Jim Beard「Ad・Vo・Cate」ESC Record(ESC0363-2)'99 - U.S.A.
Jim Beard(key) Bob Malach(flt,b-clarinet) Jon Herington(g) Arto Tuncboyan(vo,per) Matthew Garrison(b) Tim Lefebvre(b) Gene Lake(drs) Zach Danziger(drs-pgm) Peter Davenport(vo) 
○骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間
○R&B系 ○ブラック系 ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系               ( □ブラジル系  □サルサ系  □カリプソ系 )
○ユーロ系  ○JAZZ系  ○JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ○ロック系 ●Jim Beard系
いつの頃か記憶が曖昧であるが、ストリングス系のシンセの音が気になり、誰が弾いているか調べるといつも彼であった.
他人のアルバムに参加していても彼の存在は大きく、いつしかキーボード奏者で最も注目する存在となり、彼の出す音は麻薬のように僕の体を蝕んでいきます.
この作品も、Jim Beardの個性と「毒」が十分にまき散らされた作品です.
まず、ジャケットの写真!!鬼のような角の生えた肌色の帽子.これには驚きというか、彼らしいというか、いつも人を食った扮装で出てきますねぇ.思わずニヤリ物です

さて、サウンドですが単なるドラムの音を真似た打ち込みの音ではなく、複数のパーカッションを折り込んだようなリズム.それに彼独特のメロディは、そんじょそこらでは落ちていないちょいとひねくれたメロディ.
ノスタルジーを感じさせるものなんですが、サウンドが最新の音なのでその対比が抜群に面白いです.

そうかと思えば3曲目では、ワールド系(?)無国籍風(?)なんてぇいうんでしょう??言葉が見つかりません.聞いたことのないような国の言葉のボーカルでアフロというかどこそこと特定できないような地域のような個性強いメロディの作品.ボーカルのリフレインが深淵に誘ってくるようで不気味です.
4曲目では最近のBill Evans(ts,ss)がやりそうな感じのサウンド.B.マラックのフルートが幻想的です.
そうかと思えば5曲目は言葉では説明するのが難しい状況(^^;)まるで映画の一シーンを見ているように、いろんな効果音が入ったり、変なおじさんがしゃべったり、そのバックでは笑い声が聞こえるし、バンジョーは鳴っているし、、、、まさに彼らしいハチャメチャなサウンド.
6曲目ではスティーリーダン風のイントロから麻薬のような幻想的なサウンド........
もうJim Beardによって脳味噌をグチャグチャにかき混ぜられたようになりました.
僕のレビューを見た人は多分「なんか変なサウンドのようだなぁ〜」と敬遠してしまうかもしれません.確かに最近流行りのスムース系やT-〇/カ〇オ〇アのようにポップなサウンドとは違います.(伏せ字の効果なし(^^;))

チョット変わったメロディで小細工のいろんな音が入っていて、ポップで不気味なサウンド、それでいてセンスがイイ.一言でいえばこんなサウンドです.

彼の個性と毒とアイディアが一杯感じられるんですねぇ.彼のソロではやりたいことを目一杯やって、誰かの作品のプロデュースをしたり、セッションすると強烈な香辛料がそのサウンドに溶け込んで新しいサウンドを生んでいます.
8曲目ではまともにピアノを弾いてますが、そのサウンドは展開が全く読めずこちらの思惑と外れてサウンドが展開します.結構可愛いメロディなんですがバックのサウンドは結構不気味でその対比がいかにも彼らしいとこです
この作品は私が書いている程、変に小難しかったりとっつきにくいものではありません.さりとてスムース系のようにデートの最中に聞くサウンドでもないでしょう.新しいサウンドを求めている方には自信を持ってお勧めします.

脳味噌錯乱級!!買いッ!!僕にとって今年のベスト3の作品で彼の最高傑作です.(アスワン)
 

   
Slow         Speedy
Light             Heavy
Mellow             Hard
Lyrical           Cool
Melodious             Out of melody/code
Conservative               Progresseve/Tricky
Ensemble           Interplay

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