是方博邦 「プラネットギターマン」インタビュー
 ギタリストの是方博邦さんが、2000年1月に7年ぶりにソロアルバムをヴィレッジレコードから発売しました。そのタイトルも、「プラネットギターマン」。うーん、なんともインパクトありますね〜。レコーディングには、T-スクェアの則竹裕之(Ds)・須藤満(b)が全面参加。3人で「KORENOS」として活動してきた成果が、アルバムにまとまった感があります。レコーディングや曲作り、全国ツアーに備えた是方さんの日常生活の様子まで、伊藤ひさえ、美芽の両名が直撃してきました。

是方博邦メッセージ
28800bpsISDN

●7年ぶりのソロアルバム

伊藤:7年ぶりということで、待ちに待ったアルバムですね。

是方:そうや〜、そうや〜(是方氏、しみじみと言う)。

美芽:待ってました!

是方:なんかしらは出してる気がすんねんけどね。オットットリオとか野獣(野獣王国)とか…。でもソロは久しぶりやもんね。ロスでやった以来やもんねぇ。

伊藤:ええ。アルバム「KOREKATA」以来。

是方:そうそう。あれ以来やなぁ〜。

−できたばかりの新アルバム「PLANET GUITARMAN」を見ながら…

是方:(ジャケットを見て)おっ! これ、初めて見んねん。仮のは見てるんやけど。なかなかジャケット笑わすでしょ。これね、ジャケットの打ち合わせしてた時に、最初は僕の写真をコラージュして載せるって言ってたのよ。そしたら次の打ち合わせの時に、デザイナーの人がいろいろ案を作ってきてくれたんだけど、ここに「プラネットギターマン」って題の曲があるもんだから、そのキャラクターも描いてきてくれたんですよ。それを見たら、「これはオモロイ!」ってことになってね。これに決定(キャラクターの絵がジャケットに)。意表をついた感じで、僕は気に入ってるんですけど。

伊藤:カッコよくていいんじゃないですか。アルバムの内容もなかなか熱〜い感じだし。

是方:そうやね。ライヴっぽく録った曲も多いし。則竹(T-スクエア)、須藤(T-スクエア)と一緒に、ライヴでもう5,6年やリまくった曲もあるし、新しく書いた曲もある
し…。

伊藤:今回のアルバムの手ごたえはいかがですか?

是方:自分としては、よかったと思ってるよ。今回はプロデュースも全部、自分でやったんですよ。7年前はロスで3人ぐらいのプロデューサーにまかせて、“まな板の鯉”やったけど(笑)。今回は全部、最初から自分で決めて、ジャケット決める時も自分が立ち合ったし。だから、音楽的にもヴィジュアル的にもほとんど関わってるから、すごく満足感があるよね。演奏の方も、気心がしれとるメンバーやから、すごくよかったです。則竹と須藤はね、やっぱり僕の書いた曲をよく理解してくれるからね。一緒に演ってるのも長いし、ちゃんとわかってくれるんやね。だいたい新しい曲でも、半月ぐらい前にデモテープと譜面を渡して、今回、リハはやってないんですよ。それでも期待通りというか、それ以上のもんができるからね。

野獣と「KORENOS」の違い

是方: 野獣(野獣王国)はね、デモテープ持っていっても絶対その通りにならへん。「こうしてくれ」って言うても全然違うもんになってまうねん。だから、野獣の場合は予想と違うもんになるっていうよさがある。則竹とか須藤はね、僕がやりたいと思うイメージの要所要所をうまくとり入れながら、それでいて自分を出してくるっていうよさがある。だから、野獣とは全然別の意味でいいんですよ。

伊藤:ぜひ、交互にアルバムを(笑)。

是方:ハハハハ…(笑)。そうやね。今回は僕のソロなんでね、僕の要点を捉えてやってくれる則竹とか須藤にやってもらって、ほんとによかったと思ってます。

伊藤:今回のアルバムをお二人にやってもらうことは、いつ頃から決めてたんですか?

