デビッド・ガーフィールド インタビュー

デビッド・ガーフィールドはLAを中心に活躍するキーボード奏者であり、プロデューサーだ。LAではThe Baked PotatoやLa Ve Leeなどのライブハウスを中心に自己のバンドやマイケル・ランドウとのカリズマ、スティーブ・ルカサーとのロス・ロボトミーズなどで精力的にライブ活動をしていて、2002年のマウント・フジ・ジャズ・フェスティバルには自己のバンドを率いて出演している。またスタジオ・ミュージシャンとしてボズ・スキャッグス、マンハッタン・トランスファーなどのアルバムにも参加し、ジョージ・ベンソンのツアー・バンドの音楽監督を務めたりもしている。

今回はそんなデビッドにカリズマの活動などを中心に話を聞くことができた。


橋@CyberFusion (以下Hashi)
「Document」はカリズマの「(Forever In The) Arms Of Love」から10年も経ってからリリースされています。この2枚のアルバムは非常に違うものになっていますが、この10年間はカリズマはどうのような活動をしていたのでしょうか?

David Garfield (以下DG)
2枚のCDの間の10年間はロス・ロボトミーズというスティーブ・ルカサーとのもうひとつのフュージョン・バンドに関わっていることが多かったんだ。カリズマはたまにギグをやったり2-3曲作ったりという程度だった。「Document」は僕達がヴィニーと一緒にドイツに演奏にいったときに2−3のコンサートを追加してレコーディングすることにしたからできたんだ。

George Benson & David Garfield
Hashi
最新CDの「Document」ではドン・グローニックの「Nothing Personal」やウェザー・リポートの「Palladium」を演奏していますね。カリズマはオリジナル曲しか演奏しないと思っていたので、ちょっと意外でしたが、何故これらの曲を選んだのでしょうか?

DG
「Palladium」はカリズマの1978年の最初のそして唯一のカバーソングだったので、そんな歴史的な理由からアルバムに入れることにしたんだ。「Nothing Personal」はコンサートでジャズ・スウィングのスタイルの曲が欲しかったのが理由だ。

Hashi
カリズマの最初のアルバムが出たのはもう20年近くも前ですが、このバンドはどういう風にスタートしたのでしょうか?

DG
僕が1974年にロスアンゼルスに引越してきたときジャズのハーモニーとポップス、ファンクのリズムを併せ持っていて、それぞれのプレイヤーがカリズマ性のある演奏をするようなインストバンドをやろうというアイデアを持っていたんだ。 そして1975年にカルロス・ヴェガとこのバンドを始めたんだ。ライブでジャムるための乗り物になるバンドが欲しかったということもある。

Hashi
カリズマはジェフ・ポーカロ、カルロス・ヴェガ、ヴィニー・カリウタとずっと素晴らしいドラマーを起用していますが、彼らについてコメントをもらえますか?

DG
彼らは3人ともずっと僕の一番のお気に入りのドラマーだ。カルロスはジェフから大きな影響を受けていた。カルロスは僕の親友で、僕らは一緒に音楽的評価を高めてきた。ヴィニーは1978年にLAにやってきて、始めはカルロスの代役として使っていた。それで僕らの演奏を通じて多くの人たちが彼のことを知ったんだ。

Hashi
あなたのウェブ・サイトでは以前日本のみでリリースされていた何枚かのカリズマのCDが再発さていますが、これは日本でリリースされていたものと同じなのでしょうか?ジャケットのデザインは違うようですが。

DG
「all the way Live」の他はジャケットが違う以外は全て同じだ。「all the way Live」はリマスタリングと再編集がされていて追加曲と別ヴァージョンが入っている。

David Garfield & Ivan Lins
Hashi
「Lost and Found」と「Music From Riding Bean」は以前はリリースされていなかったように思いますが、これらは新しいアルバムですか?

DG
「Lost and Found」は未発表のアウト・テイクといろいろなライブ録音を集めたコンピレーションだ。「Music From Riding Bean」は1988年に作った「Riding Bean」という日本のアニメ映画のためのサウンドトラックだ。

Hashi
カリズマとデビッド・ガーフィールド・バンドの違いは何でしょうか?

DG
カリズマはいつも他のプレイヤーや作曲者、特にマイケル・ランドウとのコラボレーションの結果だ。僕自身のバンドはより自分自身の音楽的アイデアだけになる。それに自分自身のバンドでは僕がより活躍するね。

Hashi
ジャンルを問わず好きなアルバムを10枚挙げてもらえますか?

DG
Songs in the Key of Life..Stevie Wonder  Check CD  
Bitches Brew... Miles Davis  Check CD  
Body Heat...Quincy Jones  Check CD  
Duke .... Genesis  Check CD  
The Best Of...John Coltrane  Check CD  
Ladies of the Canyon....Joni Mitchell  Check CD  
Zenyata Mondata...The Police  Check CD  
Abbey Road...The Beatles  Check CD  
Aquas de marce....Antonio Carlos Jobim
Native Dancer....Wayne Shorter  Check CD  

Hashi
キーボード奏者として数え切れないほど多くのレコーディングやライブに参加した経験があると思うのですが、一番印象に残っているセッションは何だったでしょうか?

DG
Check CD  
1986年に初めてジョージ・ベンソンとモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演した時だね。ハービー・ハンコックとジョージ・デュークが飛び入りで入ってきてかれらと一緒に「Chameleon」を一緒に演奏しなきゃならなかったんだ。 他にもたくさんあるんだけど、スタジオでは「Let's Stay Together」を録音したときかな。リズム・トラック、コーラス、リード・ヴォーカルのセッションとどれも凄かったよ。
(編集部注:「Tribute to Jeff」に収録。コーラスはマイケル・マクドナルド、ドン・ヘンリー、ビル・チャンプリン、リチャード・マルクス、リズムはスティーブ・フェローンのドラムス、ネイザン・イーストのベースに、マイケル・ランドウ、スティーブ・ルカサー、デビッド・T・ウォーカーの3ギター、リード・ヴォーカルはマイケル・マクドナルドらが参加している。)

Hashi
今後の活動予定を教えてくれますか。

DG
もちろんさ。新しいCD「Giving Back」がほぼ完成していて2003年にCreatchy Records (www.creatchy.com) からリリースされる予定だ。それから自分のバンドでアメリカ、ヨーロッパ、日本、オーストラリア、太平洋地区をツアーしようと思ってるよ。

Hashi
どうもありがとうございました。



Photos courtesy of David Garfield
Interview by Masato Hashi
copyright 2002 by CyberFusion