(2004.07.19) 少々レポートが遅くなりましたが、「著作権法の一部を改正する法律案」は6月3日に衆議院本会議で原案通り反対0で可決されました。(反対0というのは今の日本の国会がいかに民意を反映しないものになってしまっているかを象徴しているようにも思えますが) 但し同時に 一 商業用レコードの還流防止措置の存在が欧米諸国からの洋楽のレコードの並行輸入及びすべての商業用レコードの個人輸入等を阻害することのないよう、内外の著作権者及び著作隣接権者に対し最大限の配慮を求めるとともに、欧米諸国からの洋楽の並行輸入等が阻害されるなど消費者の利益が侵害される事態が生じた場合には、還流防止措置の見直しを含め、適切な対応策を講じること。 を含む付帯決議も可決されています。 衆議院本会議での決議に先立ち6月1日、2日の2日間に渡って文部科学委員会に、社団法人日本レコード協会会長、依田巽氏(エイベックス株式会社会長兼社長.)、音楽評論家の高橋健太郎氏、国際レコード小売協会のポール・デゼルスキー氏などが参考人として招かれてこの法案の詳しい審議がされています。
文部科学委員会の6月2日会議録(第25号)- 末尾に付帯決議全文あり また法案の成立を受けてタワーレコードとHMVジャパンが、洋楽輸入盤CDの輸入規制が起こらないよう注視していくこと、政府および関係者が同法案の「欧米諸国からの洋楽の並行輸入等が阻害されるなど消費者の利益が侵害される事態が生じた場合には、適切な対策を講じる」等の付帯決議を遵守するよう働きかけていくことなどを盛り込んだ共同声明を発表しています。 タワーレコード/HMVジャパン「著作権法の一部を改正する法律案」の成立に関する共同声明 ちなみにタワーレコードのサイトよりは下記5月26日付でお知らせした法案の趣旨に賛同するようなコメントは削除されています。 法案成立によって本件は一旦はけりがついたことになりますが、今後実際に洋楽輸入盤CDの輸入規制につながるような動きがあった場合は逐次レポートしていきたいと思います。 (2004.05.26)
本日5月26日付読売新聞の朝刊に「洋楽輸入盤は? 審議進むCDの逆輸入防止 音楽ファンは規制範囲に不安の声」という見出しで、また現在店頭に並んでいる読売ウィークリー6月6日号には「レコード業界「音楽鎖国」の愚挙−洋楽CD輸入盤が店頭から消える? 」という見出しで関連記事が掲載されています。 またAmazon.co.jpは同社サイトにて重要なお知らせとして輸入音楽CDの規制に対する懸念を公式に表明しました。 一方タワーレコードは同社サイトの中で法案の趣旨に賛同するという対照的な姿勢を示してしています。 (2004.04.25) 「著作権法の一部を改正する法律案」は全く修正されないまま全会一致、反対票0で4月20日に参議院を通過しました。 尚、現在首相官邸ホームページ (http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/pc/040417comment.html)で5月9日まで「知的財産推進計画の見直しに関する意見募集」が行われています。今回のCD輸入禁止に関する法案は「知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画」の中の以下の項目に盛り込まれています。
第4章 コンテンツビジネスの飛躍的拡大 ウェブから投稿できるようになっていますので、皆さんの意見を積極的に官邸に届けましょう。 (2004.04.18) 僕たちが毎月のように買っているCDの輸入盤が日本のCDショップの店頭から消えてしまうかもしれないという近未来SF小説もどきの信じられないような話が今現実に進行しています。
どういうことかと言うと現在開催中の国会に内閣より提出されて審議されている「著作権法の一部を改正する法律案」にレコード輸入権という形で輸入盤CDを規制する内容が盛り込まれているのです。 このまま何事もなく進んでしまうと6月16日の国会の閉幕までには法案が可決されてしまい、来年の今ごろには洋楽輸入盤CDの新譜は店頭から消えうせ、定価3000円の日本盤コピーコントロールCDというCDもどきの規格外模造品しか手に入らなくなっているという事態になっているかもしれません。 ではこのような異常事態を避けるために僕たちリスナーはどうすればいいのでしょうか?国会で審議が進んでいる現状ではもはやできることはあまりありませんが、以下のようなことが考えられます。 1.友人への口コミ、メーリングリストや掲示板への投稿、自分のホームページなどを通じて多くの人にこの法案について知らせて世論を盛り上げる。
2.署名運動、デモなどを行う。
3.この法案に反対している国会議員、弁護士らを支援する。 また小倉秀夫弁護士は法案に反対する意見書を作成して賛同者を募っています。 4.全ての人にできることではありませんが、この記事をみられたテレビ、新聞関係の方は是非、番組、記事で本件を取り上げ世論を盛り上げて頂きたいと思います。 今後もこの問題につき何か進展があったらこのサイトにてお知らせしていきたいと思います。(橋 雅人) |