是方:KORENOS(是方・則竹・須藤)ってバンドはね、自分のソロでやりたい曲がやれるバンドをと思って作ったの。野獣の場合はソロじゃなくて、僕もその4分の1やからね。

伊藤:思わぬ方向に行ってしまうし。

是方:そうそうそう。だからKORENOSは自分のやりたいことやろうと思ってね。「この曲は絶対、自分のアルバムに入れたる!」っていう曲をやろうかなと思って。則竹とは昔から一緒に演っとるから今回も絶対やってもらおうと思ってた。須藤とはこれまであんまり演ってなかったんやけど、最近ちょこちょこセッションするようになってね。結構ええ感じだなと思ってて。フィーリングが合ってきたんちゃうかなって。そんで、T-スクエアでドラムとベースやっとる二人やから息はバッチリやし。リズム隊がもう出来上がってるとこに僕が入るような感じで。
 最初は難波さんがいてKORENANOS(是方・難波・則竹・須藤)やったけど、難波さんが忙しくてトリオになった。僕、トリオが好きやったしね。須藤なんかもトリオやるのが初めてで、最初は、「大丈夫かな」なんて言ってたんやけど、やりだしたらすごくいい感じでもりあがって、「これはオモロイ!」ってなことになってね。

伊藤:KORENANOSからトリオになったばかりの頃かな。私もKORENOSのライヴに行って、…

是方:えっ!? ウソやん。

伊藤:ほんとですよ。是方さんが知らないだけで、結構ライヴには行ってるんですってば(是方さんとお話しするのが久しぶりなので、てっきりライヴにも行ってないと思われている伊藤)。それで須藤さんがね、「キーボードがいないって、こんなに大変だったとは…」みたいなことをMCで言ってたんですよ。

是方:へぇ〜、そやったっけ?

伊藤:キーボードがいれば、コードを鳴らしてくれるでしょ。それがベースとしては気分的に楽だとか。

是方:あ〜、そうそう。

伊藤:でも、そのキーボードがいないんで、一気に責任が重くなったようで最初はちょっと戸惑いましたって。

是方:うん、そうそうそう。

伊藤:トリオって今までとは勝手が違うから、慣れるまでは大変なのかなって思ったんです。

是方:キーボードがいることに慣れてる人は、最初はそう思うみたいやね。まあ、本当は関係ないんやけどね。キーボードが鳴ってなかったら、鳴ってないでええのよ。最初はベースで和音とか弾かなあかんのかな、って考えてたみたいやで。でも、結局はいつも通り音一発でええんじゃないかと。それから「なんだ、これでええんや」って思ってくれたみたいやけど。そのかわりトリオで演る場合は、やっぱり人を選ぶよね。よっぽど自分をしっかり持ってるとか、ポジションがちゃんとしてるとか、パワーを出してる人やないともたへんねん。

伊藤:そういう意味でも今回のメンバーはバッチリだったと。

是方:もう、バッチリやったね。すごいええ感じやったね。すごいKORENOS気に入ってるし、根性入ってますよ、今回。

伊藤:それにしても、ものすごいスケジュールですよね、これ。

−ライヴスケジュールを見る。2月から3月にかけて、なんと25カ所を越える全国ツアーが組まれているのだ…

美芽:今回は関西が中心ですね。

是方:西が多いよね。今回は沖縄にも行くんですよ。北海道っていうのもありますけどね、網走とか…。今回、僕25周年で…。

美芽:おめでとうございます。

−是方氏、25年間もずっと走り続けてきたので、息切れがしている様子。ゼェ、ゼェ、…、ハァ、ハァ、…と肩で苦しげな呼吸をしてみせる…(全員爆笑)

伊藤:25周年ということで、本当に今回のアルバムはいろんな要素が取り入れられていますよね。

是方:そうやね。いろいろね。5,6年前からやり倒してきた曲と新しい曲とを混ぜたんですけどね。1曲目(「PLANET GUITARMANT」)とか4曲目(「PLANET GUITARMAN II」)はね、自分としては冒険してる曲なんですよ。いろいろ機械を合わせたりとか、ギターのダビングしたりとか、今までの自分にはなかった曲想にチャレンジしてるんです。

