ジョン・トロペイ インタビュー

ジョン・トロペイは70年代にデオダートのバンドに加わり、大ヒットした映画「2001年宇宙の旅・スペース・オデッセイ」の主題歌「ツァラトゥストラはかく語りき」のレコーディングにも参加、その後ソロ・デビューし、隆盛期のニューヨークのフュージョン・シーンで活躍。地味ながらも渋いギタープレイを聞かせてくれ、近年もソロ・アルバムを発表し続けている。今回はそんなトロペイに最近の状況などを聞いてみた。

Bermuda, 1998

David Spinoza and John Tropea
Masato Hashi@CyberFusion (以下CF)
最近の活動について聞かせてください。

John Tropea (以下JT)
新しいCDのための新しい作品を作っている。それに加えて、ニューヨーク近辺でスピノザ・トロペイ・トリオや自分の6人編成のバンドでライブをしている。それと、最近自分のスタジオをニュージャージーのウェストウッドにある新しい自宅に移したんだ。

CF
スピノザ・トロペイ・トリオについて教えてください。どんな曲を演奏しているんですか?

JT
デビッド・スピノザともう一年くらい活動してきている。アコースティック・ベースを普段はニッキー・パロットが演奏している。でも時たまジェイ・レオンハートやデビッド・フィンクが入ったりもする。僕たちはいろんな曲を演奏するんだけど、僕やスピノザのアルバムの中の曲やスタンダードをファンキー・ジャズのスタイルでプレイしたりする。それとこのバンドで日本やアジア、ヨーロッパにツアーできないかとあたっているところなんだ。

CF
あなたのアルバムではいつもベースはウィル・リーですよね。彼について話してくれますか。

JT
ウィルと僕は30年以上も前からの付き合いなんだ。彼と僕は最近の3枚のアルバムを共同プロデュースしている。僕たちは個人的にも音楽的にも考え方がよく似ているので、スタジオでもライブでも一緒に楽しくやっていけるんだ。彼は僕の親友の一人だし、彼の音楽は、雄弁なんだ。

CF
あなたは昔から時々アルバムでツイン・ドラムを使っていますが、ドラマーが2人という編成が好きなんですか?

JT
70年代にの僕の3枚のアルバムでは、リック・マロッタとスティーブ・ガッドを使った。レコーディングの最初の夜から、彼らは特別なノリがあったんだ。それでしばらくの間、ツイン・ドラムスを続けたんだ。それにライブの時に、彼ら2人を後ろにつけているというのはとてもエキサイティングなんだ。

CF
最近のビデオ・アーツからのアルバムでは70年代のアルバムに比べてポップスの曲を多く取り上げていますね。また多くのオリジナル曲はウィル・リーとの共作になっていますが、昔と作曲の方法とかを変えられたのでしょうか?

JT
ビデオ・アーツからのCDでは、より多くのポップスの曲を加えることによって、より多くの人たちに聞いてもらおうとしたんだ。特に一番最近のCDではより多くのヴォーカルを使っている。ウィルと僕は曲を製作するのに、すごく緊密にワークしているので、作曲も一緒にすることにしたんだ。僕の作曲の仕方という意味では、アプローチなどが変化したというわけじゃないんだ。

CF
好きなギタリストを教えてください。誰に一番影響を受けたのでしょうか?

JT
僕の一番好きなギタリストはジョージ・ペンソンだ。彼とは1964年以来の旧友でもあるんだ。また現時点ではジョージが僕に最も影響を与えたギタリストだと言える。

CF
若手のギタリストの中で好きな人はいますか?

JT
チャック・ローブ、ラッセル・マローン、それにノーマン・ブラウンが好きだな。

CF
最近のスムース・ジャズの人気はどう思いますか?

JT
音楽を広く聞いてもらうにはいい手段だね。でもそのフォーマットからはずれてしまうと、どんなにいい曲でも、かけてもらえなくなってしまう。

CF
今年の予定や新しいCDについて教えてください。

JT
最初にも言ったように新曲を製作中なんだ。それに一番重要なのは、2つのバンドのライブを進めていくつもりだ。

CF
どうもありがとうございました。



ディスコグラフィー

Tropea (1975)
To Touch You Again (1977)
Short Trip to Space (1979)
Live At Mikell's (1982)
NYC Cats Direct (1986)
A Simple Way To Say "I Love You"/チェンジ・ザ・ワールド (1997)
Something Old, New, Borrowed and Blues/レッツ・ゲット・イット・オン (1999)



Interview and translation by Masato Hashi
Photos courtesy from johntropea.com
copyright 2001 by CyberFusion