ドン・アライアス インタビュー



ドン・アライアスはフュージョン界きっての売れっ子パーカッション奏者で、過去マイルス・デイビスの「ビッチェズ・ブリュー」、ジャコ・パストリアスのワード・オブ・マウス・バンドなど歴史的なバンドにも参加、現在もデビッド・サンボーン、マイケル・ブレッカー、ロバータ・フラックなどのバンドに参加しながら自己のバンドストーン・アライアンスでも活動しています。今回は97年12月にシアトルのジャズクラブ「ジャズ・アレイ」にマイケル・ブレッカー・バンドの一員として参加した彼にインタビューしました。

MH(橋)
最近の活動について聞かせてもらえますか?
DA(ドン・アライアス)
来週NYに帰るとすぐ月曜日にデビッド・サンボーンのTVショーの「ナイト・ミュージック」の大晦日特番の録画がある予定なんだ。マーカス・ミラーも参加する予定でABC系列で12月31日に放映されるよ。(注:実際の番組名は「After New Year's Eve with David Sanborn」でボズ・スキャッグス、ドクター・ジョンなども出演)それにこの番組がレギュラーで復活するかもしれないという話もあるんだ。
それから週の後半はマイケル・ブレッカーの新しいアルバムのレコーディングに参加する予定だ。レコーディングのメンバーは多分今回Jazz Alleyに出ているこのバンドそのままになるんじゃないかな。(注:4月22日に「トゥー・ブロックス・フロム・ジ・エッジ」として発売)
12月29日にはニューヨークのブルーノートで自分のバンドのストーン・アライアンスのライブをやる予定だ。メンバーはベースにはオリジナル・メンバーのジーン・パーラ、ギターにミッチ・スタインそして僕のトリオ編成でジャズ・ロックのようなことをやっている。このバンドでは僕はパーカッションではなくドラムを叩いているんだ。それにこのバンドではカナダのモントリオールではパーカッションを5人とホーンを入れた10人編成のライブなんてのもやったよ。
アルバムを出す予定は今のところないんだけども、日本のある歌手のバックをこのバンドでやってレコーディングするなんて話しもあるよ。
それと日本のレコード会社がストーン・アライアンスの昔の3枚のアルバムの権利を買っていったから日本でCD化されるんじゃないかな。
あとジャック・ディジョネットとのデュオでビデオの撮影もしたよ。これはジャックがドラムスとピアノ、僕がパーカッションをやっているものでその音楽ができていく過程をビデオにしたものなんだ。このCDの方は今ECMと交渉中で多分来年にはでることになると思う。
MH
このマイケル・ブレッカーのバンドでも今後活動を続けるのですか?
DA
いや。僕は他にサンボーンのバンドとロバータ・フラックのバンドをレギュラーでやっているのでマイケルのバンドまではスケジュールの調整がつかないんだ。今回のように日程の都合がつくときだけの参加ということになると思うよ。
MH
ドラムスとパーカッションどちらがお好きですか?
DA
う〜ん、どちらも違うものだからね。でもこのマイケル・ブレッカーのバンドではパーカッションでいいよ。ジェフ・ワッツに横でドラムを叩かれたら、自分でドラムを叩こうなんて気にならないよ。やつは凄いね。
MH
過去共演されたドラマーでは誰が凄かったですか。
DA
ジャック・ディジョネットとエルビン・ジョーンズかな。エルビン・ジョーンズはジャズ史上最高のドラマーだと思うよ。
MH
最近気にいったアルバムはありましたか?
DA
ジョン・マクラフリンの「Promise」がよかったな。彼の新しいのはまだ聞いてないんだけどどうだい?彼は常に新しいことに取り組んでいて好きなアーティストだ。そういや僕は昔マハビシュヌ・オーケストラが結成されるときにリハーサルには参加していたんだ。凄い先進的で複雑なことをやっていて、ついていくのに苦労したけどね。
それとハービー・ハンコックとウェイン・ショーターのデュオのやつも評判がいいんで聞いてみたいと思ってるよ。僕は常に新しいことを追求していくスタイルが好きなんだ。今回のマイケル・ブレッカーのバンドなんか最高の新しいジャズだよ。そういう意味じゃ別に悪口言う訳じゃないけどウィントン・マルサリスみたいなのはあまり好きじゃないな。今の子供たちが学校であういうのがジャズだと教え込まれて育つと思うとジャズの将来が心配だよ。
MH
新しいジャズといえば昔ジャコ・パストリアスとも共演されてましたよね。
DA
ジャコは残念なことになったけど、本当に天才だったよね。僕はグラミーの特別賞か何かを彼のために設けるべきだと思ってるよ。
MH
今後ご自分のバンドで日本にこられる予定はないんですか?
DA
今のところ予定は入ってないんだけど、是非ストーン・アライアンスで日本に行きたいと思ってる。僕は日本が大好きなんだよ。昔、日本の女の子と恋に落ちて結婚寸前のところまで行ったこともあるくらいなんだ。
MH
そうですか。是非日本公演を実現させてください。今日は急に時間を取っていただきありがとうございました。


Interviewed, translated and photography by Masato Hashi
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