●ジェフ・ベックのライヴ。「すいませんでした・・・」

伊藤:そういえば、去年、ジェフ・ベックのライヴに行かれたとか。

是方:行った!(是方氏、感動の表情をする)

伊藤:ジェフ・ベックも、いろんな新しいことに挑戦してますよね。

是方:そうや〜。あれ見て、もう、めちゃくちゃ刺激うけたわ。去年のライヴのナンバーワンやったな、あれは。

伊藤:私は行けなかったんでアルバムを買ったんですけど、やっぱりすごかったですか。

是方:「Who Else!」買ったの。ほとんどあれの中から演ったよ。あれ、どうやってライヴやんのかなって思ったけど、やりおったな…。めちゃくちゃよかったわ。彼は僕より10歳年上なんよ。それでワールド・ツアーしてるでしょ。「すいませんでした…」って感じやな(笑)。やっぱりすごい。ステージに出てきた時のオーラがすごいんよ。

伊藤:是方さんとジェフ・ベックって、どことなく重なるところがありますよね。

是方:オレ? ウソやん。そんなもったいない! 大好きは大好きやけど(笑)。……
やっぱり、影響うけてるよね…。1曲目とか…(笑)。

伊藤:1曲目、すごくカッコイイですよ。

是方:4曲目なんかもね、すごくテンポが速いんですよ。ドラムなんかも速くて難しくてね。だけど、則竹うまいことやりおったよね。

伊藤:なんか、変拍子みたいに聞こえましたけど。

是方:変拍子ではないねん。そういう感じにきこえるかもしれないけど。あれも、僕がデモテープで打ち込んだドラムを則竹がうまいこと取り入れてくれて、人間ドラムンベースみたいなことやってくれてるんですよ。あれはなかなかでけへんよ。録るのに6時間ぐらいかかったけど、ようやったと思うわ。

伊藤:今までの是方さんと、今回のアルバムをどうしても比較してしまうんですけど、今回は歪んだ音とか、歪んだ音でのアルベジオとかを入れたりして、音色っていう意味でも新しいというか。今まであんまり歪んだ音って使いませんでしたよね。

是方:使わなかったよ。あっ、詳しい!

伊藤:ちゃんと是方さんのことは知ってるんですってば(全員爆笑)。だから、そういう部分によって、“熱さ”っていうか“不良っぽさ”みたいなのが出てるというかね。

是方:そうなんですよ。だからね、今まで自分の中にないギターというかね。それに気付いてくれたのは嬉しいですねぇ。

伊藤:アービーくんの曲(「SUPER ARBY」)なんかもね。

是方:そう、今までなかったもんね、ああいうタイプは。アービーくんも結構冒険なんですよ。それ、完全トリオなんですよ。完全トリオでレコーディングしたことはなかったんでね。それはもうKORENOSのたまものですよ。それと、「STORM NAMIBU(ナミブの嵐)」っていう曲。あれはトリオっていっても、ギターをダビングしてるからギターが重なってるんだけど。「SUPER ARBY」は完全にトリオだからね。あと、「CASTLE OF THEWIND(風の城)」って曲は、ヴォコーダーで3声にハモっててこれも冒険だったんですけど。

伊藤:3声のそれぞれのハモリの声部も是方さんが考えたんですか?

是方:そう。あれは全部、アレンジもキーボードも全部僕がやった。ヴォコーダーで3声でハモってやるのは世の中広しといえどもおらんと思うんだけど(笑)。「風の城」はメロディーが好きで、書きためてたやつでね。ライヴでもやってなくて、いつか出そうと思ってたんよ。今回こそ入れようと思って完成させた。

インストだけど、つくりは「歌」!

