魂のパワフルさとエネルギーに満ち満ちたまばゆい光彩を放ち、特にライブでは圧倒的な火力・破壊力がアツい感動を呼びます。残念ながら今回は都合により不参加になってしまいましたが誰もが彼の迫力のあるドラムを待ち望んでいます。

岩井弘一 (B):時にバキバキスラップの鬼としてリスナーのドギモを抜き、時にメロウで美しいラインを奏でるSideStepsの屋台骨はこの岩井氏。愛らしい外見とはウラハラな実にホネのあるプレイで魅了するベースの実力者。府川氏との『落ちのない漫才 (^^;』も楽しいキャラクタの人気者。

という構成です。彼らのHPも楽しいので是非ごらんください (^-^) そして、以下は今回このテーマ曲作成に関してSideStepsのメンバーみずからに ご回答いただいたQ&Aです。
Q1:
このテーマ曲はどなたの作曲によるものですか?
伊東:
SIDE STEPSの曲はリーダーの田村さんと僕とで書いているんですが今回は、僕が担当させていただきました。
Q2:
(作曲者の方へ)イメージとしてはどういったものを想定していましたか?
伊東:
この依頼を橋さんから頂いた際に「トップページなので派手に」というコメントがあったので、とにかく派手めな曲にしようと思いました。この曲にたどり着くまで数曲創ったのですが、その時は「サイバーな曲に」とか「POPな曲に」とかいろいろ試行錯誤しました。が、それらはSIDE STEPSらしい曲に仕上げることができなかったので、それじゃあせっかく「SIDE STEPSに」とお願いしてくださった橋さん達に申し訳ないので、結果的にストレートでイントロも比較的キャッチーでSIDE STEPSの持ち味が生かせそうなこの曲を選びました。
Q3:
(同)苦労した点、あるいは『ここが聴きドコロだっ!』というのがあったら教えてください。
伊東:
これも橋さんから依頼された際に言われたことなのですが「演奏時間は3〜5分で」という制約です。僕がSIDE STEPSに普段書く曲は7分以下のものは無いんです。もちろん、トップページの音楽なので、むしろジングルっぽいものでも良いくらいなのですが、短い演奏時間の中でSIDE STEPSの各メンバーのキャラクターを発揮できる部分をいかに創るかということと、展開し続ける曲への反応という意味でのSIDE STEPS自体の柔軟さをどうしたらリスナーの方々に感じていただけるかということを曲に練り込むのに苦労しました。なのでバックミュージックなので耳に障らないように、なんてことは全く気にせず創りました(^^; あとは、こんなアクセス数の多いページに載せていただくということもあり、「なんだこのつまんない曲は!」と罵倒されたらどうしようというプレッシャーの中での作業が、苦労というか辛かったです。実質5月のライブが終わってから取り掛ったので持ち時間も短くて。1回聴いただけで見切られるアレンジでもだめですしね。せっかくのTITLE SONGですから。聴きドコロは、まずは各メンバーのソロですね。一見複雑にみえる展開の曲かもしれませんが、自由度は高いはずなので。短期間で田村さんも岩井もよく「自分のプレイ」をしてくれてると思います。作曲者の立場から敢えて言えば、後半、キーボードソロとドラムソロの間にある、たった8小節しか出てこないサビ(ギター)、でしょうか。
Q4:
(皆さん)プレイヤーとして『ここを聴いてくれっ!!』という個所があったら是非教えてください。あるいは『ここはちょっとゴマかしちゃったい(^^;』というのも(あれば)お願いします。
岩井:
うーむ、聴き所ですか。僕のPCでは音が聴けない(泣)ので聴いていないのですが、Bassは高音のプル(弦を引っ張る"ペキ"という音)しか聞こえないとのことですので、Liveに来てくださればもっと細かいフレーズ(でもSSにしては細かくないですが・・)を弾いているということを理解していただけるかなと思います(と、さり気なく宣伝)。
田村:
うーん、やはりギターソロでしょう。通常のレコーディングだとソロは 事前に作る事が多いのですが、今回はほとんどアドリブです。 (一個所だけキメフレーズあり)
伊東:
キーボードにとっては簡単な曲なので『ここを聴いてくれっ!!』というほどの部分はないですね。むしろアンサンブル全体で聴いていただければ、と思います。
Q5:
皆さんそれぞれ、この曲にタイトルをつけるとしたら何とつけますか?
田村:
自分の曲にすら満足にタイトルをつけられないワタシには無理です(^^;)
岩井:
それは勿論「F○○○○ M○○○」でしょう (フュージョン・マニア?>字余り)。
Q6:
今回使用した楽器・エフェクタは何ですか? また、『独特のセッティング』とかもあれば(企業ヒミツに抵触しないくらいに)お聞かせください。
田村:
楽器:MOON ストラトタイプ (特注)、Roland GP-100(マルチエフェクツ、プリアンプ)、Sony R7(リバーブ)
岩井:
楽器はサドウスキ('87年)の4弦です。エフェクタはdbx163xというコンプレッサのみ。フレーズ的には完全に6弦向きなのですが、スラップ(チョッパー)の箇所があるので4弦を使っています。独特のsettingは(残念ながら)ありません。弦はどこかの1set800円の激安弦(^^;)、レギュラーゲージ(45-105)最近コレに変更しました。
伊東:
エレピはRoland RD-1000です。音源は今回、主にRoland JD990、ブラスでU220とOberheim Matrix-6Rを使ってます。FM音源やEWIの出番はありませんでした。 鍵盤はRoland AXIS-1とProphet2000を使いました。キーボードパートについては、SEQUENCERに録音して補正は無しです。
ドラム音源はRoland R-8Mです。ドラムの打ち込みはドラムマシンでBD,SNARE,HH(SHOT),TOMSを打ち込んだものをシーケンサーに流し込んで簡単な補正をし、CRASH,RIDE,SPLASHの各シンバルとHH(FOOT)は鍵盤でリアルタイムで手打ちして入力、補正しました。 このデータでR-8Mを鳴らしています。
SEQUENCERはYAMAHA QX-1です。今回はMTR(GUITARとBASSが録音)とTAPE SYNCしなくてはならなかったので、持ち駒の中では選択肢が他にありませんでした。MTRはTASCAMの464を使っています。それしか持ってないので(^^;
エフェクタはYAMAHA REV7,Roland DEP-5,BOSS SE-70,BBE 442Aを使用しました。
Q7:
それから今回、ドラムの府川さんのパートが打ち込みになっていますが、これによって影響があった部分があったらお聞かせください。
伊東:
僕の睡眠時間と休暇が削られました(;_;)冗談はさておき、SIDE STEPSは4人揃ってしはじめてSIDE STEPSなので本来のこのバンドの美味しい部分は75%以下しか出ていないのではないでしょうか。(まあ、僕のドラムの打ち込みが下手だという所為もありますが(^^;)是非ライブで120%(!)のSIDE STEPSを聴いて頂きたいですね。
田村:
リズムマシンには府川特有のドライブ感というものがないので 合わせづらいですね。
岩井:
「vs打ち込み」は得意なのですが、やはり4beatの箇所はノリ的にキツイです。あとは、「僕に合わせてくれない」ことですか(笑)。やっぱりナマがいいですね。この意味でもLiveは見逃せません。
Q8:
この曲をライブで演奏、またはCDに収録する予定はありますか?
伊東:
次回のライブ(1998/10/25 SUN at 吉祥寺SILVER ELEPHANT)では演奏することになると思います。CDについては、次回新譜用の曲が出揃ってこないと決定できないですが、ライブやCFでの評判が良ければ(!)収録することになると思います。
CyberFusionも新装しましてスタッフ一同キアイが入っているトコロに新テーマ曲を快諾していただき、当記事の作成にもご協力いただいた SideSteps の皆様には改めて感謝いたします m(_ _)m
今後とも CyberFusion をお引き立てのほど、お願いいたします。


編集部注:

フロントページ及びこのページで流している28800bps用のリアルオーディオのデータはSide Steps作成のマスター・テープをモノラル化してノーマライズした上でリアルオーディオでの音痩せを補うためにコンプレッサーをかけて処理しています。またISDN用のデータはノーマライズのみしていますので、よりオリジナルに近いものとなっています。

Interviewed by Toshitake Ozutsumi
Photography by Natsumi Miyamoto
Copyright 1998 by CyberFusion