須藤 満「FAVOR OF MY FRIENDS」Village-Records(MVCJ-29001)'97 - Japan
須藤 満(b),神保 彰(Drs), 大橋 勇(g),高橋安土(Key)

    ●骨太いストレート系 ○明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間
  ○R&B              ○ブラック系    ○歌物・NAC/AOR 系
  ○ラテン系(□ブラジル系 □サルサ系    □カリプソ系)
   ○ユーロ系        ○JAZZ系     ○JAZZとFUSIONの中間系
  ○ブルース系     ○ロック系        ○J-FUSION

T-スクェアのベーシスト、須藤満の初のライブアルバム。ここ8年ほど「みなさんのおかげです」と称してソロライブをT-スクェアのオフシーズンである秋冬に行っていた須藤さんが、昨年の2月に東名阪でツアーをしました。このときの神戸チキンジョージでのライブをおさめたものです。アルバムタイトルは「みなさんのおかげです」を英訳したものだとか。はっきりいって、思っていた以上に良い!T-スクェアファンにもついていける内容ですが、どっちかというとT-スクェアの持つポップな雰囲気とは違って「バリバリのフュージョン」とでも形容したらいいんでしょうか。曲がいいんです!!。タイトルを見ると「消えた花嫁」「カーニバル殺人事件」・・・なんだか、火曜サスペンス劇場のノリ?・・・って感じですが、音はこのイメージをいい意味で裏切ってくれました。ちょっと日本人離れした80年代の洋ものフュージョンの影響も感じます。長野オリンピックのモーグルの金メダルをとった里谷多英さんを、須藤さんがリレハンメルのときにテレビで見て作った曲「ASIAN MOGLER」のスピード感も気持ちいい。「みなさんのおかげです」バンドでは頻繁にキーボードを弾いている高橋安土さんの演奏を聴くと須藤さんとは音の趣味がわりと合うのではないかと推測します。カシオペアからフュージョンを聴きはじめそれ以来フュージョン一筋の須藤さん、作曲、アレンジのセンスもなかなか。ビシッとしまった辛口でカッコイイ音になってます。
このアルバムの目玉はなんといってもドラムの神保さんの叩きまくり。最近はカシオペアでも叩いてますが、カシオペアでの演奏が円熟味を感じさせるのに対して、このアルバムではパワー爆発という感じ。ライブでは手数音数が爆発し鬼気迫る迫力の「千手観音」ぶりを堪能できるのですが、このライブハウスでのパワーをそのままカンヅメにしたような演奏です。JIMSAKUのアルバムでも叩きまくってはいるのですが、あれとはまた別のものという気がします。4人でセッションしている状態で「本気を出した」(須藤さんの弁)神保さんの演奏という意味で非常に聴き応えのある一枚です。神保フリークの方にはインディーズなので今のうちに買っておくことをすすめます。
大橋さんのギターも、骨があって鋭くて、ロックっぽい音色が非常にいい味を出しています。基本的にはメロディを弾いてるのはギターですから、大橋ファンも絶対買いです。4人の個性がうまく引き出された、生き生きとしたアルバムになったと思います。こういう名演がライブハウスで一晩限りで消えていくことを考えると、ヴィレッジレコードさんにはこれからもこういうライブ盤を頑張って出して欲しい!と強く感じます。マニア(笑)の私としては、こういうアルバムはこたえられません!!(美芽)



   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progresseve/Tricky
Ensemble                     Interplay