伊藤:私は8曲目(「MOONLIGHT MEMORIES」)も好きなんですけど。

是方:ああ、それね。それもね、絶対自分のアルバムでやりたかった曲なんよ。

伊藤:私は勝手に、こういう曲が是方さんに一番ハマってると思ってるんですけど。

是方:そうやね。ハマリ役ね(笑)。

伊藤:なんか、曲の作り方もインストと歌ものって違うじゃないですか。

是方:これ、歌もんでしょ。

伊藤:そう、そう(笑)。

是方:歌もんやね、これね(爆笑)。

伊藤:そう、歌、歌。

是方:わかっていただいて、ありがとうございます(笑)。そやねん、バラード作る時はインストを作ろうと思って作ってないんですよ。参考にする音楽もインストは聞かへん。歌もんばっかり聞いてるし。その曲も出来た時はね、「ああ、いいの出来た〜」ってね。そういう曲は昔からまあハマリ曲やったから、今回はちょっと違うタイプの曲をCDの最初のほうに持ってきた。結構迷ったんやけど、新しい面を前に出そうかなと思って。
 この2曲目(「GRAND G WAVE」)と3曲目(「EAGLE」)の曲は、5,6年前に出来たやったから、レコーディングはすごい早かったよ。則竹と須藤も早かった。ライヴで結構やりまくっとったからね。ニュアンスはバッチリやから。テイク2かテイク3ぐらいでOKになったかな。

伊藤:レコーディングにはどのくらい時間をかけたんですか?

是方:全部で2週間。2週間時間をくれるっていうたらすごい嬉しいよ。ジャズのレコーディングなんかは2日か3日ぐらいで録るんやで。だいたい1日か2日で「せーの」でレコーディングして、あと1日でトラックダウンするんよ。

美芽:2週間っていうのはトラックダウンを含めてなんですか?

是方:トラックダウンも含めて。リズム隊を録んのが5日間ぐらい。10曲で、1日2曲ペース。そんで、あと4日でダビングして。ギターダビングしたりとか、キーボード、コーラスとかいろいろあるでしょ。ギターダビングでまるまる2日半ぐらい。1日14時間とか15時間とかギター弾いとった。昼の1時ごろに入って、終わったのが次の日の朝の5時とかね。もう、ずうっと弾いとんねん。だから、テンション落とさへんようにするのが苦労したわ。レコーディングってお客さんがおらへんでしょ。自分でテンションあげんといかんのよ。そん時にいいもんが録れんかっても、あとに残るもんやからね。満足せえへんかったら後々まで後悔するわけや。そういう経験もあるから、絶対に納得いくもんを録らんと。だから、時間はかけるんやけど、その間ずっとテンションをあげてなきゃ、っていうね。

伊藤:時間が長いだけに大変。

是方:そんでも、あと3日ぐらいほしいなぁ。でも時間かけたら、ええもんが出来るもんでもないねん。そのへんが難しい。ぎゅっと凝縮されたなかでやった方が、ええもんが出来る場合もあるし。火事場のばか力みたいなテンションがあがってね。時間がありすぎて、こなれすぎでもよくないから、そのへんが難しいんやな。

伊藤:体力的にも辛いし。

是方:やっぱりね。レコーディング前には風邪ひかんようにせな。ツアー前とかレコーディング前とかの健康管理はしっかりやっておかんとね。今もジムに通ってるのよ。

伊藤:そうなんですか。

全国ツアー目前。ジム通いで体力づくり!?

−すさまじいライブスケジュールに、自然と全員の目が吸い寄せられる…
ライブの予定はこちら。

是方:こ、これがあるからね…。もう今からジム行ってるんよ…(笑)。だって、キツイでぇ、これー!(笑)

美芽:マラソンみたいですよね。

レコード会社担当:ほとんど毎日ですもんね…。

是方:そんでも1週間に2日は休みをとったんよ。サラリーマンみたいに週休2日制(笑)。週に5日がライヴで、その間に移動ありでしょ。相当キツイよね。則竹と須藤はオレより10歳若いからね、この10歳はデカイでぇ。やっぱりリーダーがヘタらんように、ジム通わな。

伊藤:週にどのくらい行ってるんですか?

是方:スケジュールが空いてる時は結構行ってるよ。週に2,3日行く時もあるよ。

伊藤:どんなメニューをやってるんですか?

是方:え? 筋トレ…。マシンで腹筋とか背筋とか。無理のないように。腕とか壊さんようにね。でもね、筋トレやるとね、やっぱりちゃうよ。ギター弾くの楽になる(笑)。

美芽:ギターが軽くなる?

是方:そうそう。だって2時間以上立ってるやん、ライヴで。あれ結構キツイで。ずっと立ちっぱなしで思いっきり気張って演奏してるでしょ。それが前より少し楽になった。普通に生活してたら背筋とかあんまり鍛えんでしょ。だけどギター弾く時、背筋って大事なんよ。海外のミュージシャンってみんな体鍛えとるもんね。ジェフ・ベックとかもすごい体してるもんね。

伊藤:そうですよね。最近なんて、お年をめした方々が頑張ってるじゃないですか。サンタナとか。

是方:サンタナもまたチャートに入ったでしょ。あれはカッコええね。

伊藤:そういうのを見ると頑張ろうって気にもなりますよね。

是方:なるなる。いやぁ、今年45歳なんやけども45ぐらいでシンドイ言うたらあかんと思うよね。あの人ら、クラプトンとかも僕より10歳ぐらい上でしょ。それで世界ツアー回っとるんやからねぇ。すごいよねぇ。でもまあ僕は国内だけど、インストでこれだけ全国回ってるヤツ、ほかにおらんと思うで(笑)。

伊藤:そうですよね。

是方:まあ、ライヴツアーがライフワークになっちゃったんやな…。

美芽:アコースティックコーナーについてもお聞きしたいんですけど。

是方:アコースティックコーナーはね、前はいつもバラードっぽいヤツやってたから、今回は勢いのええヤツと思って、「スパイ大作戦」とかやったらめちゃめちゃウケたんよ。ライヴでね。めちゃめちゃウケた時の拍手って、やっぱり違うんよ。演奏が終わった瞬間、「ワーッ!」と拍手の立ち上がりが早い。このアコースティックコーナーは、どこ行っても立ち上がりが早かったんよ。則竹なんかもステージの前に出てきてくれて、オレも須藤も前に行って、“かしまし娘”状態で演るわけや。そういう絵柄もええんやろうね。それで、おもしろい曲をメドレーで演るのを“KORENOS名物”にしたわけ。これも絶対自分のアルバムに入れようと思って。だから、こういうアコースティックという形でレコーディングしたのも初めてやったんですよ。

美芽:これ、一発録りですか?

是方:そう、一発録り。

美芽:このメドレーは、この前のツアーでもやってましたか?

是方:これはね、違うバージョンや。今年は前回のと混ぜたヤツやろうかなと思って。

●プラネットギターマンの由来は・・・・

伊藤:今回、タイトル決めには苦労しなかったんですか?

是方:いや。苦労した(笑)。トラックダウンの時って時間あるから、その間にずうっと考えてるんや。最初はね、「K’sスタイル」っていうアルバムタイトルやったん。是方の「K」で、オレのスタイル。それに決めてたんですよ。そしたら、このジャケットができあがってきて、「PLANET GUITARMAN」に変えたんよ。もともとの最初は、僕は「PLANETGUITARMAN」っていうタイトルにしたかったんよ。ギターっていう名前をタイトルに出しかった。でも、このキャラクターがまだない時に、レコード会社の人とかに話してたら、この「PLANET GUITARMAN」っていうのはあんまりピンときてくれなかったんよ。オレの中では「ええ感じやん」と思ってたけど。それで、もう1つ「K’sスタイル」っていうのがあるんやけど、って言ったらそっちの方がいいと言われて。それに決まりそうになったんやけど、このキャラクターがきてから、「ああ、これはもう、プラネットギターマンや」ということになってね。ジャケットとうまいことリンクしたから。

伊藤:これは、その「K」なんですね(キャラクターの肩に「K」と書かれている)。

是方:そうそう。今回、全部その字体にしたんですよ。今ね、その字体のね、KORENOSのT-シャツ作ってんですよ。

美芽:えええ〜!!(グッズには目がない美芽の驚き)

是方:ハッ、ハッ、ハッ、…(爆笑)

美芽:なんか、この感じって、RPG系のゲームっぽい雰囲気がありますよね。

是方:あるある、ちょっとそういうゲームっぽい感じもあるよね。裏見ると、「ああ、やっぱり」って感じなんだけど(笑)。(是方さんがギターを弾いてる写真が載っている)

●タイトルを決めたら、いきなりOKテイクが!

伊藤:曲のタイトルについてはどうでした?

是方:「PLANET GUITARMAN」は、わりと曲作ってるときにイメージがあった。TとUは
ね、だいたい同じ時期に作ったんですよ。2曲目(「GRAND G WAVE」)はね、ずっと「新曲C」やったんですよ。

美芽:「新曲C」は結構、ライヴで演ってますよね。

是方:そうやろ。だからライヴでも「新曲C」でやり倒してきてるから、「GRAND G WAVE」っていうと、なんか違和感があるねん(笑)。「SUPER ARBY」ってのはうちの犬の名前。

伊藤:柴犬なんですか?

是方:そう。今日も朝、散歩に行ってきた。気が強くて甘ったれなんよ。これがね、僕が寝とったらバァーって思いっきり走って、起こしにくるんよ。

伊藤:曲にその感じが出てました(笑)。

是方:あとは、「セーヌのメロディ」。これは難波さんも入ったKORENANOSでやった曲やけどね。CHAKAさんにコーラスだけで来てもらうのは申し訳ないと思ったんだけど、まあ友達やし、ええかと思って。

美芽:セーヌ川の写真集を見て、というのは写真集と曲とどっちが先だったんですか?

是方:これは完全に曲が先で、だいぶ経ってから図書館で…。僕、曲のタイトルに困ったらいつも図書館に行くんですよ。そのときの気分でいろんなもんを見るの。こん時はフランスの写真集。セーヌ川の上流のきれいな写真がいっぱいあって、その中のひとつがこの曲のイメージにぴったりだったので、この名前にしたのよ。写真集があって、なんかいい感じだなと思って。

美芽:じゃあ、「ナミブの嵐」は砂漠を見てたんですか?

是方:人工衛星が写した航空写真を見てたんよ。地球のいろんなとこ写してるわけや。アフリカ大陸とか砂漠とか。そんで、「ナミブ」っていう言葉の響きがええなと思って。これね、レコーディングしてる時に「ナミブの嵐にしようかなって思ってるんや」って言った瞬間にOKテイクあがったんよ。

伊藤:曲のイメージって大事なんですね。

是方:それまでね、リズム隊録ってるとき、なんとなく悩んでたんよ。でも、まあOKテイクぐらいのものは録れてたんだけど、もういっぺんやろうかなって感じなんよね。それで何回もやってたんだけど、「これ、ナミブの嵐っていうんだけど」って言ったら、則竹と須藤が「あっ、そういう感じなんですかぁ!」「なんだ、そういう感じなんですね」って。それで次のでOK! 気分的なもんって、すごく大事やからね。今回のアルバムは、プロデューサーもやったから、そういう面でも気を使ったよね。みんなの気分を盛り上げたり、気持ちをいい方向に持っていけるように。たとえば言葉の使い方とかも気を使うわけや。今回は結構それがうまくできた気がするから、思うようにやらせてもらいました。

伊藤:最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

是方:ギター(僕)に関してはね、今できることを全部やったっていう感じ。いろいろす冒険もしたし、新しい面も見ていただけると思います。とても楽しんでいただけると思います。あと、則竹とか須藤に関しては、T-スクエアでは見られない面が見られるんじゃないかな。全然タイプの違う演奏をしてるところもあると思うんやわ。それがT-スクエアのファンの人たちにとっては、楽しめるんじゃないかなと思います。トリオで演ったりしてるから、ドラムとかベースの音が結構リアルに聞こえてくるし。則竹・須藤フェチにも、必聴のアルバム(?)じゃないでしょうか(笑)。

是方さん、ありがとうございました!

Text by Hisae 
Produced by Mime
Copyright by CyberFusion 2000

是方博邦ホームページ